アニラジロデオ ～夜中に声優ラジオなんて聴いてないでさっさと寝な！

アニラジを聴いて笑ってる僕らは、誰かが起こした人身事故のニュースに泣いたりもする。（上り線）

前回までのあらすじ

　自宅のＨＤＤレコーダーの残量を増やすため、零児と響季はそれぞれ録画した番組をバシバシ消していく。その中には人気声優が無名時代に顔出しで出ていた教育番組や、深夜ドラマもあった。
 　メールが採用されることに固執するあまり、リスナーとしてラジオを楽しめなくなっていた響季は零児にメールの代筆を頼むが、その見返りとして零児はセクシー女優様のポッドキャストで、あくまでノベルティとしてうっかり貰ってしまったエロティックＤＶＤの処分を響季に頼む。

 　その後二人は、実力派声優の電撃入籍、テレビアニメ化に伴う声優交代劇などを経て、ミニカー展と大好きなラジオ番組の公開録音、更にいい献結謝礼を求めてエルドラドたる都会の献結ルームへとケツカッチンデートを実行。
 　ブリトー美味しい。

 　そして「どうせ当たらないけど」と献結啓蒙ライブに応募するが、零児のオモシロ脳は徐々に鈍り始めていたことに二人は気づいていなかった。
 　ブリトーは美味しゅうございました。



 　一方その頃、ロールケーキブームの煽りを受け、昔ながらのクリームの少ないロールケーキを売るババアこと昔ながらのロールケーキババアは苦境に立たされていた。
 　「あんなクリーム少ねえロールケーキなんて今どき食わねーよ！」「ホントホント！」「シュークリームはクッキーシューこそ正義！」と、クリームたっぷりロールケーキにどっぷり浸かった新生ロールケーキマニアが今日も閉められた店のシャッターに向かって石を投げる。
 　クッキーシューマニアも石を投げる。

 　それはまるで「セガなんてダッセーよな！」「プレステの方がおもしれーよ」みたいなヒドいノリ。
 　「ちがう、ちがうのっ。ババアが作るロールケーキは、ブッシュドノエルとかに魔改造するのにうってつけなの。それに、みんな気づいて」
 　一部好事家がいるため、こちらは売上が落ちない昔ながらのバタークリームケーキ屋のマダムは、それを影から見て涙する。

 　だがそんな魔改造するより買ってきちゃった方が早いことに、マダムは気づかない。
 　それと同様に、ブッシュドノエル作る時にフォークで木目を付ける楽しさに、民は気づこうともしない。
 　斜めに切ったロールケーキの先っちょを切り株風に本体ケーキに載せ、クリームで接着。
 　そんな切り株ケーキからはたくさんの夢が溢れてるというのに、民は気づこうともしない。
 　それこそ、かつてセガが１０００億円投じて横浜にブロードウェーを作ろうとしたぐらい夢が溢れているのに。

 　元・セガ信者のマダムは、もううんともすんとも動かない白サターンを竈に入れ、火を付けた。ドリキャスはまだ動くの。