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二部 セーブ地点変更後

7-①路地裏で捕まって

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 海斗のいないタイミングを見計らって、クラスメイトに声をかけて、合コンにやって来た。かわいい女の子とも話した。なんとなくいい雰囲気にもなれた。
 それでも思い浮かぶのは海斗のことばかりで。もしこんなところ見られたら海斗に何をされてしまうのかと想像する度に体がゾクゾクして。

 結局何の収穫もないまま、女の子に連絡先を交換しようと言われたのも断って、合コンを後にした。
 クラスメイトたちはそのままカラオケに行くと言っていたが、それも断って、一人で帰ることにした。


 自分は何がしたかったんだろう。


「――わっ」
  

 そうしてぼんやりと歩いていたところを、後ろから腕を掴まれて、路地裏に引きずり込まれる。
 どうせまた海斗だろうと思いつつも、腕の力強さがいつもとは違っていて。なんとなく嫌な予感がした。

「……まあまあ、いけそうだな」

 ――海斗の声ではない。

 振り返って見ると、値踏みするようにこちらをじろじろと見てくる男は、初めて見る顔だった。
 大学生ぐらいだろうか。酒の匂いがする。

「お、そいつにすんの?いたいけな高校生を輪姦(まわ)そうなんて、お前もえげつない事考えるよな~」
「ホント、えげつないわ」
「ならお前らは見てれば?」

 腕を掴んでいる男の他に、二人、仲間らしき男が現れる。どちらもケタケタと笑いながら酒の匂いを撒き散らしてきた。

 会話の内容がなんとなくおかしい。とにかく逃げなくてはいけない気がする。
 掴まれた腕を振りほどこうとするがビクともせず、その間に別の一人に口をガムテープで塞がれる。

「んんんっ、んっ!!」

「静かに。大丈夫、大人しくしてたら気持ちよくしてやるから」


 腕も背中でガムテープでぐるぐる巻きにされ、いくら力を込めても切れそうにない。


「だからさあ、いたいけな高校生にそういうのってお前ホント鬼畜~。かわいそ~」
「だからお前らは帰ればいいだろ」

 もしかすると、助けてもらえるのだろうか。
 可哀想と言った男の顔を縋る思いで見つめる。
 だが、次の瞬間にその男の目が、肉食獣のような、獲物を見るような目で、涼太を見ていることに気づく。



「ホント――すげー興奮するわ」


 この場に、助けてくれる人間はいないのだと、その言葉でわかってしまった。




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