曇らせ剣士シド、輪廻の果てに曇らせを見る

 剣士シドは呪われている。

 輪廻の呪いという歴史上でも彼以外確認されていない極めて希少な呪いである。

 この呪いは死んだ時に起動する。

 本来昇天するべき魂は呪いの縛鎖に囚われ、輪廻するのだ。

 輪廻するとどうなるのか。

 意識はそのままに新たな肉体を得る事になる。

 要するに生まれ変わりだ。

 それの何処が呪いかと思うかもしれないが、“終わらぬ生”が地獄か天国であるかなどは語るまでもないだろう。

 だがシドの場合は違った。

 シドの場合は天国であった。

 なぜなら彼は曇らせるのが好きだからだ。

 曇らせるとは、一体なにか?

 それは……
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