侯爵令嬢の四十日間 ――均衡が国を変えるまで

婚約を解かれた侯爵令嬢。
けれど彼女は、泣きもしなければ争いもしなかった。

王都から距離を置いたその日から、国の流れはわずかに変わり始める。

事故が増え、交易は滞り、民の不安は静かに積もる。
崩壊ではない。
革命でもない。

ただ――“均衡”が失われただけ。

一方、北の地で彼女は何も奪わず、何も誇らず、ただ整える。
望まぬ中心。
求めぬ王冠。

それでも四十日後、国は気づく。

中心とは座る場所ではなく、
支える位置なのだと。

これは、復讐の物語ではない。
叫ばぬざまあ。

静かに国を変えた、侯爵令嬢の四十日間の記録。


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