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クリスの章
王宮へ別れを告げる
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次の日、王宮に出仕したクリスは
「あらクリス、近衛騎士のジェイク様と婚約したんですって?」
と侍女仲間に声をかけられ驚きが隠せない。
「えっ?」
「昨日舞踏会に、二人で来たでしょう?
それに侯爵様が昨日お二人の婚約を承認下さるよう婚約証明書を持ってこられたのですって」
隣の侍女も
「だからみんなやっぱりって噂してたのよ、前から仲良くデートしてるの見てたから」
いつ見られていたのかさっぱりわからないけど、ほんとに噂ってすごい。
早すぎる………ウェルズ侯爵家こわすぎる………
「とにかくおめでとう!先越されちゃったわね!ふふっ」
とにかく祝福ムードなのがありがたいと思わなければ。
「クリス~!」
横からきゅっと抱きついてくるのはマリーだった。
「聞いたわ!もぅどうして言ってくれなかったの?私はクリスの親友でしょう? 」
マリーがキラキラの瞳でせめてくる。
美形に責められてときめいてしまう。
「ごめんね、マリー。ほんとに決まったのは昨日なのよ?
私自身ほんとになにもかも急展開で戸惑ってるのよ」
しゅんとしていうと
「いいわ、わかってるわよ!」
よしよしと撫でてくれるマリーに抱きつきてしまう。
「結婚しても私たちは親友よ、クリス!」
胸がじーんとしてうるうると視界がボヤける。
ジェイクに輪をかけて強引にグイグイくるあの侯爵家に嫁いでほんとにやっていけるのか、昨日からずっと心配なのだ。
父母ですら止められなかったんだ、無理に決まってる。
マリーと昨日の経緯をボソボソと話ながらソフィア王女様の元へ。
ジェイクはすでに部屋の前にいて、キラキラ笑顔を向けてきた。
昨日の隈はなく、もうキラキラ全快である。
ちゃんといい表情をできたかわからないけど笑みを返して、入室する。
ソフィア王女はすでに起きていて、アンナ、フェリシア王女のお世話をしながらニッコリ笑って会釈する。
「王女様、クリスが来ました」
乳母が告げると、ソフィア王女はふりかえって
「まぁ、クリス、聞いたわ、婚約したのですってね?おめでとう」
ふんわりと微笑まれると
「アンナ、クリスに渡してちょうだい」
アンナはドレスと靴一式を手渡してきた。
「ご実家のほうに届けさせるわね!」
アンナもニッコリほほえんで見せてくれた。
王女のもう使わないドレスなのだろう。
王女には少し可愛らしすぎてもう似合わなさそうな、昼用のドレスで淡いピンクのドレスと靴だった。
マリーが箱にいれてくれ、手配に行ってくれるようだった
「ありがとうございます! 」
ゆったりとうなずかれたソフィア王女。
なぜだかお顔が赤いような…?
「クリスは…」
「はい?」
「いえ、なんでもないのよ。寂しくなるわね」
「王女様もお早くお相手をお決めになりませんと」
フェリシアがいうと
「そうですわ、王女様。クリスを見習わなければなりませんわ」
とアンナが同調し
「勝手に決められてしまってもよろしいのですか?いつまでもボンヤリはいけませんわ」
と乳母が言い、
ソフィア王女は肩を落とされた
「お兄さまもいらっしゃるだし、私はいいではないの………」
「シュヴァルド殿下も同じようにおっしゃっているそうですよ、いい加減になさいませ」
さすが乳母さまはびしっといわれる。
王女様ってほんとにほわほわと妖精のようなの方なのだ。
クリスは今日で、10ヶ月勤めた侍女をやめて王宮を去ることになっている。
結婚式まで実家で準備をするのだ。
淋しいし、そしてせっかく慣れていたのに……。でも自業自得だった。
自室にはあまり荷物は増えていないので、来た日とあまりかわらない。
素敵な出合いは求めていたけど、こんなにはやく結婚するなんて予想外だった。ジェイクが強引過ぎるのかと他の男性をみてるとつくづく思うのだ。
部屋を出るとマリーが待っていて、プレゼントの箱を持っていた。
「香水とレースのハンカチよ」
ポロポロと涙がこぼれる。
「マリーともっと仲良くしたかったわ」
「私もよクリス手紙をちょうだい」
お互い約束をしてまたね! と手を振る
「ジェイクが浮気しないように、目を光らせておくわ!ふふっ」
「期待してるっ!」
「あらクリス、近衛騎士のジェイク様と婚約したんですって?」
と侍女仲間に声をかけられ驚きが隠せない。
「えっ?」
「昨日舞踏会に、二人で来たでしょう?
それに侯爵様が昨日お二人の婚約を承認下さるよう婚約証明書を持ってこられたのですって」
隣の侍女も
「だからみんなやっぱりって噂してたのよ、前から仲良くデートしてるの見てたから」
いつ見られていたのかさっぱりわからないけど、ほんとに噂ってすごい。
早すぎる………ウェルズ侯爵家こわすぎる………
「とにかくおめでとう!先越されちゃったわね!ふふっ」
とにかく祝福ムードなのがありがたいと思わなければ。
「クリス~!」
横からきゅっと抱きついてくるのはマリーだった。
「聞いたわ!もぅどうして言ってくれなかったの?私はクリスの親友でしょう? 」
マリーがキラキラの瞳でせめてくる。
美形に責められてときめいてしまう。
「ごめんね、マリー。ほんとに決まったのは昨日なのよ?
私自身ほんとになにもかも急展開で戸惑ってるのよ」
しゅんとしていうと
「いいわ、わかってるわよ!」
よしよしと撫でてくれるマリーに抱きつきてしまう。
「結婚しても私たちは親友よ、クリス!」
胸がじーんとしてうるうると視界がボヤける。
ジェイクに輪をかけて強引にグイグイくるあの侯爵家に嫁いでほんとにやっていけるのか、昨日からずっと心配なのだ。
父母ですら止められなかったんだ、無理に決まってる。
マリーと昨日の経緯をボソボソと話ながらソフィア王女様の元へ。
ジェイクはすでに部屋の前にいて、キラキラ笑顔を向けてきた。
昨日の隈はなく、もうキラキラ全快である。
ちゃんといい表情をできたかわからないけど笑みを返して、入室する。
ソフィア王女はすでに起きていて、アンナ、フェリシア王女のお世話をしながらニッコリ笑って会釈する。
「王女様、クリスが来ました」
乳母が告げると、ソフィア王女はふりかえって
「まぁ、クリス、聞いたわ、婚約したのですってね?おめでとう」
ふんわりと微笑まれると
「アンナ、クリスに渡してちょうだい」
アンナはドレスと靴一式を手渡してきた。
「ご実家のほうに届けさせるわね!」
アンナもニッコリほほえんで見せてくれた。
王女のもう使わないドレスなのだろう。
王女には少し可愛らしすぎてもう似合わなさそうな、昼用のドレスで淡いピンクのドレスと靴だった。
マリーが箱にいれてくれ、手配に行ってくれるようだった
「ありがとうございます! 」
ゆったりとうなずかれたソフィア王女。
なぜだかお顔が赤いような…?
「クリスは…」
「はい?」
「いえ、なんでもないのよ。寂しくなるわね」
「王女様もお早くお相手をお決めになりませんと」
フェリシアがいうと
「そうですわ、王女様。クリスを見習わなければなりませんわ」
とアンナが同調し
「勝手に決められてしまってもよろしいのですか?いつまでもボンヤリはいけませんわ」
と乳母が言い、
ソフィア王女は肩を落とされた
「お兄さまもいらっしゃるだし、私はいいではないの………」
「シュヴァルド殿下も同じようにおっしゃっているそうですよ、いい加減になさいませ」
さすが乳母さまはびしっといわれる。
王女様ってほんとにほわほわと妖精のようなの方なのだ。
クリスは今日で、10ヶ月勤めた侍女をやめて王宮を去ることになっている。
結婚式まで実家で準備をするのだ。
淋しいし、そしてせっかく慣れていたのに……。でも自業自得だった。
自室にはあまり荷物は増えていないので、来た日とあまりかわらない。
素敵な出合いは求めていたけど、こんなにはやく結婚するなんて予想外だった。ジェイクが強引過ぎるのかと他の男性をみてるとつくづく思うのだ。
部屋を出るとマリーが待っていて、プレゼントの箱を持っていた。
「香水とレースのハンカチよ」
ポロポロと涙がこぼれる。
「マリーともっと仲良くしたかったわ」
「私もよクリス手紙をちょうだい」
お互い約束をしてまたね! と手を振る
「ジェイクが浮気しないように、目を光らせておくわ!ふふっ」
「期待してるっ!」
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