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温泉

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「なぁハk…由紀」

「…なんだ?」

3人にハクだという事を話してから数週間経ったある日、田中がハクと呼びそうになった事に少しヒヤッとし半目で聞き返した。今だに3人は気を抜くとハクと呼びかけるのを直して欲しいと思う。

「いやすまんて、それより温泉行かね?」

「「「どういうことだってばよ」」」

いきなりの言葉に俺と近くにいた裕太、小島の3人でハモってしまう。

「発言が危ないってばよ、いやな?」

いやお前も同じだろ!?っと思っていると田中が近ずいてきて耳元でささやいてきた。

「はi」

「ひゃ!?」

「「……。」」

変な声が出てしまい赤面をする。それを見た小島と裕太はサムズアップをしてさせた本人は凄いにやけていた。

「…、お前ら全員今日の昼まで撫でるの禁止な!」

少し声が大きくなってしまったが俺は悪くないだろう。

「まじか…」

「「由紀を昼まで撫でることが出来ない…だと…。」」

「そこまでショックなのかよ!?」

そして放課後家に帰ってきた時に温泉のことを思い出し田中に電話をかける。

ちなみに隣にいる裕太は俺の頭を撫でている。昼まで禁止されてた反動なのかもしれない?2人もそうだが禁止されてから3人はテンションが下がってて先生に心配されるほどだった。まぁ理由を聞いたら何故か先生が3人の肩を2度叩いたのは同情なのかは不明である。

「同情だったら俺はこの学校はもうだめかも知んないと思うわ…」

「ん?なにがだ?」

「いや、なんでもない」

その時田中が電話に出た。

『由紀?何の用?』

「温泉、理由」

『こちらが温泉、理由の詳細です。ってやればいいのか?』

田中は笑いながらあるものを送ってきた。見るとそれは新しくできた温泉へのご招待チケットだった。

「福引かなんかか?」

『Yes、正解だぞ裕太』

「つまりチケット貰ったから行かないかっていうお誘いか?」

『そゆこと』

迷惑ではないかと少し考えた。裕太の方を見ると裕太は俺の顔を見た時頷き、大丈夫と言ってくれた。

「行く」

『よっしゃ!もちろん裕太も来いよ!小島はもう行くって聞いてるからよ』

「そうなのか、んじゃいつにするんだ?」

『次の土曜で良いんじゃね?丁度三連休だし』

っと言う訳で!

「準備はできたか貴様らぁ!!」

「「「おぉー!!」」」

田中の家に集合した俺たちは田中の大きな声に賛同する。

「下着は持ったか!」

「「「持ってます!」」」

「タオルは持ったか!」

「「「持ってます!」」」

「金は持ったか!」

「「「持ってます!」」」

「ひm」

「うるさいから黙れ」

「ゴフッ!」

「「「田中ぁー!!」」」

田中がいつの間にか居た田中のお姉さんに脇腹を蹴られ地に倒れる。名前?知らんよ

「荷物車に詰めていくよ、由紀ちゃんは私の隣ね?あいつらの隣は危ないわ」

「え?あ、はい」

ぴくぴくしている田中を見ているとそんな事を言われた田中は裕太と小島に運んでもらいみんなで旅館へ向けて出発した。

「でかいんだ、でかいんですよ、建物が」

「何の五七五だよ」

「いや、あまりの大きさについな」

小島と裕太が何やら楽しそうに話してるのが気になり聞いてみることにした。

「ん?なんの話ししてたの?」

「いやこいつな?もう一回言ってくれ」

「良いぞ?でかいんだ、でかいんですよ、ちnゴフッ!?」

「小島!?」

「たく、女の子の前で何言ってんだこいつは…」

回し蹴りをして見事小島の背中を蹴った裕太、後ろで田中のお姉さんが良くやったと言ってるのが聞こえた気がした。

「ゆ、裕太?」

「ん?どうした?」

「な、なんでもない」

出てる、顔に君は知らなくていいって書いてあるよ…。

「ほら、早く行くよ」

「「はーい」」

田中と裕太は小島を置いてお姉さんと行ってしまった。

「えっ!?小島は!?…行ってもいい?」

「…い、良いぞ。」

腹を抑えながらも苦しそうに答えてくれたので小島を置いてみんなの元へ向かった。

「あれ?小島は?」

「オルガの真似をしてたよ」

「殺られたのか」

田中が聞いてきたのでそう答えると裕太が笑いながらそう聞き返してきた。

「良い奴だったよ」

「「隊長ぉーっ」」

「どうしたの?ほらこれ、部屋の鍵ね」

「ありがとうございます。」

田中と裕太が1人ずつ鍵を渡され、自分も渡されると思っていたが渡されなかった。

「1部屋2人用よ」

「「「なるほど」」」

3人して納得する。

「じゃあ裕太と俺、田中と田中のお姉さん…あれ?小島は」

「あいつは1人部屋だな」

「小島…可哀想な子っ」

「え?俺がなんだって?」

そう言った時丁度小島が来た。

「小島ーお前1人1人部屋なー」

「は?え?…なぬぅ!?」

田中の言葉に驚きの行動をとる小島、っとそんな時それ以上の事が田中のお姉さんから知らされる。

「由紀ちゃんは私と一緒の部屋よ?あとの3人は2部屋の方だからね?」

「「「「え?」」」」

ではこの2つの鍵は?っと思い聞いてみる。

「部屋の場所が違うから選んでって事よ」

「「「「あー、なるほど」」」」

「由紀ちゃんがね?」

「え?」

選ぶのはどうやら俺らしい…。

「え?良いのか?裕太達もそれで良い?」

「俺は良いぞ」

「上に同じく」

「上に同じく」

「おいそれだと2人を俺が乗せてるようじゃないか、重い」

「いやそこ?」

とりあえず決めました。

「さて由紀ちゃん、この後どうする?」

「んー、せっかくだし温泉行きましょう!」

「良いわねじゃあ準備しましょうか」

田中のお姉さんと一緒に下着などの荷物を持ち温泉へ!ん?恥ずかしかったりしないのかって?そんなもん捨てたわ!

「あ、電気風呂…」

「入る?」

「いや、入りません。」

水風呂の隣に電気が通っているお風呂があったので気になっていると入るか聞かれたが過去の嫌な思い出がよみがえり否定する。

「確かあの時は落とされたんだっけ…?」

押すなよ押すなよっ的なあれだ

「え?そんなことしてたの?」

「前ですけどね?あの後身体中痺れるし最初痛かった?しで大変だったなぁ」

そうして温泉を満喫して温泉から出た時、丁度裕太達が荷物を持って温泉に入ろうとしていた。

「お?由紀はもう入ってたのか」

「おう!あ、電気風呂あったぞ」

「…小島落とすか」

「なんでだよ!?」

「良いなそれ」

「良くねぇぞ!?」

「行ってらっしゃい」

「由紀も止めろよ!!」

嫌だァっと言う小島を連れて裕太たちは温泉へ消えていった。

「断末魔が聞こえてくるわ」

「まだ言ったばっかりです。」

田中のお姉さんが笑いながらそう言ったので自分も笑いそう返した。

「部屋に戻りましょうか」

「そうですね」

ちなみにあの後部屋に入ってきた裕太から写真で魂が抜けた小島を見せてもらい笑った。

「ひでぇよお前ら…やめろって言ったのによ」

「の割には笑顔だったがな?」

「悲鳴あげながらにこにこしてたな」

「してねぇよ!?何言ってんだ!」

「小島…M、だったんだな」

「由紀っ!?違うぞ!?」

「由紀ちゃん、もう少し私のところに来なさい?そこは危ないわ」

「それはどういう事ですかね!?」

「Mが伝染うつるわ」

「伝染んねぇよ!ってかMが伝染るってなんだよ!」

ツッコミを入れる小島の肩を叩く、

「?どうした由紀」

「うん、がんば!」

「どういうこと!?」

その後もボケてツッコミをしてと賑やかになり…

「由紀、眠いのか?」

目元を擦っていると裕太からそう聞かれる。

「んぅ…またねむくないよぉ?」

「眠いわね…」

誰かに頭を撫でられる感触が伝わる。見ると田中のお姉さんに撫でられていた。

「時間見たらまだ10時ちょい過ぎだぞ?」

「お利口ちゃんか」

「いつもだいたい9時に寝るからなこいつ」

「やっぱりお利口ちゃんだ」

なんかみんなの目が暖かい気がするんだが…。

「お利口さんはもう寝る時間ね」

「由紀、ベットに行くぞ」

「田中、お前が言うとなんか犯罪臭がするんだが?」

「由紀、ベットへ向かうぞ」

「小島もだな」

「由紀ちゃん、ベットへ行きましょ」

「「百合だa(ゴスッ)ッデァァァ…!!」」

「ゆぅ?」

「田中と小島がお姉さんのゲンコツを食らって発狂してるだけだ」

「ん、」

意識が朦朧とする中、何が起きてるのか裕太に聞く、そうして頭を撫でられていると意識が薄れていき、遂に寝てしまった。

「由紀?…寝たか」

「ベットに運ぶわね」

「お願いします。田中と小島は部屋に戻ってトランプとかでもしようぜ」

「「乗った!ビリは罰ゲームな!」」

「あら楽しそうね?私も参加するけど良い?」

「良いですよ」

そうして、その日は賑やかに終わった。

「んーっ…朝か」

扉からさす朝日を見た後周りを見渡すと隣のベットで田中のお姉さんが寝ていた。

「今は…あぁ、やっぱり早く起きすぎたか」

時間は5時を指していた。
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