上 下
19 / 31

まさかのお誘い

しおりを挟む
八上と戸島を家に返してから2日後、リビングで裕太とテレビゲームで遊んでいるとスマホからポコンッという通知音が鳴った。由紀はなんの通知かを見てから時計を見た。

「そろそろマロさんの配信が始まるな」

「え、そうなのか?もうそんな時間か、ゲームしてると時間感覚狂うな」

「だなぁ」

そう言いながら一度コントローラーを置いてYouTubeを開く

「そうそう、昼始めて気づいたら朝とかな!」

「それは無い…ってか寝ろ」

そんなやり取りをしながら配信者、白夢はくゆめマロというVTuberの女性配信者の配信画面へと入る。

「確かマロさんってマシュマロが台になってるんだよな?」

「そだよ?雰囲気もマシュマロみたいにふわふわしてるし本人も…ね?衣装もそうだしな!っとんじゃ部屋行くわ」

「セーブしとくか?それとも消しとく?」

消しとく=データ消去では無いぞ?ただ閉じとくかどうかを聞いてるだけである。

「んー、セーブで」

「了解」

そうして部屋に戻っていくとそのままベットにダイブした。

「ぐふっ…おおぅ…」

ダイブしたせいで腹とあごに強い衝撃を受けてしまった。

「由紀…なにやってんだ?」

「ふぁ!?…み見た?」

扉が空いていたのか裕太がこちらを苦笑いしながら見ていた。

なんやかんやありまして。

『こんまろ~!マロの配信始まるよ!』

・こんまろ~
・こんにちは!
・こんまろ!
・こんまろ!!

由紀は裕太に頭を撫でられながら(なんでかは聞かないでくれ…)もマロさんの配信を見る。

『今日はもうわかってると思うけど前の続きをしていくよ!』

・今回は1人で?
・起動しております。
・待機なう
・はよ

そう言ってマロさんは背景画面を切り替え、二頭身のキャラクター達が1位を狙うゲームを開いた。

「裕太、俺もこれやってみたい」

「お前…できるのか?こういうやつ苦手じゃん」

「それも配信にはうまいネタになる。てよね?」

「確かに」

『最初は1人かな~?その後みんなとしていこ~!』

・了解!
・らじゃ!
・とりま待機
・取れるかなぁ?

そうしてマロさんはゲームを遊んでいき、あと少しで惜しくも退場してしまった。

「あぁ…惜しい」

「あと少しだったな」

『あぁー!!あと少しだったのに!うぅー、みんなの力で取るよ!さぁ集まれー!!』

・突っ込めー!!
・突撃ぃぃ!!
・衛生兵ぇぇぇ!!
・うぉぉぉぉ!!

「あ、俺も入る!」

「っと、いきなり動くな」

「あ、ごめん」

いきなり動いたことで裕太の顎に頭をぶつけそうになったみたいだ。

「良いよ、ほら早く行かないと参加出来ねぇぞ」

「うわっ!早くしねぇと!」

無事入れました。(2回目で)

『それじゃあ2回目で行ってみよぉ!』

『「おー!」』

マロさんの配信から由紀の声が響く、それを聞いた俺たちはビシッと固まった。ちなみにマロさんはなんか笑ってた。

『『「「え?」」』』

今度は裕太も一緒に声が響く

『あははっごめんね?マイクのやつオンにになってないかな?』

・おんにゃのこ!!
・どっかで聞いたことある声
・まさかの事態で草
・声的にロリだな(にちゃぁ)
・男の声もあったな
・↑ギルティ

マロさんが笑いながらそう指摘してくれる。マイクのマークがあるところを見ると確かに緑色に光っており、オンになっていることを指していた。

『「オンになっとる…。」』

血の気がなるなるような感覚を味わう。その時だ、裕太が頭を撫でて正気に戻してくれた。

『「あっ…えと、あぁ…あぅ…」』

戻ってなかった。

『あわわ!だ、大丈夫!?』

・泣く1歩手前
・可愛っ!!
・やべぇ…虐めたくなる。
・マロがお姉ちゃんしてるw

配信ではマロさんが自分を心配してくれており、とても申し訳なくなってしまう。そして視界が潤み

『「ひっく…ふぇ…ごめん、なさい…配信邪魔しちゃった…。」』

『大丈夫大丈夫、邪魔じゃないよ?ほらコメントのみんなもそうだよね?ね?』

・俺、今日からロリコンになるわ…
・虐めるなんて嘘です!誰だそんなこと言った奴!出てこい!
・大丈夫!
・逆にウェルカム!
・ただし女の子に限る(笑)

マロさんの言葉通りコメント欄からはそんなコメが流れていた。

『「ほ、ほんと?ひっく…だいじょうふ?」』

『うっ…だ、大丈夫だよぉ?』

・クリティカル音がしたぞ今
・射止められたな
・心掴まれたな
・俺も掴まれたい
・同じく

『「えへへ…良かった…。」』

『ぐふっ…』

・かはっ
・…。
・無事尊死しました。
・上に同じく
・上に同じく

『「あぁ、マイクオフしますね!すみませんでした。」』

『あぁ!待って待って!』

『「え?」』

マイクをオフにしようとしたらマロさんに止められてしまった。

『そのままゲームやろ!』

『「えぇ?」』

まさかの展開で由紀と裕太は混乱した。

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

想世のハトホル~オカン系男子は異世界でオカン系女神になりました~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:241pt お気に入り:562

薄幸系オメガ君、夜の蝶になる

BL / 連載中 24h.ポイント:1,611pt お気に入り:1,259

転生チートで夢生活

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:319pt お気に入り:4,874

腹ぺこエルフの美食道~リルとルラの大冒険~

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:76

この度学園を卒業するために婚約しなければならなくなりまして

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:569pt お気に入り:23

復讐溺愛 ~御曹司の罠~

恋愛 / 完結 24h.ポイント:127pt お気に入り:522

私はあなたの何番目ですか?

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:23,708pt お気に入り:3,869

おれより先に死んでください

BL / 完結 24h.ポイント:71pt お気に入り:22

処理中です...