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水風呂
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外は蝉の鳴き声と嫌になるほどの太陽の暑さ
「裕太ぁ…じぬ…」
「同感だ。」
少しひんやりしている床に溶けながら嘆く由紀に保冷剤を持ってやって来た裕太はそう言って同意した。え?何故エヤコンつけないかいのかって?何と今はエヤコン故障中なのである!(現在修理中)
「あ、保冷剤良いなぁ」
「薄い生地で巻いて使えよ?」
「えー…直の方が冷たいのに」
保冷剤と布を目の前に置かれた。それを見ながら由紀は渋々と布で巻いて首に当てた。
「冷たくない…」
「すぐに冷たくなる。っと水風呂作っといたから後で行ってこい」
ぐでぇとなる由紀に対して苦笑いをしながら裕太は由紀を持ち上げた。
「ふぇ?…裕太どったの?」
「なんとなくだ。ぐてぇっとなる猫に構いたくなる感じか?」
「…分からなくもないな…よし裕太!このまま水風呂まで行け!俺は脱力していたい!」
そう言って裕太に持ち上げられながらも再度脱力する由紀に裕太は真顔になる。
「それはいいんだが…由紀、暑さでより無防備になってないか?」
「仕方ないさ、暑さで思考が終わってる。悪いのは全部この暑さで俺は悪くない」
「そうか…。」
裕太は由紀を持ちながら立ち上がり風呂場へと向かう。
「ちょ、おい?すげぇなんか…ぷらんぷらんするんだが?なんか地味に楽しいんだが?良いぞもっとやれ」
「楽しいのかよ…。」
ちなみに持ち方はあれだ、猫の前足の脇に手を入れてびょーんな持ち上げる持ち方だ。
「ぴっ!?冷た!」
「バカか、いきなり冷水を浴びるな。ほら非常食、温いのから浴びてけ」
「僕は非常食じゃないぞ!?…いやどこのゲームよ」
そんなやり取りをしながら水風呂を満喫する。
「あ、そだ」
「ん?どうした?…て何故スマホ?」
「んにゃ?お風呂とって今水風呂入ってるーってあいつらに送ったろと思ってよ」
カシャッと写真を撮りながらそう言うと裕太の顔があからさまに青くなった。
「おい待て由紀、やめろ俺が死ぬ」
「えぇ?なして?あ、暑さで?」
「いや逆の寒さで、社会的に死ぬ」
聞けばどうやらアイツらが羨ましがってその恨みを自分に向けてくるかららしい。
「いやいや、俺幼女よ?どこに恨む要素が」
「少しは自身の外見のことを考えて言おうぜ…?」
「可愛い幼女だな?ひゃ!?冷たっ!」
鏡に映る自分を見ながらそう言うと裕太に水をかけられた。
「俺らからしたらお前は二次元にいるような幼女、美が付く姿なんだ。つまりそんなお前と一緒に風呂に入ったとなれば…な?」
「確かに可愛いがそこまでか…?まぁいい、確かに幼くも異性と入るのはダメなのか…。ん?でもたまにだが一緒に入ってるよな?それに前にあいつらとも普通に入っていたし…?」
「別に駄目ではないんだ。ただ羨ましがられるんだよ。」
「あ、なるほど。」
何となく理解した由紀は向かいで水風呂に浸かる裕太に近ずき腕の中に収まる。
「ん?由紀どうしたんだ?」
「この場を撮って人波起こそうかと」
「やめれ」
「あぅ…。」
頭に軽い手刀を貰ってしまう。
「そろそろあがるか?」
「えー…もっと…。」
「だめだ。」
「むー…。」
そんなこんなありまして。
「すみません。エヤコンの修理終わりましたのでそのお知らせに来ました。」
「あ、はいありがとうございます。」
「それでこちらがお支払い額です。」
「これで」
「はい…。はい大丈夫です。またのご利用をお待ちしております。」
そんな裕太と業者さんのやり取りを部屋の隅から眺めているとこちらに気がついたのか業者さんの男性に手を振られたので手を振り返してみた。
「━、━━!」
「なんて?」
「無視が吉だ」
━
「なぁあの子可愛くね!?」
「どの子?どの子?…うわマジだ…。」
「…お!手を振り返してくれた!可愛すぐる。」
「現実にあんな可愛い子いるんだなぁ…。」
みたいな会話をしていたりする。
━
そんな回想を由紀はしているとどこか焦ったような顔をしながら裕太が近ずいてきた。
「由紀さん?このコメントは何かな?」
そう言って見せてきたのは由紀たちのグループだった。
「んー?楽しかった思いのおすそ分け?」
そういって笑うと裕太は頭を抱えて「oh…。」と言うのだった。
ちなみにグループの話はこんな感じである。
━
由紀「水風呂なう!」
田中「5分で行く」
小島「5分で済ませる」
八上「自家発電か?」
小島「ちゃうわ!ただのお手洗い」
田中「なるほど、トイレで自家発電か」
小島「なぜそうなった!?」
由紀「裕太も一緒に入るのだぁ」
小島「ギ」
田中「ル」
八上「テ」
智也「ィ」
戸島「明日が楽しみだなぁ?」
━
「わぁ…。えっと…て、テヘ?」
「うっ…か、可愛いがお仕置は執行な」
「がーん」
お仕置でリビングで寝ることになった。
「身の危険を感じる!」
「安心しろ。そんな事しない」
「なら良かっt」
「抱き枕となってもらう。」
「やっぱ身の危険を感じる!!ってか暑いわ!」
「エアコン付けるから大丈夫だろ?ってか2つの部屋で使うより1つの方が電気を食わないからってのもあるが…まぁそれはいい、これはお前の罰だからな」
それを聞いた由紀はちょっと前の裕太と同じく「oh...。」となったのだった。
「裕太ぁ…じぬ…」
「同感だ。」
少しひんやりしている床に溶けながら嘆く由紀に保冷剤を持ってやって来た裕太はそう言って同意した。え?何故エヤコンつけないかいのかって?何と今はエヤコン故障中なのである!(現在修理中)
「あ、保冷剤良いなぁ」
「薄い生地で巻いて使えよ?」
「えー…直の方が冷たいのに」
保冷剤と布を目の前に置かれた。それを見ながら由紀は渋々と布で巻いて首に当てた。
「冷たくない…」
「すぐに冷たくなる。っと水風呂作っといたから後で行ってこい」
ぐでぇとなる由紀に対して苦笑いをしながら裕太は由紀を持ち上げた。
「ふぇ?…裕太どったの?」
「なんとなくだ。ぐてぇっとなる猫に構いたくなる感じか?」
「…分からなくもないな…よし裕太!このまま水風呂まで行け!俺は脱力していたい!」
そう言って裕太に持ち上げられながらも再度脱力する由紀に裕太は真顔になる。
「それはいいんだが…由紀、暑さでより無防備になってないか?」
「仕方ないさ、暑さで思考が終わってる。悪いのは全部この暑さで俺は悪くない」
「そうか…。」
裕太は由紀を持ちながら立ち上がり風呂場へと向かう。
「ちょ、おい?すげぇなんか…ぷらんぷらんするんだが?なんか地味に楽しいんだが?良いぞもっとやれ」
「楽しいのかよ…。」
ちなみに持ち方はあれだ、猫の前足の脇に手を入れてびょーんな持ち上げる持ち方だ。
「ぴっ!?冷た!」
「バカか、いきなり冷水を浴びるな。ほら非常食、温いのから浴びてけ」
「僕は非常食じゃないぞ!?…いやどこのゲームよ」
そんなやり取りをしながら水風呂を満喫する。
「あ、そだ」
「ん?どうした?…て何故スマホ?」
「んにゃ?お風呂とって今水風呂入ってるーってあいつらに送ったろと思ってよ」
カシャッと写真を撮りながらそう言うと裕太の顔があからさまに青くなった。
「おい待て由紀、やめろ俺が死ぬ」
「えぇ?なして?あ、暑さで?」
「いや逆の寒さで、社会的に死ぬ」
聞けばどうやらアイツらが羨ましがってその恨みを自分に向けてくるかららしい。
「いやいや、俺幼女よ?どこに恨む要素が」
「少しは自身の外見のことを考えて言おうぜ…?」
「可愛い幼女だな?ひゃ!?冷たっ!」
鏡に映る自分を見ながらそう言うと裕太に水をかけられた。
「俺らからしたらお前は二次元にいるような幼女、美が付く姿なんだ。つまりそんなお前と一緒に風呂に入ったとなれば…な?」
「確かに可愛いがそこまでか…?まぁいい、確かに幼くも異性と入るのはダメなのか…。ん?でもたまにだが一緒に入ってるよな?それに前にあいつらとも普通に入っていたし…?」
「別に駄目ではないんだ。ただ羨ましがられるんだよ。」
「あ、なるほど。」
何となく理解した由紀は向かいで水風呂に浸かる裕太に近ずき腕の中に収まる。
「ん?由紀どうしたんだ?」
「この場を撮って人波起こそうかと」
「やめれ」
「あぅ…。」
頭に軽い手刀を貰ってしまう。
「そろそろあがるか?」
「えー…もっと…。」
「だめだ。」
「むー…。」
そんなこんなありまして。
「すみません。エヤコンの修理終わりましたのでそのお知らせに来ました。」
「あ、はいありがとうございます。」
「それでこちらがお支払い額です。」
「これで」
「はい…。はい大丈夫です。またのご利用をお待ちしております。」
そんな裕太と業者さんのやり取りを部屋の隅から眺めているとこちらに気がついたのか業者さんの男性に手を振られたので手を振り返してみた。
「━、━━!」
「なんて?」
「無視が吉だ」
━
「なぁあの子可愛くね!?」
「どの子?どの子?…うわマジだ…。」
「…お!手を振り返してくれた!可愛すぐる。」
「現実にあんな可愛い子いるんだなぁ…。」
みたいな会話をしていたりする。
━
そんな回想を由紀はしているとどこか焦ったような顔をしながら裕太が近ずいてきた。
「由紀さん?このコメントは何かな?」
そう言って見せてきたのは由紀たちのグループだった。
「んー?楽しかった思いのおすそ分け?」
そういって笑うと裕太は頭を抱えて「oh…。」と言うのだった。
ちなみにグループの話はこんな感じである。
━
由紀「水風呂なう!」
田中「5分で行く」
小島「5分で済ませる」
八上「自家発電か?」
小島「ちゃうわ!ただのお手洗い」
田中「なるほど、トイレで自家発電か」
小島「なぜそうなった!?」
由紀「裕太も一緒に入るのだぁ」
小島「ギ」
田中「ル」
八上「テ」
智也「ィ」
戸島「明日が楽しみだなぁ?」
━
「わぁ…。えっと…て、テヘ?」
「うっ…か、可愛いがお仕置は執行な」
「がーん」
お仕置でリビングで寝ることになった。
「身の危険を感じる!」
「安心しろ。そんな事しない」
「なら良かっt」
「抱き枕となってもらう。」
「やっぱ身の危険を感じる!!ってか暑いわ!」
「エアコン付けるから大丈夫だろ?ってか2つの部屋で使うより1つの方が電気を食わないからってのもあるが…まぁそれはいい、これはお前の罰だからな」
それを聞いた由紀はちょっと前の裕太と同じく「oh...。」となったのだった。
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