進化転生 転生したら召喚獣ウルフィでした ～召喚獣が召喚の力を執行する～

製作ってひとくくりにしてもいっぱいあるんです

「そんなわけでサルサ・シロンペアーは製作科目の場所へ向かっています！　楽しみです！」
「突然誰に喋ってるのよあんた。びっくりするじゃないの！」

　怒られましたが俺たちは錬金術初級を見学してから直ぐに、製作科目のエリアへ向かっています。
　こちらの建物は明らかにでかい！　錬金術科目の場所と比較して五倍くらいはあります。
　この大学で一番大きい建物が製作だったんですね。
　つまり一番力を入れている……ということでしょうか。
　製作されたものはお金になりますからね。きっとその辺がチョメチョメに違いありません。
　
「やっぱ世の中お金ですか……」
「言いたいことはわかるわ。その通りだし。どれだけ綺麗ごとを並べても、これだけの建物は
お金がなければ作れないものね……」

　その建物は明らかに他の建物とは違います。
　俺、金持ってるんだぜすげーだろどけよ！　みたいな雰囲気があります。
　よくわからないような置物もあります。
　入って直ぐの受付で、見学証を見せました。
　錬金術エリアには無かったような気がします……。

「はい。確認いたしました。一階が初級。二階が中級。三階が上級で、それより上の階は立ち入り禁止です。
上級まではお好きに見学して頂いて構いませんが、くれぐれも製作の邪魔だけはなさらないように。
尚、当館では生徒が作成された一部商品の取り扱いも行っております。
そちらは一階東側の売店でお買い求め頂けますので、ぜひご利用くださいね」
「あの、質問いいですか？」
「……はい？　腹話術ですか？」
「え、ええ。腹話術なの。よーく聞いてね」
『先ほどおっしゃっていた生徒さんの販売物って、生徒さんにはいくらお金がもらえるんですか？』

　うまいこと口を合わせてくれるサルサさん。面倒事が省けてグッド！　

「あら。お金の話をうまく腹話術するなんて、個性的な方ですね。うふふっ。そうですね、本来なら
あまりお話したくない内容ですが、隠しているわけではないので……こちらではまず、製作に使用する素材の
代金を支払い、金額を決定します。取り分は生徒さんが八十パーセント程取れる仕組みですので、とっても
意欲的に作られているんです」
「八十パーセントだとぉー！　勝手に売ってくれて売れたら八十パーセント！？」
「え、ええ。何せ製作は大変ですから」

　あ、あり得ない。あまりにも前世と違い過ぎる。
　売りて側の給料は大丈夫なのか？　人件費は？　気になる事が山のように膨らみました。
　しかし！　事実だけわかればいいのです。八十パーセント！　凄い！　これは入る価値がある！　

『大学に入るにはどうしたらいいでしょう？」
「え？　ちょっとあんた何言ってるの？」
「……えーと。一人芝居ですか？　大学に入るには試験を合格したり、裏口にゅうが……コホン。
寄付金を頂いたりすると入れます。もしご興味があれば、帰りに受付でご確認ください」

　これはテンションが上がります。ここで入学して荒稼ぎするのも悪くありません。
　今後の旅にも役立ちそうです。

「他にご質問はありますか？」
「製作の科目は何科目くらいあるわけ？」
「科目は鍛冶、彫金、金属鎧加工、木材加工、革細工加工、裁縫、調理、芸術、魔工、魔付与製作の
十通りです。掛け持ちで受けれるのは三つまで。ですが一科目でもかなり大変ですから、三つ
受けられる方は殆どいらっしゃいませんね」
「そんなにあるの？　やっぱり凄いわね……」
「他にご質問がなければ、まずは鍛冶エリアから見学されるのがおすすめですよ。彫金や裁縫は
あまり見ても面白くありませんから、さらりと様子を見ていく感じをお勧めしております」
「わかったわ。ありがとう」

　サルサさんに抱っこされながら、まずは鍛冶から見る事になりました。
　
「やっぱハンマーでボコボコ叩くんでしょうか？」
「案外魔術ハンマーで叩いているかもしれないわよ？」