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第8章 孤立した皇太后の故郷 ウィターニア編
第13話 将軍ザカルケとの闘いー1ー
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ガルシア村を後にしたリーラ達は馬を走らせ南下し、領都ルーヤに向かっていた。途中の村や街でも精霊の被害は少ながらず有り、浄化と治療を行いながら移動となる。領都近くの街に入ると若干の異臭を感じられた。
一人の男がリーラ達に駆け寄ってきた。
「騎士様!!助けてくれ!」
「もちろんです」
ダリルが男性に声を掛けるとリーラ達に共に行くように命じた。
「アイリ、この村の異臭も力で吹き飛ばせるか?」
「はい!大丈夫です!!」
アイリは石を握り締め、風を起こし吹き飛ばすように念じるとアイリを中心に風が起こり村にかかっていた靄と異臭を吹き飛ばした。
「うっ…」
「アイリ、大丈夫か?」
ふらりとしたアイリをレオンが支える。
「レオン、ありがとう、風の力は体力を使うのかな」
「アイリ、すまない。朝から頼んでばかりだからな。この村の治療が済むまで休め」
ダリルが心配そうにアイリだけではなくレオンの顔色の悪さに気づく。
「アイリだけじゃなくレオンも休みなさい、
顔色が悪いぞ」
シャルケはアイリの横にレオンも座らせ水を飲ませて休ませた。
「おまえ達が領地を心配し、無理をするのもわかるが今は休め。シャルケ、若い騎士達も休ませよう」
「はい、その方が良いですね」
一方、リーラ達は男と共に診療所らしき建物に入っていくとエクストリアが異変を感じ取る。
『リーラ、何体かこの建物にいるぞ』
「オリー、ルディ!さっさと終わらせよう!」
『はい~』
「おー」
と3人はもがき苦しんでいた人の前に立つとまずリーラがお腹を触り蒸発させ浄化した後、ルディとオリーの力で脱水症状の緩和をした。その後レンやアンディ達が患者の状態を診ることであっという間に治療が終了する。
「慣れってすごいですね」
と手際良く治療するリーラ達を横目で見ながらラディリアスはしみじみ呟いた。あれほど齷齪しながら戦い、治療してたが、身体から這い出てくる精霊も見たくないので身体の中で浄化する方法に変えたのだ。脱水症状もオリーの力があればわざわざ経口補水液も飲ます必要ない。
「いやいや楽勝~、あははは」
リーラの高笑いを聞きながら、何か起こるのではないかとレンとアンディは嫌な予感しかしなかった。
その後、治療のお礼だと街の人が食事を提供してくれた。
「助けてくれたお礼に食べていきな!外出禁止令がでているから客もいないからさぁ、さぁ」
と気の良い食堂の女将さんから食事をご馳走になり満腹なると再び領都ルーヤを目指した。ルーヤへ入る街道入り口は領都封鎖の為に人だかりが出来ていた。
「すごい人」
リーラや他の隊員達も人の多さに驚いていた。
「我々は帝都騎士隊だ。道を開けてくれ!」
ダリルが大きな声で叫ぶと人は騎士様がお通りになるぞーっと避け出し道が開く、皆安全のために馬を降り引きながら入り口へと進む。
「今だ!!」
と大きな声とともに何処からともなく数名の男達が現れリーラを囲む。
「誰?ウッ……」
何者かがリーラの腹に打ち込みを入れ気絶させると紫髪の大男が肩に担ぎ走りだした。
「リーラ!!!」
ルディの叫びと共にリーラを追わさないように敵が6番隊に囲み襲いかかる。
「剣を抜け!!!」
「襲撃!!!副隊長が拐われた!!!」
「何!!!クソッ!!」
と振り返るとダリルが振り返ると紫髪の大男達リーラを連れ去って行く姿が見えた。
「あいつは…もしや…」
ダリルは剣を抜くと襲いかかってきた男達を斬り捨てリーラの後を追う。
カン!
カキン!
「クソッ!こんな狭い場所で!!」
「アンディ!リーラ様を追います!!」
「あぁ!」
グサッと敵を斬り捨てると2人はリーラを追った。
カン!
カン!
「死ぬー!!」
男がルディに斬ろうと大きく剣を振り上げるとオリーが、
『させないでちゅ!』
と水を創り出し男を飛ばす。
「ありがとう、オリー!みんなを助けて!」
『任せるでちゅ!行けー!』
水の玉の攻撃を敵に飛ばして後退させた隙を狙いシャルケ達が斬り捨てた。
カン!
カン!
「いきなり実戦かよ!」
レオンは敵の剣を受け止めると敵を睨みつけた。
「まだまだ子供だなぁ、勝たせてもらうぞ!
トリヤァー!!」
「風よ、あいつを吹き飛ばして!!」
とアイリが叫ぶと突風が起こり敵を遥か彼方に飛ばした。
「ギャァーー…」
「アイリ助かった!」
「レ、レオン無事で良かった」
と2人は抱き締めあった。敵が2人纏めて斬りつけようと剣を向けてくる。
カキン!
2人を狙った敵をラディリアスが止めに入り
グサッと敵を討つ。
「まだまだ敵がいるよ!油断するな!」
「「ありがとうございます、先輩!」」
アイリは石を握り締めると敵を次々と風で飛ばした。
「みんな、大丈夫か」
敵襲が落ち着くとキースが隊の生存確認をするとシャルケが苦渋の表情でリーラが連れ去られたことを皆に告げる。
「クソッ!副隊長を狙ったのか」
ダンの悔しげな声を聞きながら皆が落胆の表情になる。
「今、隊長とレン、アンディが追っている、信じて待とう」
シャルケが皆に伝えと、
「この状況では動けないな。あの化け物は副隊長がいないと浄化できないからな」
キースはまずは敵を拘束するように指示を出しダリル達が戻るまでその場で待機することにした。
「ウッ、アッ、腹がッ…」
道の周りにいた人が突然苦しみ始めた。
「キャアー!」
と悲鳴が聞こえ、苦しみ出した男を見ると身体から液体が這い出るのが見えた。その液体は次なる媒体を探そうと6番隊に狙いを定めた。
ピシュ!!
「グワッ!」
と素早い早さでアッシュの身体に液体がするりと入り込む。
「アッシュ!!!」
ダンが駆け寄るとアッシュは腹を押さえ、もがき苦しみ始めた。
「クソッ!!こんな時に!!」
とダンは脳裏に医療院で習った内容を思い出す。
◇◇◇
「おまえ達、よく聞きな、菌というものはだいたいアルコールで殺菌することができるんだ」
「先生!蒸留酒でもいけますかねぇ」
「あぁ、いけるさ」
「じゃあ、いつも持参しとかないとなぁ」
とダンが戯けると仲間がいつも飲みたいだけだろうと茶化したのだ。
◇◇◇
ダンは腰にぶら下げていたハイベルクの蒸留酒の蓋をあけると
「一か八かだ!アッシュ飲め!」
と隊員達が止める前に酒の入った水筒をアッシュの口に含ませるクビっと飲ませた。
「ウグッ!ゴクッ……オッエーーッ」
「アッシュ大丈夫か!」
「お、おまえ、いきなり酒を口に流しこむなよ。クソッ、気持ち悪いよ、クソッ…」
「アッシュさん、水の化け物が…」
シャルケ始め隊員達が呆然とアッシュを見つめた。
「あれ…痛みがなくなった…。もう一口グビッ!何かが身体に入った感触があったがなくなった…」
「プッ、あははは!蒸留酒で退治出来たぞ!アマーノ先生はやっぱり偉大だ」
大笑いするダンを見ながらシャルケとキース
は顔を合わせまさかと思いながら一緒にクックッと笑い出した。
「嘘だろ、酒で退治できるのかよ」
シャルケは張り詰めていた物が無くなったようにあははと笑い出す。
「しかも、この前の遠征でハイベルクの酒を貰ってるだろう。ほらっ、俺も持ってるよ」
とキースも荷物から蒸留酒を取り出した。
「アイリ、レオン!おまえ達は先に領都に入り、蒸留酒が有効であると城と医療院に伝えに行け!」
シャルケが叫ぶと
「「はい!」」
と二人は頷き走りだした。
「よし!俺達は化け物退治だ!」
「ダン、ありがとうよ」
「おぅ!大丈夫か?」
「大丈夫さっ、まだまだやれるよ」
ダンはアッシュに手を伸ばし立ち上がらせた。
一人の男がリーラ達に駆け寄ってきた。
「騎士様!!助けてくれ!」
「もちろんです」
ダリルが男性に声を掛けるとリーラ達に共に行くように命じた。
「アイリ、この村の異臭も力で吹き飛ばせるか?」
「はい!大丈夫です!!」
アイリは石を握り締め、風を起こし吹き飛ばすように念じるとアイリを中心に風が起こり村にかかっていた靄と異臭を吹き飛ばした。
「うっ…」
「アイリ、大丈夫か?」
ふらりとしたアイリをレオンが支える。
「レオン、ありがとう、風の力は体力を使うのかな」
「アイリ、すまない。朝から頼んでばかりだからな。この村の治療が済むまで休め」
ダリルが心配そうにアイリだけではなくレオンの顔色の悪さに気づく。
「アイリだけじゃなくレオンも休みなさい、
顔色が悪いぞ」
シャルケはアイリの横にレオンも座らせ水を飲ませて休ませた。
「おまえ達が領地を心配し、無理をするのもわかるが今は休め。シャルケ、若い騎士達も休ませよう」
「はい、その方が良いですね」
一方、リーラ達は男と共に診療所らしき建物に入っていくとエクストリアが異変を感じ取る。
『リーラ、何体かこの建物にいるぞ』
「オリー、ルディ!さっさと終わらせよう!」
『はい~』
「おー」
と3人はもがき苦しんでいた人の前に立つとまずリーラがお腹を触り蒸発させ浄化した後、ルディとオリーの力で脱水症状の緩和をした。その後レンやアンディ達が患者の状態を診ることであっという間に治療が終了する。
「慣れってすごいですね」
と手際良く治療するリーラ達を横目で見ながらラディリアスはしみじみ呟いた。あれほど齷齪しながら戦い、治療してたが、身体から這い出てくる精霊も見たくないので身体の中で浄化する方法に変えたのだ。脱水症状もオリーの力があればわざわざ経口補水液も飲ます必要ない。
「いやいや楽勝~、あははは」
リーラの高笑いを聞きながら、何か起こるのではないかとレンとアンディは嫌な予感しかしなかった。
その後、治療のお礼だと街の人が食事を提供してくれた。
「助けてくれたお礼に食べていきな!外出禁止令がでているから客もいないからさぁ、さぁ」
と気の良い食堂の女将さんから食事をご馳走になり満腹なると再び領都ルーヤを目指した。ルーヤへ入る街道入り口は領都封鎖の為に人だかりが出来ていた。
「すごい人」
リーラや他の隊員達も人の多さに驚いていた。
「我々は帝都騎士隊だ。道を開けてくれ!」
ダリルが大きな声で叫ぶと人は騎士様がお通りになるぞーっと避け出し道が開く、皆安全のために馬を降り引きながら入り口へと進む。
「今だ!!」
と大きな声とともに何処からともなく数名の男達が現れリーラを囲む。
「誰?ウッ……」
何者かがリーラの腹に打ち込みを入れ気絶させると紫髪の大男が肩に担ぎ走りだした。
「リーラ!!!」
ルディの叫びと共にリーラを追わさないように敵が6番隊に囲み襲いかかる。
「剣を抜け!!!」
「襲撃!!!副隊長が拐われた!!!」
「何!!!クソッ!!」
と振り返るとダリルが振り返ると紫髪の大男達リーラを連れ去って行く姿が見えた。
「あいつは…もしや…」
ダリルは剣を抜くと襲いかかってきた男達を斬り捨てリーラの後を追う。
カン!
カキン!
「クソッ!こんな狭い場所で!!」
「アンディ!リーラ様を追います!!」
「あぁ!」
グサッと敵を斬り捨てると2人はリーラを追った。
カン!
カン!
「死ぬー!!」
男がルディに斬ろうと大きく剣を振り上げるとオリーが、
『させないでちゅ!』
と水を創り出し男を飛ばす。
「ありがとう、オリー!みんなを助けて!」
『任せるでちゅ!行けー!』
水の玉の攻撃を敵に飛ばして後退させた隙を狙いシャルケ達が斬り捨てた。
カン!
カン!
「いきなり実戦かよ!」
レオンは敵の剣を受け止めると敵を睨みつけた。
「まだまだ子供だなぁ、勝たせてもらうぞ!
トリヤァー!!」
「風よ、あいつを吹き飛ばして!!」
とアイリが叫ぶと突風が起こり敵を遥か彼方に飛ばした。
「ギャァーー…」
「アイリ助かった!」
「レ、レオン無事で良かった」
と2人は抱き締めあった。敵が2人纏めて斬りつけようと剣を向けてくる。
カキン!
2人を狙った敵をラディリアスが止めに入り
グサッと敵を討つ。
「まだまだ敵がいるよ!油断するな!」
「「ありがとうございます、先輩!」」
アイリは石を握り締めると敵を次々と風で飛ばした。
「みんな、大丈夫か」
敵襲が落ち着くとキースが隊の生存確認をするとシャルケが苦渋の表情でリーラが連れ去られたことを皆に告げる。
「クソッ!副隊長を狙ったのか」
ダンの悔しげな声を聞きながら皆が落胆の表情になる。
「今、隊長とレン、アンディが追っている、信じて待とう」
シャルケが皆に伝えと、
「この状況では動けないな。あの化け物は副隊長がいないと浄化できないからな」
キースはまずは敵を拘束するように指示を出しダリル達が戻るまでその場で待機することにした。
「ウッ、アッ、腹がッ…」
道の周りにいた人が突然苦しみ始めた。
「キャアー!」
と悲鳴が聞こえ、苦しみ出した男を見ると身体から液体が這い出るのが見えた。その液体は次なる媒体を探そうと6番隊に狙いを定めた。
ピシュ!!
「グワッ!」
と素早い早さでアッシュの身体に液体がするりと入り込む。
「アッシュ!!!」
ダンが駆け寄るとアッシュは腹を押さえ、もがき苦しみ始めた。
「クソッ!!こんな時に!!」
とダンは脳裏に医療院で習った内容を思い出す。
◇◇◇
「おまえ達、よく聞きな、菌というものはだいたいアルコールで殺菌することができるんだ」
「先生!蒸留酒でもいけますかねぇ」
「あぁ、いけるさ」
「じゃあ、いつも持参しとかないとなぁ」
とダンが戯けると仲間がいつも飲みたいだけだろうと茶化したのだ。
◇◇◇
ダンは腰にぶら下げていたハイベルクの蒸留酒の蓋をあけると
「一か八かだ!アッシュ飲め!」
と隊員達が止める前に酒の入った水筒をアッシュの口に含ませるクビっと飲ませた。
「ウグッ!ゴクッ……オッエーーッ」
「アッシュ大丈夫か!」
「お、おまえ、いきなり酒を口に流しこむなよ。クソッ、気持ち悪いよ、クソッ…」
「アッシュさん、水の化け物が…」
シャルケ始め隊員達が呆然とアッシュを見つめた。
「あれ…痛みがなくなった…。もう一口グビッ!何かが身体に入った感触があったがなくなった…」
「プッ、あははは!蒸留酒で退治出来たぞ!アマーノ先生はやっぱり偉大だ」
大笑いするダンを見ながらシャルケとキース
は顔を合わせまさかと思いながら一緒にクックッと笑い出した。
「嘘だろ、酒で退治できるのかよ」
シャルケは張り詰めていた物が無くなったようにあははと笑い出す。
「しかも、この前の遠征でハイベルクの酒を貰ってるだろう。ほらっ、俺も持ってるよ」
とキースも荷物から蒸留酒を取り出した。
「アイリ、レオン!おまえ達は先に領都に入り、蒸留酒が有効であると城と医療院に伝えに行け!」
シャルケが叫ぶと
「「はい!」」
と二人は頷き走りだした。
「よし!俺達は化け物退治だ!」
「ダン、ありがとうよ」
「おぅ!大丈夫か?」
「大丈夫さっ、まだまだやれるよ」
ダンはアッシュに手を伸ばし立ち上がらせた。
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