偽聖女と断罪された私、帝国で真の力に目覚めました  ――王国はもう、救いません

鍛高譚

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第4章:復讐の果てに待つ、煌めきの新世界

29話

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予期せぬ客人と決着の朝

 グレンの計らいで、アストリッドとクラリッサは倉庫の一角に設けられた簡易宿泊所へ通された。もちろん厳重に戸を閉められ、商会の護衛が見張っているが、ひとまず安全を確保できたのはありがたい。
 夜が明けるまでは静かにしているしかない。二人は狭い寝台に腰掛け、どちらからともなく深いため息をついた。

「お嬢様……本当なら、こんな目に遭わずに済んだのに……」
「仕方ないわ。あの王国が私を捨てたんだから。でも、ここまで来たら意地でも生き延びて、あいつらを後悔させるの」

 クラリッサは切なそうにアストリッドを見つめる。昔の“優しく穏やかな聖女さま”だった頃とは違う、鋭い光を宿した瞳。けれど、その奥には拭えない悲しみも同居しているように感じられた。
 ――どんなに傷つき、怒りを募らせても、アストリッドはかつて多くの人を救った“聖女”だったのだ。その優しさや誇りを完全には捨てきれないまま、復讐の炎だけが燃えている。

 暗い想いに囚われそうになっていたとき、外で護衛たちが何やら騒ぎ始めた。ガチャリと鍵が開き、グレンが顔を覗かせる。

「アストリン嬢……すまないが、今、君に面会を求める者が来ている。どうする?」
「面会……? 誰がこんなところに?」

 まさか追跡屋が強引に入り込んできたのかと身構えるが、グレンはそうではないと首を振る。
「ジークと名乗る男だ。……どうやら、先ほどの騒ぎで追跡屋を足止めしたのはそいつらしいが」
「ジーク……!」

 あの黒い外套の青年。助けてもらってばかりで正体が掴めないままだが、ここへ来たからには何らかの目的があるに違いない。

「……会うわ。ここまで来てくれたってことは、きっと話があるんでしょう」
 アストリッドはそう答え、クラリッサとともに小さなテーブルが置かれた応接スペースへ移動する。すでにジークはそこに立ち、外套の埃を払っていた。

「やあ、無事だったようだな。追跡屋どもは寄せ集めだから、数はいても統制が取れていない。おまけにここは商会の土地。迂闊に手は出せないだろうさ」
 淡々と言葉を紡ぐジーク。その視線がアストリッドに向けられると、わずかに微笑むような気配を見せた。
「……助けてくれて、ありがとう。あのままじゃ、私たちは捕まっていたかもしれない」
「礼はいい。それよりも、ここからどう動くつもりだ? ファーレン商会は大手だが、追跡屋に根回しされれば安全とは限らん。特に、王国から正式に“追放”されている身ならなおさらだ」

 核心を突く言葉に、アストリッドは苦い表情でうなずく。彼女の目的は“帝国へ渡る”こと。そのためにはこの商隊に乗るしかないが、成功するかどうかは当主ファーレンの判断にかかっている。
「私も分かっている。だから明日の朝、ファーレン様と直談判するわ。もし拒否されたら、そのときは私なりに別の方法を探すしか……」

 ジークはそれを聞き、少し考え込むように沈黙した。そして、決意を込めたように唇を開く。
「ならば、俺もその場に同席させてくれ。……実は、俺もファーレン商会に同行するつもりだったんだ。帝国でやるべきことがある。いずれにせよ、ここの当主とは話をつけるつもりだったからな」
「あなたも……商隊に?」

 ジークの意図は分からないが、少なくとも彼が同行するなら、商会としても護衛面で大きな力になるはずだ。あの凄まじい剣の腕を見れば、一介の用心棒とは桁違いの戦力になる。
 そして、ジークは古びた文書の切れ端に描かれた紋章をさっと見せ、静かに言う。
「……この紋章の意味を突き止めたいんだ。どうやら“古い聖女伝説”に関係しているらしいんだが、王国の中央神殿にはとても近づけないしな。帝国の学術院か、大図書館でなら資料があるかもしれない」
「それで、あなたは帝国へ行くのね……。でも、私を助ける理由は何?」

 ジークは微かに笑う。
「単純に言えば、君の“力”に興味がある。魔物退治の場面を見て分かったが、君はただの治癒魔法使いではない。王国が追放するだけの理由が何か裏にあるはずだ。……それを知りたい」

 アストリッドは胸がざわつく。自分でさえ、まだ把握しきれない謎の力。かつての癒やしの奇跡とは異なる、どこか危うさを伴う光。
 ――ジークの言う通り、神殿はこの力を恐れ、あるいは利用できないと判断して自分を切り捨てたのかもしれない。
 彼女はそっと頷き、ジークを見つめ返す。
「分かった。もしあなたが私に協力してくれるなら、私もあなたの探索に協力するわ。……今は、そうやって助け合うしかないものね」

 交わされる視線。どこか不思議な信頼感が生まれつつあるが、まだ互いにすべてを打ち明けるには至らない。それでも、同じ商隊を目指す者として手を組むことになった。


---

 そして夜が明けきる頃、ファーレン商会の当主――ファーレン・オルディアが姿を現した。五十代前半ほどの壮年の男性で、太めの体格に派手な衣装を纏い、その眼光は商売人らしく鋭い。
 グレンや護衛長、そしてアストリッドたち数名が小会議室に集められる形で話し合いが始まる。

「ふむ……。副長から話は聞いた。王国で“偽りの聖女”とされた女が、うちの商隊に加わりたい、と」
「はい。私はどうしても帝国へ向かいたい。出発が早まるなら、それに合わせて余分な費用もお支払いします。どうか……」

 アストリッドが目を伏せて懸命に言葉を選ぶ。ファーレンは首を横に振りながら、ジークの方を見やる。
「そちらの傭兵も、うちの商隊に乗るつもりだそうだな。……副長が言うには、なかなかの腕前だとか」
「俺はジーク。ただの旅の剣士だ。帝国で用事があるから、商隊と行動を共にしたいだけだ。……今回、彼女を守るというなら、俺の剣も役に立つだろう」

 ジークの落ち着いた口調は説得力を伴う。ファーレンは髭を撫でながら考え込むようにしばらく黙る。
 やがて、彼はアストリッドに向かって改めて口を開いた。
「……我が商会にとって、一番の不安は“追跡屋”だけではない。王国自身が君を捕らえようと本腰を入れてくる可能性もあるという点だ。実際、王国から追放された人間を匿うのは、あまりにも危険が大きい」

 アストリッドの心臓がギュッと締まる。もしファーレンが拒否を宣言すれば、すべてが終わる。だが、彼は続けてこう言った。
「……しかし、帝国との取引をする上で、もし“本物の聖女”を得る可能性があるなら、これは無視できない利点でもある。場合によっては、君の存在が帝国側で歓迎されるかもしれない。真偽はともかく、一度帝国に渡ってからの動き次第では大きな利益を生むだろう」

 ファーレンの言葉は、まさに商人の合理的思考だ。利益になるかもしれないなら、危険を承知で受け入れる――ただし、そのリスクに見合う“代価”を支払ってもらう必要がある。

「そこで提案だ。――今の通行料や隊列参加の契約金とは別に、“安全保証料”を支払ってもらう。君たちを守るために増強する護衛や、国境での役人への根回しにかかる追加費用だ。それを払うだけの資金があるのかね?」

 アストリッドはチラリとクラリッサを見やる。追放前に売却した宝石や貴金属の残りで、かろうじて賄えるかもしれない。ここが正念場だ。
「……分かりました。すべて支払います。持ち合わせているものを可能な限り差し出しますので……それで足りるなら、ぜひお願いします」

 ファーレンは細めた目でアストリッドの表情を読み取り、ひとつうなずく。
「よし。金さえもらえるなら、うちとしても損にはならん。君たちが本当に“王国に後悔を与える”ような存在になれば、さらに儲けものだ。……グレン、副長として段取りを頼む。隊列の編成を一部変更し、護衛を増強するんだ。すぐ準備にかかれ」
「かしこまりました、当主殿」

 こうして、ファーレン商会はアストリッドらを受け入れることを最終的に決定した。強引な手段と多額の出費で手に入れた“避難所”だが、これで帝国へ渡れる望みが繋がったのだ。


---

 早速、商会内は出発を前倒しして今日の昼過ぎには町を発つことに決まった。追跡屋たちに町の出口を封鎖される前に、大規模な隊列で強行突破する算段だ。ファーレン商会の護衛は精鋭が揃っており、こちらも数十名規模。多少の衝突ではビクともしない。

 準備が整い、荷馬車が何台も並ぶ広い敷地は騒然としていた。アストリッドとクラリッサは契約金を清算し、ジークは護衛の一員として登録する。ファーレンは悠然と自分の馬車に乗り込んでいた。
 隊列がゆっくりと門を開け、ランフレアの町の大通りへと進み出す。その光景は、まさに“移動する市場”のように壮観だ。

「よし、今のところ追跡屋の姿は見えないな……。先を急げ!」
 先頭の護衛長が号令をかけ、商隊が一気に町外へ突き進む。

 ところが――門の前を通り過ぎようとしたとき、数台の馬車が横並びに現れて行く手を塞ぐ。周囲の家の影からは武装した男たちがぞろぞろと姿を現すではないか。
「おいおい、行かせるわけにはいかねえぞ。そこに“金髪の女”がいるんだろう?」
 リーダー格の男が薄笑いを浮かべ、商隊に向けて剣を突きつける。

「またか……しつこい連中だな」
 護衛長が歯ぎしりしながら馬車を止め、ファーレンは眉をひそめる。
「貴様ら、うちの商隊に喧嘩を売る気か? ろくに身分も示さず、何の権利があって行く手を塞ぐ?」
「権利? こっちは王国からの命令を受けているんだよ。偽りの聖女を捕えろってな!」

 その言葉にアストリッドの胸の奥がさらに冷える。やはり、王国が裏で手配書を回しているのだろうか。
 ファーレン商会の護衛たちも一斉に構えるが、追跡屋たちの人数も多い。町の住民は遠巻きに見守っており、大規模な衝突が起きそうな雰囲気が漂う。

 ジークは外套を翻し、前へ進み出る。鋭い眼差しを追跡屋たちに向け、静かに剣を抜いた。
「……ここで争うなら、そちらに勝ち目はないぞ。商会の護衛を合わせれば、戦力差は圧倒的だ。おとなしく退くんだな」

 挑発じみたその言葉に、一部の追跡屋は怯むが、リーダー格の男は引き下がらない。
「勝ち目がないかどうかなんざ、やってみなきゃ分からねえ! お前ら商人なんざカネしか頭にねえんだろ? だったら、そこにいる女を渡せば万事解決って話よ!」
「それはできない。彼女は我らの客人だ。……少なくとも、今のファーレン商会には大きな価値がある」
 護衛長が唸るように返す。すると、男は舌打ちをして刃を構えた。
「なら力づくで奪うまでよ。構えろ、野郎ども!」

 瞬間、追跡屋たちが一斉に商隊へ襲いかかる。周囲の悲鳴や馬の嘶(いなな)きが響き、町の通りが大混乱に包まれる。
 アストリッドは荷馬車の陰に身を隠し、クラリッサを後ろへ庇(かば)う。
「危ないから、あまり前に出ないで。ここは護衛が押し返してくれるはず……」

 実際、ファーレン商会の護衛は人数も装備も充実している。正面から刃を交えれば追跡屋が不利なのは明らかだ。――しかし、彼らは敗色が濃くなると、狙いをアストリッドに定めて突撃してきた。

「くそっ! あの女を捕まえりゃいいんだろう!?」
 複数の男が馬車を飛び越えようとする。その動きに反応し、ジークが素早く身体を回転させる。
「通すものか――!」

 彼の長剣が大きく一閃し、男の武器ごと腕を弾き飛ばす。血飛沫に周囲がざわめき、ジークの容赦ない剣技に追跡屋たちがうろたえる。

 だが、それでも数人がアストリッドを囲むように迫り、いよいよ逃げ場がなくなりつつあった。護衛も他の戦線で手一杯らしい。
「お嬢様……!」
 クラリッサが悲鳴に近い声を上げる。――ここでまた、彼女自身が戦うしかないのか。

「やめて……これ以上、私を追うなら――!」
 アストリッドは意を決し、両手をかざす。青白い光が瞬き、男たちに注意を促す。
「な、なんだ、その光……!」
「怯むな! 一気に捕まえろ!」

 それでも男たちは構わず突進してくる。アストリッドは必死に魔力を集中させた。今こそ本気で“あの力”を引き出さなくては倒される――その恐怖が、彼女の感情をさらに研ぎ澄ます。

 ――すると、不意に胸の奥で“何か”が弾けるような感覚が走った。
 血が逆流するような衝撃とともに、手のひらから閃光が走る。

「――あ……」

 刹那、襲いかかろうとしていた男たちが、その光に飲み込まれた。まるで強烈な雷に打たれたように、何も言わず地に倒れ込む。青い火花が一瞬散り、周囲の空気がビリビリと震えるようだった。
 まるで“浄化”というより“破壊”に近い衝撃。周囲の者たちは息を呑み、静まり返る。

 アストリッド自身も足元がふらつき、クラリッサに支えられながら何とか立っている状態だ。
「お嬢様……いまのは……」
「……わからない。でも……倒れた人は、生きてる?」

 地面に横たわる男たちの胸は、かすかに上下している。どうやら気絶しただけらしいが、衣服が焦げていて、相当なダメージを受けたのは明らかだ。

「な、なんなんだ、あの力……!」
「偽りじゃない……本物……?」
「いや、あれは聖女の奇跡というよりは……もっと禍々しいものじゃ……」

 護衛たちや追跡屋の生き残りがざわざわと動揺する。王国の“聖女”の奇跡というイメージからかけ離れた、攻撃的な光だったからだ。
 しかし、とにかく追跡屋たちは総崩れとなり、戦意を失う。ファーレン商会の護衛も「もう十分だ。引き上げろ!」と号令をかけ、道を開かせる。

 こうして追跡屋の包囲は破られ、商隊は町を脱出することに成功した。倒れた者の中には動けない者もいるが、護衛や町の衛兵が放置するわけはなく、ある程度の処置はしてくれるはずだ。
 ファーレン商会にとって重要なのは、自分たちの荷と人員を無事に帝国へ運ぶこと。いちいち王国の不良連中を相手にしている暇はない。

「みんな、さっさと出るぞ! 行き先は帝国境の関所だ。王国との諍(いさか)いに巻き込まれるのはごめんだからな!」

 護衛長がそう叫び、隊列が再び動き出す。何台もの荷馬車が道を揺らし、アストリッドとクラリッサも振り返る暇もなく馬車に乗り込む。
 その後方には、ジークが馬を駆って護衛隊の先頭近くを固めていた。彼はアストリッドを見やってほんの少し笑みを浮かべ、合図を送る。
 ――何とか、脱出は成功したのだ。
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