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第6章
第82話 領地へ、川を渡る。
しおりを挟むパタパタと走り父の元に行く。
「お父様!私が向こう岸へ行ってきますわ」
突然、突飛な事を言い放ったパトリシアに、すんなりと了解を出す父だが………。
「そうか?なら頼………む………はぁ?パトリシア!お前は、今なんと言った?」
「ですから、向こう岸へ行ってきますわよ?」
「………ど、どうやって?」
「それは内緒です。では、行ってきますね?転移門で戻って来ますからね?」
「………はぁ~。わかった!好きにしてくれ」
完全に、諦めた表情をしてパトリシアを送り出す。
「了解ですわ!」
早く行動しないとお兄様に見つかる前に!
パタパタと走って、キックボードに乗り浮き上がり川を渡って反対岸に着いた。
そして、人と馬、馬車が通れる位の大きな転移門を設置してお父様達が居る反対側へ戻った。
「ふぅ~それでこっちに転移門を彼方の門と繋げて………と」
OK出来たわ。完璧よ!
「だけど、試しに門を通らないとね?」
出来上がって、繋げた門をくぐって歩くと反対側に着いたわね!これで確認出来たし、お父様に伝えないと……はぁ~疲れるわね?それにしても自分の規格外なチート能力にビックリよね!フフフ!
何でもありって怖いわね………?
さて、くだらない事を考えてないで……お父様のところに戻るわよ!
そして、またパタパタと走り父の元に急ぐ。
「お父様!門が繋がりましたわよ?さぁ向こう門を潜って歩いてください。此方ですわ!さぁお母様も!」
矢継ぎ早に、お父様に話をして父の腕を引っ張り門までつれ行く。
「ま、待て待て、パトリシア。まだ出発の準備がちゃんと出来てない!それにヴァンス達にも知らせないとな?」
「……そうでしたわね?ごめんなさい。先走ってしまいましたわ?」
「そうよ?パトリシア。急に歩けと言われてもね?馬車はどうするの?」
「馬車も通れますわ!そのまま馬を引いて門に入れますし、乗って入ったらもっと楽ですわね?」
「……そ!そんな事が出来たのか!」
「ええ!ですからほら、早くこの門を通って仕舞わないと!」
「パトリシア………貴女は!全く他所の国の方もいらっしゃるのに………ハァ~」
とお母様がため息を付いて呆れる。
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