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第10章
第10話 準備
しおりを挟む晩餐会の形式は立食パーティーにしました。
この形の方が来られた方達と、お話しがゆっくり出来ると考えたそうです。長く掛かりそうですわね?
でも座って、堅苦しい晩餐よりは……良いのかしら?座りたい方には、数脚の椅子を御用意しますし……。
城の中ホールに場を設けて、パーティーの準備が進んで居ります。
当初は、大ホールで行う予定をしておりましたが……。
ご到着された貴族達の人数が少ないと、連絡が来たので急遽場所を移しました。
御用意する食事に飲み物は、すべてベルガモット領地の物を出す予定です。特に野菜と果物は、王城の畑で取れた物を料理してお出しします。
そして、お酒も少量ですがお出しします。
酔われても困るので量は少なめにですが。
執事のマルクが、料理長とメイド長達に指示をだし、使用人達がテキパキと動いてます。
私は準備中の調理場で、少しだけお手伝いを?と、足を踏み入れて……。残念、エルサとグレンに捕まりました。
出迎える貴族達に失礼があっては困ります!と、言われ……。
お支度ですよ!と言われ、自室の浴室に連れて行かれて。
つるんと剥かれて綺麗にされて、為す術もなくされるがままで、ボーッとしていたら………。
なんと!鏡の前にお人形がちょこんと座って居りました。
………毎回思うけれど……誰だろう?
そして、お客様をお迎えする時間です。とグレンに言われてパーティー会場に向かいます。
そこには、既にお兄様達もお待ちでした。
「ヴァンスお兄様、アレクお兄様?お待たせ致しましたか?」
「嫌、待ってないぞ……パトリシア。今日は一段と綺麗だね」
「フフフ。そうですか?お兄様も素敵ですわよ」
「それは……ありがとう……」
「シア!俺も居るのだが?」
「アレクお兄様……お兄様も素敵ですわ?」
「シア何故、疑問系なんだ?」
「だって、アレクお兄様。私を誉めてはくれないのですもの……」
「そうだったね?シア綺麗だ。普段のお前よりはね?」
「なんですのそれは!もうお兄様ったら。失礼ね?フフフ」
「そうだそ!アレク。パトリシアは、いつも綺麗だろ?」
「まあ、そうか?フフフ」
兄妹三人で笑い遭っていると、伯父様からお声が掛かります。
「おいおい。三人で仲が良いのは良いが、……そろそろお迎えした貴族達の、ご登場の様だぞ?」
「あら伯父様。ごきげんよう?お支度はすみまして?」
「お支度で、少しだけバタバタしたそうだ!と聞きましたが?」
「あぁ、無事にね?プリメラも、息子達も居るぞ」
「それは良かった。今日は皆様、宜しくお願いします。我がベルガモット家と、デルスタ家の未来の為に、より良い話しをして頂きたい。父が不在なので伯父上達には、ご迷惑を掛けますが」
ヴァンスお兄様が、あらまって伯父様達にご挨拶します。これでベルガモットの内堀は、固まったのでしょうか?
伯父様達一家も最初は警戒しましたが……。
「良いよ!気にするな。こちらに来てから色々と遣ることがあるが、楽しいのでな?」
「ええ、ヴァンス兄上。私達にお任せ下さい。お力になるのは当然!さあお迎えしましょう」
「宜しく頼むよ?クロノス。ライアンも頼んだ」
「はい。お任せを」
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