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第13章
閑話 伯父
しおりを挟む時は少し遡りルベルス伯父の話をしましょう。
なぜ従兄弟達が、パトリシアに敵意を向ける事に為ったのか?
事の発端は……。
パトリシアの母マリーンが、リシュタール国を出る少し前の事…。
義兄宛にベルガモット領地で、夫仕事の力に為れないかと文を出したのが切っ掛けなのだ。
マリーンとしては、少しの間…ほんの数ヶ月ベルガモットに滞在をして、仕事してくれない?とお願いしただけだ。
夫の雑務の手伝を、心苦しいがお手伝い願いたいと文で書き記して出しただけだった。
だが何故か、マリーンの文の内容を大まかにねじ曲げてルベルスが理解した結果の話です!
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ルベルス・デルスタは焦って居た。
領地の政策に失敗して、首の皮が一枚繋がっている状態の時に。
義妹から、義妹の夫であるリシュタール国の宰相の領地、ベルガモット領の政策の手伝いをしてくれないかと、相談が記した文がルベルスの元に届いたのだった。
「なぜ、マリーンからこのような文が?」
そういえば…少し前に、姪が王子との婚約が破談に為ったと誰かから聞いたような……。
ふむ……誰からだったか…?
「姪のことなど知らんな、所詮義妹の娘だからな。(興味もない)それよりも…、この事で周辺の貴族達の領地が、荒れだしているそうだが…ふむ。王はどうして居るのだ?」
「どうやら、王子との事は承諾した様で、ベルガモット家は一家で、領地に戻って行ったそうです。それから、王派の領地が荒れだしたとか」
「荒れ出した?ベルガモット領地へ一家で戻った?……それでこの文か?」
「その様です」
ふむ…マリーンからの文はそれでか。
……そうか、そうか………フフフ。
なら手伝いを?してやらんでもない。
それならベルガモットを占領して我が領地にしても良いな?
このデルタスでは、失敗したが。
このままデルタス領は、弟に押し付けるか?
フフフ…それは良いな!我ながら良い案だ。
どうせアデスの事だ、娘の婚約破棄で気落ちもしているだろう。
そこへ、心配した振りでもしてやれば政にもすんなり入り込め、時間を掛けずに思い通りに為りそうだな……。
「ふむ……ならばこの文を利用しない手はないな」
「そう……でしょうか?相手も多少為りとも警戒をするのでは?」
「煩い!黙れ私の考えは完璧だ!よし!支度をするぞ、アーガス」
「だ、旦那様支度とは?」
「何をボケてる!ベルガモットに向かうのだぞ」
「はぁ…お一人で行かれるのですか?それでしたら直ぐに……」
「バカを言うな、家族全員だ!この領地に残したら息子達は捕まり縛り首だ!そんなことはさせない!支度をして出ていく。この領は……そうよな、弟アルベスにでもくれてやれば良い」
「それは……(酷すぎだ)」
「なんだ?私に口答えでも?そもそも、あの国王が悪いのだ!賄賂を毎回寄越せと散々言ってきて!渡してもなんの見返りも寄越さん!くそが!」
財政難に為ったのもあの国王が悪いのだ!散々協力してやって居たと言うのに…。
此方が困り相談しょうとしても、取り合うどころか見放しやがって!何が困ったら、何でも相談しろだ。
……これは縁を切るのには丁度良いか?
それにしても…あの姪と言うのも大して私の役には立たなかったな。
王子と結婚でもしていたら、私の駒にでもしてやろうと思っていたのだが……。
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