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第14章
第10話 私から説明を!
しおりを挟むエンバス親子が城に登城してきて、早速メイドに案内をされたのは謁見の間ではなく貴賓室だった。
ヴァンスとアレク宰相のダルトが貴賓室の中に続々と入り、中で先に待って居た二人に声を掛けた。
「待たせたな」
「い、いえ………」
「へ、陛下……この度は愚息が、愚かな事をしまして……誠に申し訳ありません!」
「「「………」」」
ルースの父アルスは、床に膝を付け土下をして公王であるヴァンスにルースがしたこを詫びるのだった。
だが、隣に立つルースが立ったままなのを気がつくと直ぐにルースを怒鳴りつけた。
「ル、ルース!お前も陛下に詫びろ!なにしてる!」
それだけ言って、ルースの腕を引き下げて床に座らせて頭に手を当てて頭を下げさせた。
その光景に驚いたヴァンスとアレクと宰相だが……ヴァンスが呆れてアルスに声を掛けた。
「ま、まぁアルス殿…気持ちは分からなくはないが……。先ず座ってくれないか?それでは話しに為らないからな」
「も、申し訳ございませんですが…」
「アルス殿先ずお座り下さい。陛下もアレク殿下もそれでは、貴女方にお話しも出来ませんから」
「は、はあ…それでは失礼します。ルースお前謝れ!」
「申し訳ございません…出過ぎたことをしました…」
ルースは立ったまま、再び腰を二つに折り深々と頭を下げた。
「取りあえず座ってくれ!ルース殿、謝られてばかりだと話にならん!」
「も、申し訳ございません……」
「まったく、お前達親子は…。さて、今日お前達をを呼んだのは、勿論パトリシアの事だが……」
「ルース、確認するぞ?」
「は、はい!アレク王子様私になにか?」
「なにか……まぁ良い!お前本当にシアと夫婦に、成りたいのか?」
「そ、それは………あ、あの……」
「なんだ?煮えきらないな……そんな中途半端な気持ちでシアにあのような手紙を出したのか?」
「そ、そのような事は御座いません!私は真剣に考え紳士にパトリシア王女様に婚姻を申込ました!あっ……!申し訳……」
「は、馬鹿者!何をお前は……!申し訳御座いません。陛下、ここはどうか愚息をお許し下さい!今後ルースは城には寄越しませんので……」
「ふむ……そうか、それならパトリシアへの気持ちは本物と謂う事だな?」
「それなら兄上……」
「ああ、そうだな……。では、ルースお前はエンバス商会からは出て貰うぞ?」
「は?で、出るとは?もしや私は不敬罪で罪人ですか?」
「ま、まさか奴隷に?」
奴隷に落とすのだけはご勘弁ください。
とアルスが泣いてヴァンスに頭を下げるが、ヴァンスにはそんなつもりはない。
「そ、そんな…………。(でも…そうですね?間借りなりにも王家の王女様に、身分もない唯の一商人が結婚の申し出等と、言い出せばそうなりますかね…ハハ)」
「お前達…なにか、思い違いをしてるようだが…。別にシアに手紙を送ったくらいで罪には問わんぞ?」
「そうだな、我等はそんなに器用が狭い訳では無いぞ?」
「で、では、ルースを出すとは?」
「陛下言葉足らずですよ?ククク」
「そ、そうか?ふむ……それなら、ダルトから説明してくれ」
「仕方在りませんね?それでは、私が陛下に変わって説明させて頂きますね?」
「「は、はぁ……」」
それでは説明させて貰いますか…。
唯このお二人は、陛下の申し出に納得するのでしょうか?
とダルトは思うのだった。
******☆*******
パトリシア:お兄様達なにをしてるのかしら?
グレン:さぁ?私には?(聞かないでください)
アレク:お前達……聞き耳立ててないで屋敷に戻れ!
パトリシア:もう良いじゃない、お兄様!
グレン:失礼しました…アレク殿下。お嬢様もどりますよ!
パトリシア:むぅ………。
すみません……少しだらだら話が続きますので宜しければお付き合いください。
応援ありがとうございます!
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