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第15章

第3話 お泊まりを進めて見た。

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「ええっと、アルス様にケビン様?」
「な、何でしょうか?」
「今日は、この後に何かお仕事はございまして?」
「いえ、特には何もありませんが?」

 それなら良いことを思い付いたわ!ルース様たちを城にお泊まりして貰いましょう。

「そうでしたか、それは都合良いわ。ねぇルース様」

 ルース様のお顔を見つめてニコリと微笑む。

「なんだい?(何か思い付いた!と謂う顔をしてますね…パトリシア貴女は)」
「何もご予定がないのでしたら、お二人を城にお泊めするのはどうかしら?」
「「「は、はぁ」」」
「パトリシアそれは……いくら何でも急過ぎますよ?(泊めてどうすんですか!)」
「えっ?そうかしら。でも、私の義理のお父様と義兄様に為るのですし」
「それはそうかも知れませんが…」
「ほら、今までの蟠りを払拭させませんと、今後のお仕事にも支障が出ますわよ?今後はエンバス商会を介して、お仕事をしたいのでしょ?ルース様は?」

 そう!私の無謀な案件を素直に聞いてくれるのは、やはりエンバス商会しかあり得ないのです。
 他の商人は、やっぱり信用が出来ないとの結論がお兄様たちとの話し合いで決まった事なのです。

 従ってルース様とアルス様との和解が求められて居たのも本当です。
 まあ、以前私はアルス様によるルース様の扱いに不満があったのでエンバス商会とは、縁を切る様な話を持ち出しましたが…。
 実質問題、私の先走りでルース様にはご迷惑をお掛けしましたが…。

「ねっ?そうして頂いたら?」

 するとウェルスがルース様に話し掛けます。

「旦那様、そうして頂いても宜しいのではありませんか?パトリシア様もそう仰っていることですし」
「と、とは言っても、ウェルス達も用意があるだろ?それに…城にかい?」
「ええ、城でしたら客間も御座いますから。お寛ぎ頂けるかと(彼方のお屋敷は案内出来ませんからね!)」
「そうか……パトリシアいいのだろうか?」
「ええ何でしたら、親子水入らずでお城でお過ごしくださいな?」
「ん~。そうだねそうしても良いかな」
「ええ、私は構いませんよ?」
「あっ!でも、陛下やアレク義兄殿たちに了解を得ないと」
「それでしたら、私が陛下にお話をして参りましょう」
「なら、頼んだよウェルス」
「それでは、少しお待ちください。ルース様ご家族のご宿泊の準備と、宿泊の御了承を貰えるか陛下に伺って参りますから」
 
 ルースたちのやり取りを聞いてアルス様たちが固まってますよ。
 それはそうよね…堂々とした態度で、貴族の振る舞いが板に着いて来てるもの。未々ですがそれでもルース様は頑張っております。
 それに専属の執事がルース様に付いたのですもの。何せおどおどした態度がやっと取れて来てますからね。でも本人は随分と苦労してると思いますが。

 フフフ、今夜は親子三人で仲睦まじくお過ごし下さいな。私は邪魔等致しませんわよ。

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