上 下
570 / 574
第16章 

第13話 約束だったでしょ? 2 (改稿)

しおりを挟む


 母の我が儘を私が冷たく母を突き放したら、それはそれは悲しそうな顔をしてるけど…嘘泣き禁止ですわよ!
 騙されませんよ、お母様。

「そんなぁ~! パトリシア、冷たいわ!」

 涙まで見せて嘘泣きする母。
 非常にウザイ。
 娘に泣き落としは効きません。

「でしたら、お母様。お母様も私と一緒に、畑仕事をしますか? 畑仕事をです。お渡ししている乳液や、トリートメントを造る材料、薬草を畑で摘み採るのを手伝って頂けますか? それから……」
 
 畑作業の手伝いを母に申し出たら、何の事はないあっさりと母は引き下がった。

「い、いやねぇ~パトリシア。お母様は、そんなことは出来ないわ!土弄り…畑仕事なんて……はしたない」

 おお…はしたないときたか!
 だったら私は何なのだろうか。
 チマチマ畑に入り、薬草やハーブや野菜を採ってるのに…
 よし決めた!
 絶対に、エンバス商会へは他の品物のレシピの数は増やさん!

「ですわよねぇ~お母様? では、一言だけ言わせて貰いますが宜しくて?」
「な、なにかしら?」

 私はすうーっと息を吸い込み口を開いてこう言った。

「お母様!ご自分では何もしない癖に人を道具の様に扱うな!私は忙しいんです!人をこき使う積もりならちゃんと報酬を持ってこい!いくら私がお母様の娘だからといっても無理なものは無理。悪しからず」

 ふぅ~ほとんどnoneブレスで言ってやった!ふん!

「………ひ、ひどいわ!パトリシア!」
「あら、何が酷いのですか?」
「今まで私は、お母様の我が儘は大抵は利きましてよ? それも報酬なしで」
「……報酬って、お母様は貴女のお誕生日にはちゃんと」
「あれらは、お父様の稼ぎで買った物ですわよね? お母様のお金ではない。私はちゃんと、自分でお金を稼いでますわよ? 欲しい物が有れば自分で買ってますし、お金で買えなければ造ってますわよ。ふふん」自慢!
「……むぅ。何も言えないわ」
「でしょ? お母様って、魔法がお得意で昔は恐れられていたのでしょ? でしたらそれなりの物は造れるのでは?」

 たまにはご自分で欲しいものをお作りに為っては如何かしら?
 親なのだから娘に集るな!

「そんなぁ~! それでは私が…(お茶会で自慢出来ないわ!)」
「でも私は、お母様にはちゃんと良い物を渡してますわよね? 家族ですもの。オホホホ」
「そうだけどぉ~。パトリシア、そこをなんとか為らないの?」
「しつこいですわ、お母様」

 嫌われるわよ?

 そうして母のおねだりは回避した。
 ふぅ毎回毎回、母には振り回される。
 我が儘も大概にして欲しいし、問題を起こすな!


 因みに、伯父一家の事も元を正せば母が悪いのだし。
 尤もそれに、ひょいひょいと載った伯父一家は尚悪いが。

 そういえば、伯父一家だけどね。
 まず、城の牢屋に入れられてた三男君の手。あの手は火傷が酷くて、傷を治すことを諦めたみたい。
 指が火傷でくっついて、指が開かず動かせなく為ったらしいわ。
 まあ、一家でせっかく買ったあの屋敷からは追い出されて、ベルガモット公国からも追い出されたから、今頃は自分の領地に戻って行ったらしい。
 でも、領地に戻って直ぐにあの家の行方が分からなく為ったそうよ。
 いったい何処へ隠れたのかしらね?
 あの陰湿な長男次男の報復が怖いけど…でも二度と会うこと無いわね。
 何せ、門の結果は更に頑丈にしたもの。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【立場逆転短編集】幸せを手に入れたのは、私の方でした。 

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:6,149pt お気に入り:825

邪魔者というなら私は自由にさせてもらいますね

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:269pt お気に入り:3,663

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:44,957pt お気に入り:35,284

ぶりっ子男好き聖女ヒロインが大嫌いなので悪役令嬢やり遂げます!

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:35pt お気に入り:3,408

婚約破棄の翌日に謝罪されるも、再び婚約する気はありません

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,927pt お気に入り:6,430

ちーちゃんのランドセルには白黒のお肉がつまっていた。

ホラー / 完結 24h.ポイント:596pt お気に入り:15

グラティールの公爵令嬢

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:15,443pt お気に入り:3,371

処理中です...