89 / 275
第2章 これから始まる共同生活
二十三日目① これからの事
しおりを挟む
ここ最近頑張りすぎたせいか、気が付いたら朝を迎えていた。
自室の窓から外を見ると既に朝日が昇っており、開け放った途端に心地よいそよ風が部屋に入り込んできた。
外からはがやがやとした人の行きかう声や爆発音が聞こえてきた。
爆発音は……いつもの事か。
って、これは慣れていいもんだろうか?
俺は部屋着へ着替えると、階段を下りてリビングへ移動した。
大分時間が遅かったからか、エルダはすでに起きて朝食なども済ませていた。
俺の分の朝食も準備してくれており、今日はハムエッグとトーストとトマトスープだった。
朝からうまい朝食に舌鼓を打って大満足でした。
本当にエルダ様様です。
「そういえばカイト。これからの予定とかほとんど聞いてなかったけど、どうするつもりなの?ここに拠点を構えて暮らしていくの?」
エルダに言われるまで考えてなかったな。
俺、ここに居なきゃいけない理由って無いはずだよな?
でも、ここでの生活基盤を整えることしか考えてなかった。
「言われてみれば考えてなかったや。とりあえず生きていけるようにしないとって冒険者になったくらいだし。ある程度稼げるようになったら、田舎でスローライフも悪くないよね。」
「そっか。冒険者としてはどうなの?やっていけそう?」
冒険者としてか……
正直、このスキルと職業に振り回され続けている気がしてならない。
でもそうか、俺……自由なんだ。
自由にしていいんだ。
「なぁ、エルダ。俺……自由にしていいんだよな?やりたいことやっていいんだよな?」
「そうね、冒険者は自由よ?でもそれには必ず責任と代償が付いてくるわ。責任は依頼を疎かにしないこと。代償は自分の命。ただそれだけよ。それともう一つ。対価としてお金と自由が手に入るわ。だから何をするのも自由よ。逆に何もしないことも自由。ただそれは人としてどうなんだろうかって思うけどね。」
きっと俺はまだ自分の命を代償として考えられてないのかもしれない。
だから安全な場所で安全に戦って、安全に生活できる環境を整えてるのかもしれない。
俺がしたいこと……
せっかくモノ作りができるんだから、いろんなモノを作ってみたい。
この世界をまだ知らないから、未知なるモノで何が出来るのか知りたい。
そうか、俺自由にしていいんだ。
なら簡単だ。
世界を見てみたい。
「どうやら答えは決まったようね?」
「ありがとうエルダ!!」
俺は思わずエルダに抱き着いてしまった。
エルダにたくさんのありがとうを伝えたくて、つい。
エルダは一瞬驚いたようで、体を硬直させていた。
そして、軽く抱きしめて俺の背中をポンポンと叩いて励ましてくれた。
「カイト、あなたの答えを聞かせて。」
「俺は世界が見たい。せっかくのスキルだから。世界中の素材に触れて、いろいろなモノを作りたい。」
「じゃあ、そのためにも準備を進めないとね。世界を移動したいなら、せめて冒険者のAランクにならないといけないわ。Aランクならほとんどの門をフリーパスで入れるし。各種のギルドから優遇を受けられるわ。その上のSランクなら国の政治的干渉をはねのけられる。逆にSS以上なら国に意見すらできるそうよ。」
というわけで、今後についてエルダと相談してみた。
①後輩の探索
②スキル【DIY】で様々な物を作り出す。
③誰にも邪魔されないためもSランク冒険者を目指す。
④世界中の素材を集める。
うん、なかなか大掛かりになりそうな予感がする。
それと近々の予定も確認した。
1)明日のギルド間定例会議出席
2)資金集めと装備品の修理・新調
あと、エルダからの要望で回復薬(低)の生産を依頼された。
俺たちは回復職がいないので回復がどうしても回復薬(低)頼りになる。
そこで、少し品質は下がるが、俺が作ったほうが経済的との判断だった。
しかも、素材は薬師ギルドに登録すれば安く買えるそうだった。
まさかと思い確認すると、素材関連は各種ギルドで直接販売してくれるそうだ。
ただ、魔物素材は少なく、自力調達だそうだ。
つまりは……簡単に自活できたのでは?
「エルダさんや、それもっと早く教えてほしかったよ……」
「え?常識でしょ?」
ここでも常識という名の壁が、俺の行く手を阻むようだった。
「そういえば……。ゴブリン討伐の時、魔石(極小)がその辺一帯に散らばってたなぁ。もらって来ればよかった。」
「カイト……まさか盗ってきてないわよね?」
エルダが若干顔を青くさせていた。
なんかまずったんだろうか……
「え?取ってきてないよ?だからもったいないことしたなって思ったわけだし。」
「よかった~。危うくあなた窃盗罪になるところだったわよ。」
マジですか?!
どうやら、討伐戦の時などはドロップアイテムは共通資産扱いになるらしい。
討伐戦完了後に集計して、参加者にその金額を分配することになっていた。
もし、持ち逃げ等した場合は窃盗罪となり、投獄およびランク降格処分になるそうだ。
ただし例外もあって、ダンジョンのボス戦にラストアタックボーナスがあるらしく、それはラストアタック者にその所有権があるそうだ。
うん、俺の犯罪は未然に防がれたらしい。
自室の窓から外を見ると既に朝日が昇っており、開け放った途端に心地よいそよ風が部屋に入り込んできた。
外からはがやがやとした人の行きかう声や爆発音が聞こえてきた。
爆発音は……いつもの事か。
って、これは慣れていいもんだろうか?
俺は部屋着へ着替えると、階段を下りてリビングへ移動した。
大分時間が遅かったからか、エルダはすでに起きて朝食なども済ませていた。
俺の分の朝食も準備してくれており、今日はハムエッグとトーストとトマトスープだった。
朝からうまい朝食に舌鼓を打って大満足でした。
本当にエルダ様様です。
「そういえばカイト。これからの予定とかほとんど聞いてなかったけど、どうするつもりなの?ここに拠点を構えて暮らしていくの?」
エルダに言われるまで考えてなかったな。
俺、ここに居なきゃいけない理由って無いはずだよな?
でも、ここでの生活基盤を整えることしか考えてなかった。
「言われてみれば考えてなかったや。とりあえず生きていけるようにしないとって冒険者になったくらいだし。ある程度稼げるようになったら、田舎でスローライフも悪くないよね。」
「そっか。冒険者としてはどうなの?やっていけそう?」
冒険者としてか……
正直、このスキルと職業に振り回され続けている気がしてならない。
でもそうか、俺……自由なんだ。
自由にしていいんだ。
「なぁ、エルダ。俺……自由にしていいんだよな?やりたいことやっていいんだよな?」
「そうね、冒険者は自由よ?でもそれには必ず責任と代償が付いてくるわ。責任は依頼を疎かにしないこと。代償は自分の命。ただそれだけよ。それともう一つ。対価としてお金と自由が手に入るわ。だから何をするのも自由よ。逆に何もしないことも自由。ただそれは人としてどうなんだろうかって思うけどね。」
きっと俺はまだ自分の命を代償として考えられてないのかもしれない。
だから安全な場所で安全に戦って、安全に生活できる環境を整えてるのかもしれない。
俺がしたいこと……
せっかくモノ作りができるんだから、いろんなモノを作ってみたい。
この世界をまだ知らないから、未知なるモノで何が出来るのか知りたい。
そうか、俺自由にしていいんだ。
なら簡単だ。
世界を見てみたい。
「どうやら答えは決まったようね?」
「ありがとうエルダ!!」
俺は思わずエルダに抱き着いてしまった。
エルダにたくさんのありがとうを伝えたくて、つい。
エルダは一瞬驚いたようで、体を硬直させていた。
そして、軽く抱きしめて俺の背中をポンポンと叩いて励ましてくれた。
「カイト、あなたの答えを聞かせて。」
「俺は世界が見たい。せっかくのスキルだから。世界中の素材に触れて、いろいろなモノを作りたい。」
「じゃあ、そのためにも準備を進めないとね。世界を移動したいなら、せめて冒険者のAランクにならないといけないわ。Aランクならほとんどの門をフリーパスで入れるし。各種のギルドから優遇を受けられるわ。その上のSランクなら国の政治的干渉をはねのけられる。逆にSS以上なら国に意見すらできるそうよ。」
というわけで、今後についてエルダと相談してみた。
①後輩の探索
②スキル【DIY】で様々な物を作り出す。
③誰にも邪魔されないためもSランク冒険者を目指す。
④世界中の素材を集める。
うん、なかなか大掛かりになりそうな予感がする。
それと近々の予定も確認した。
1)明日のギルド間定例会議出席
2)資金集めと装備品の修理・新調
あと、エルダからの要望で回復薬(低)の生産を依頼された。
俺たちは回復職がいないので回復がどうしても回復薬(低)頼りになる。
そこで、少し品質は下がるが、俺が作ったほうが経済的との判断だった。
しかも、素材は薬師ギルドに登録すれば安く買えるそうだった。
まさかと思い確認すると、素材関連は各種ギルドで直接販売してくれるそうだ。
ただ、魔物素材は少なく、自力調達だそうだ。
つまりは……簡単に自活できたのでは?
「エルダさんや、それもっと早く教えてほしかったよ……」
「え?常識でしょ?」
ここでも常識という名の壁が、俺の行く手を阻むようだった。
「そういえば……。ゴブリン討伐の時、魔石(極小)がその辺一帯に散らばってたなぁ。もらって来ればよかった。」
「カイト……まさか盗ってきてないわよね?」
エルダが若干顔を青くさせていた。
なんかまずったんだろうか……
「え?取ってきてないよ?だからもったいないことしたなって思ったわけだし。」
「よかった~。危うくあなた窃盗罪になるところだったわよ。」
マジですか?!
どうやら、討伐戦の時などはドロップアイテムは共通資産扱いになるらしい。
討伐戦完了後に集計して、参加者にその金額を分配することになっていた。
もし、持ち逃げ等した場合は窃盗罪となり、投獄およびランク降格処分になるそうだ。
ただし例外もあって、ダンジョンのボス戦にラストアタックボーナスがあるらしく、それはラストアタック者にその所有権があるそうだ。
うん、俺の犯罪は未然に防がれたらしい。
応援ありがとうございます!
907
お気に入りに追加
2,974
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる