100 / 275
第2章 これから始まる共同生活
二十四日目⑥ ギルド間定例会議 自分の言葉で
しおりを挟む
「そこからは、儂が説明しよう。」
そう言うと、奥の席から公爵閣下が立ち上がって近づいてきた。
「すまんの、発言を許してほしい。まずは、こやつの能力については国はまだ把握しておらん。儂の部下がすべて情報規制をしておる。他国にも今のところばれてはおらんじゃろ。つまり、こやつの能力を知るものは今現在儂を含めここに居る者のみとなる。それでじゃ、儂はこやつの力になろうと考えておる。まあ、ただでとは言わんが……こやつにはその辺を説明済みじゃて。」
公爵閣下はニヤリと笑みを浮かべて俺に視線を投げかけてきた。
まあ、納得済みなのは確かなんだけどね。
というより、選択肢が無かったとも言える。
「公爵……閣下が……。う、後ろ盾って、す、凄いことです……よ?」
「そうどすなぁ。普通ではありえへんこっとすさかい。それだけの価値があるとお考えなんどすか?」
「そうじゃの、そう捕らえてもらって構わん。」
自慢のひげを触りながら肯定している公爵閣下。
ギルマスたちの視線が一気に俺に集中してくる。
なんだか、みんなの目が怖い……
クリスティーナさんの視線が……あれ?だんだん下に移動して……
き、気にしたら負けだ……
「これはこれは、公爵閣下がご熱心とは意外でございましたな。たかだた異世界より呼ばれた者に、それほどの価値を見出されていたとは……。で、その価値とはいかに?」
ドルーが何やら大げさな身振り手振りをして、ニヤニヤとにやけて公爵閣下を挑発をしてくる。
これって不敬罪にならないのか?
にしてもドルーのやつ、めっちゃムカつく!!
絶対あいつの頼みは聞いてやらん!!
「それは俺から説明しよう。おい、カイト。例の収納箱(簡易)を出してくれ。」
「空箱でいいのか?」
「構わん、これから物を入れるんだからよ。」
おっちゃんに言われた通り、会議室の真ん中に収納箱(簡易)を取り出す。
その際アイテムボックスの存在がばれたのはご愛敬だ。
むしろそれ込みでドルーの視線がさらに強さを増してきていた。
これもしかして、俺視線だけで殺されるんじゃないか?
おっちゃんの合図で、冒険者ギルド職員が大小様々な物を持ってきた。
小さいものだと小瓶のようなものから、大きいものだと容量限界のツボまでもってきていた。
壊れても俺のせいにしないでほしいよ。
「こいつの性能を説明する。1種類のアイテムを1つと考え、1枠に1種類。10枠まで収納可能。収納個数は1枠10個まで。箱の入り口の大きさ以上には入れられない。さらについ最近判明したのが、内部時間の低速化だ。これを聞いただけでもやばい物だってわかるだろう。」
ガタン!!!!!
椅子が盛大に倒れる音が聞こえてきた。
やはりドルーだった。
勢いよく立ち上がったせいか、倒れた椅子が吹っ飛ばされていた。
ドルーの目がすでに血走っていて真面目に怖かった。
「ど、ど、どういうことです!!それはどうなっているですか!!ま、まさか冒険者ギルドで牛耳るつもりじゃないでしょうね⁉それは商業ギルドが使ってこそ真価があるというもの!!今すぐその権利を私たちに寄越しなさい!!」
「慌てるな!!最後まで話を聞きやがれ!!」
シャバズのおっさんが「ドガン!!」と机を叩く(殴るの間違えじゃなかろうか?)と、ひと際怒気を孕ませた声で制止させた。
あまりの怒気にたじろいだドルーだったが、ギルマスの意地なのか倒れることはなかった。
「まずは検証をしよう。おい、今持ってきたものを順に入れてくれ。」
おっさんの合図でギルド職員が次々と収納箱(簡易)へ物を詰めていく。
明らかに見た目の収納容量を超えているのがわかる量だ。
最初は半信半疑だったギルマスたちも次第に息をのみ見つめていた。
パタン
最後の一つが中に入れられると、収納箱の蓋が閉じられた。
「これで理解してもらえたと思う。こいつは流通の常識を覆す代物だ……。国にばれたらどうなるか……、お前らなら言わなくてもわかるよな?しかもだ、もし他国に知れたら……おそらく戦争が起こる。もしくは暗殺者か拉致か……。まあ、ろくでもないことには変わりない。」
「発言良いだろうか?魔導ギルドのロイドだ。カイト君、君に聞きたい。君はどうしたいんだい?ここに来たということは僕たちに何かしてほしい。違うかい?」
これはきっと俺を試しているんだろうな。
おっちゃんが何か言おうとしてけど、片手で制して自分の言葉で伝えることにした。
「俺は、自由に生きたい。誰にも縛られずに。でも、そんなことは不可能だ。衣食住、誰も頼らない生活なんて、それは仙人にでもなるしかないからね。そんな生活はまっぴらごめんだ。あ、田舎生活はあこがれるけど。で、俺が頼みたいのは後ろ盾になってほしいってことだ。これから先、おそらく遅かれ早かれ国に狙われる。人を問答無用で召喚しておいて、ほっぽりだすくらいだ。あの王様なら拉致監禁はやりかねない。俺から出せる見返りはこの世界にないであろう、製品たちだ。おっちゃんごめん。いろいろ考えたけど、これは俺がちゃんとしないといけないことだから。」
「あぁ、もうしらんぞ。やるだけやってみろ。」
「ありがと。とりあえずの見返りはこれだ。」
俺はそういってアイテムボックスから1枚の皿を取り出した。
まあ、言うまでもなく荒れたんだけどね。
そう言うと、奥の席から公爵閣下が立ち上がって近づいてきた。
「すまんの、発言を許してほしい。まずは、こやつの能力については国はまだ把握しておらん。儂の部下がすべて情報規制をしておる。他国にも今のところばれてはおらんじゃろ。つまり、こやつの能力を知るものは今現在儂を含めここに居る者のみとなる。それでじゃ、儂はこやつの力になろうと考えておる。まあ、ただでとは言わんが……こやつにはその辺を説明済みじゃて。」
公爵閣下はニヤリと笑みを浮かべて俺に視線を投げかけてきた。
まあ、納得済みなのは確かなんだけどね。
というより、選択肢が無かったとも言える。
「公爵……閣下が……。う、後ろ盾って、す、凄いことです……よ?」
「そうどすなぁ。普通ではありえへんこっとすさかい。それだけの価値があるとお考えなんどすか?」
「そうじゃの、そう捕らえてもらって構わん。」
自慢のひげを触りながら肯定している公爵閣下。
ギルマスたちの視線が一気に俺に集中してくる。
なんだか、みんなの目が怖い……
クリスティーナさんの視線が……あれ?だんだん下に移動して……
き、気にしたら負けだ……
「これはこれは、公爵閣下がご熱心とは意外でございましたな。たかだた異世界より呼ばれた者に、それほどの価値を見出されていたとは……。で、その価値とはいかに?」
ドルーが何やら大げさな身振り手振りをして、ニヤニヤとにやけて公爵閣下を挑発をしてくる。
これって不敬罪にならないのか?
にしてもドルーのやつ、めっちゃムカつく!!
絶対あいつの頼みは聞いてやらん!!
「それは俺から説明しよう。おい、カイト。例の収納箱(簡易)を出してくれ。」
「空箱でいいのか?」
「構わん、これから物を入れるんだからよ。」
おっちゃんに言われた通り、会議室の真ん中に収納箱(簡易)を取り出す。
その際アイテムボックスの存在がばれたのはご愛敬だ。
むしろそれ込みでドルーの視線がさらに強さを増してきていた。
これもしかして、俺視線だけで殺されるんじゃないか?
おっちゃんの合図で、冒険者ギルド職員が大小様々な物を持ってきた。
小さいものだと小瓶のようなものから、大きいものだと容量限界のツボまでもってきていた。
壊れても俺のせいにしないでほしいよ。
「こいつの性能を説明する。1種類のアイテムを1つと考え、1枠に1種類。10枠まで収納可能。収納個数は1枠10個まで。箱の入り口の大きさ以上には入れられない。さらについ最近判明したのが、内部時間の低速化だ。これを聞いただけでもやばい物だってわかるだろう。」
ガタン!!!!!
椅子が盛大に倒れる音が聞こえてきた。
やはりドルーだった。
勢いよく立ち上がったせいか、倒れた椅子が吹っ飛ばされていた。
ドルーの目がすでに血走っていて真面目に怖かった。
「ど、ど、どういうことです!!それはどうなっているですか!!ま、まさか冒険者ギルドで牛耳るつもりじゃないでしょうね⁉それは商業ギルドが使ってこそ真価があるというもの!!今すぐその権利を私たちに寄越しなさい!!」
「慌てるな!!最後まで話を聞きやがれ!!」
シャバズのおっさんが「ドガン!!」と机を叩く(殴るの間違えじゃなかろうか?)と、ひと際怒気を孕ませた声で制止させた。
あまりの怒気にたじろいだドルーだったが、ギルマスの意地なのか倒れることはなかった。
「まずは検証をしよう。おい、今持ってきたものを順に入れてくれ。」
おっさんの合図でギルド職員が次々と収納箱(簡易)へ物を詰めていく。
明らかに見た目の収納容量を超えているのがわかる量だ。
最初は半信半疑だったギルマスたちも次第に息をのみ見つめていた。
パタン
最後の一つが中に入れられると、収納箱の蓋が閉じられた。
「これで理解してもらえたと思う。こいつは流通の常識を覆す代物だ……。国にばれたらどうなるか……、お前らなら言わなくてもわかるよな?しかもだ、もし他国に知れたら……おそらく戦争が起こる。もしくは暗殺者か拉致か……。まあ、ろくでもないことには変わりない。」
「発言良いだろうか?魔導ギルドのロイドだ。カイト君、君に聞きたい。君はどうしたいんだい?ここに来たということは僕たちに何かしてほしい。違うかい?」
これはきっと俺を試しているんだろうな。
おっちゃんが何か言おうとしてけど、片手で制して自分の言葉で伝えることにした。
「俺は、自由に生きたい。誰にも縛られずに。でも、そんなことは不可能だ。衣食住、誰も頼らない生活なんて、それは仙人にでもなるしかないからね。そんな生活はまっぴらごめんだ。あ、田舎生活はあこがれるけど。で、俺が頼みたいのは後ろ盾になってほしいってことだ。これから先、おそらく遅かれ早かれ国に狙われる。人を問答無用で召喚しておいて、ほっぽりだすくらいだ。あの王様なら拉致監禁はやりかねない。俺から出せる見返りはこの世界にないであろう、製品たちだ。おっちゃんごめん。いろいろ考えたけど、これは俺がちゃんとしないといけないことだから。」
「あぁ、もうしらんぞ。やるだけやってみろ。」
「ありがと。とりあえずの見返りはこれだ。」
俺はそういってアイテムボックスから1枚の皿を取り出した。
まあ、言うまでもなく荒れたんだけどね。
応援ありがとうございます!
890
お気に入りに追加
2,973
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる