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9.追いつ追われつ Side.アリスト
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エディアスが自分の前から姿を消して最初でこそ呆然となったが、当然このまま放置する気はない。
隣国に行くことはわかっているのだし、ここまで来たら追って捕まえる一択だろう。
そう思い、急いで馬を引いて全速力で駆けだした。
悔やむべきはやはり転移魔法が使えない点だろうか?
(俺にも転移魔法が使えたらよかったのに…!)
エディアスは簡単そうに使っているが、実は転移魔法は特級魔法に類するもので、そう簡単には扱えないのだ。
そこに求められるのは魔力量とセンス。ついでに空間把握能力。この三点が抜群にできないと扱えない特殊な魔法。
そんな魔法だからこそ個人で習得しようとする者は少なく、隣国サザナードでは代わりに転移魔法陣というものが研究開発され、最近各街へと普及されたと聞いた。
恐らく将来的には各国へと広がっていくだろう。
そうなるときっとこれからますます転移魔法の使い手は減っていくはずだ。
(でも俺は使えるようになりたい!)
こんな事態に陥った時、即役に立つんだから。
取り敢えずエディアスの魔力探知の練習からやってみようか?
幸いエディアスの魔力は幼い頃から慣れ親しんでいるし、魔力探知自体コツさえ掴めばちゃんとできるようになるはず。
追いかけながらエディアスの魔力を探そう。
転移魔法の練習にもきっと繋がるはずだ。
そうして俺は必死に後を追いかけた。
街には携帯食料の補充などで寄るくらいで、他はできる限り野宿をしながら馬を掛け移動を続ける。
早く追いつかないとエディアスが戻ってきてくれない気がして不安だった。
プロポーズに頷いてはくれたが、エディアスはなんだかんだで兄であるジオラルドの支配下にあるのだと痛感してしまったからだ。
常に兄の為にベストを尽くさねばと過ごしてきたせいで、口でなんと言おうと勝手に身体が動いてしまうのだろう。
俺と一緒にいるよりあっさり兄の元に戻ったのがいい証拠だ。
物理的に引き離さないとこのまま永遠に利用され続けてしまう。
この機を逃すのは悪手だ。
国外追放になったジオラルドとエディアスを引き離すのには今このタイミングがベストだし、何がなんでもエディアスに追いついて、早く捕まえなければならない。
互いに兄とは距離を置き、二人で幸せに暮らしたい。
(後一歩なんだ)
学園卒業まであと二年残ってはいるが、俺もエディアスもやろうと思えばスキップで卒業はできるはず。
さっさと卒業して領地で新婚生活を送りたい。
そんな本音を抱きながら、俺はエディアスの温もりを思い出す。
1年かけて俺色にすっかり染まりきった身体は俺が教えたように反応を返し俺をただただ悦ばせる。
他の誰も知らない俺だけのエディアス。
盗賊達の手で穢されずに済んで本当に良かったと実感する。
そうだ。その盗賊達にはきっちり引導を渡してやらないといけないのだった。
情報収集はしておかないと。
そう思いながら途中の街で兵の詰所に寄った。
「すまない。直近で盗賊が出たという情報はないか?」
「この辺りじゃ聞きませんね」
「盗賊と言えばもっと国境近くで大量に処理されたって聞きましたよ?商人が目撃したらしいんですが、なんでも偶々魔力の高い高位貴族を襲おうとしたらしくて、風魔法でバッサリ。現場は酷い有り様だったらしいです」
それを聞き、どうやらジオラルドがやらかしたらしいとピンときた。
恐らくエディアスが盗賊達のところから逃げ出した後、盗賊達はエディアスが元の場所へと逃げ帰ったのだと判断したと思われる。
そしてエディアスを追うようにそちらを襲撃し、ジオラルドが怒り狂って魔法で全員殲滅しにかかった。多分そんな感じだと思う。
ジオラルドはエディアスを好きに使うが、本人的には可愛がっているつもりなのだ。
服の共有をやめてやって欲しいと俺から言いに行った際、『仲の良い兄弟はどこもそんなものだと聞く。特段珍しい話でもないだろう?いくらアリスト殿下がエディアスと恋人同士でも、くだらないことで俺に嫉妬するのはやめてほしい』と全く悪びれる様子もなく言い放った姿に愕然となったのを昨日のことのように思い出すことができる。
あれは天然で傲慢なのだ。
腹が立ったから『それではエディアスに俺好みの服を着せられないだろう?』と言ったら、初めて『その時はアリスト殿下が指定した服だと言ってもらえたら考慮くらいできる。馬鹿にしないでもらいたい』と言い放たれた。
本当につくづく腹立たしい男だ。
とは言えそんなジオラルドが、可愛がっているエディアスに手を出した盗賊達を許すはずがない。
そしてその後エディアスが俺の元から戻った後、いつものように後始末をさせられたと思われる。
(あ~本当、イライラする)
エディアスをいいように使っているだけのくせに、エディアスを独り占めするジオラルドが俺は大嫌いだった。
誰でもいいからあの男を引き取ってくれないだろうか?
そう思ったところでふと、隣国サザナードの王太子の顔が頭に浮かんだ。
(これだ!)
そう思い、俺はすぐさま手紙を書いて超特急便でそれを送った。
あの王太子ならきっとジオラルドを上手く使ってくれるはず。
そうほくそ笑んで、俺は半ば安堵しながら意気揚々と再度馬を飛ばした。
その頃追っ手の方はと言うと────。
「まだ城を出て数日だろう?!一体どこに消えたんだ、アリスト殿下は?!」
「隊長!この街にも殿下の目撃情報はありませんでした!」
「ご友人のエディアス殿を追って隣国に向かっているのは確かなようですが…」
「先日の街では物資の補給をなさった様子はありましたが、宿泊をしたと言う形跡はどこにもありませんでしたし、余程飛ばしておられるか、もしくはルート違いで追い抜いてしまったのでは?」
「それはないだろう。もっとよく探せ!陛下のご命令だ!」
そうして捜索部隊をいくつかに分け各街々で聞き込みをしながらアリストの姿を虱潰しに探していたが、一向に情報は集まらず、捜索は難航していた。
「くそっ!おい、行くぞ!次の街だ!」
次はそこそこ大きな街だ。
そこに滞在してくれているといいのだが……。
隣国に行くことはわかっているのだし、ここまで来たら追って捕まえる一択だろう。
そう思い、急いで馬を引いて全速力で駆けだした。
悔やむべきはやはり転移魔法が使えない点だろうか?
(俺にも転移魔法が使えたらよかったのに…!)
エディアスは簡単そうに使っているが、実は転移魔法は特級魔法に類するもので、そう簡単には扱えないのだ。
そこに求められるのは魔力量とセンス。ついでに空間把握能力。この三点が抜群にできないと扱えない特殊な魔法。
そんな魔法だからこそ個人で習得しようとする者は少なく、隣国サザナードでは代わりに転移魔法陣というものが研究開発され、最近各街へと普及されたと聞いた。
恐らく将来的には各国へと広がっていくだろう。
そうなるときっとこれからますます転移魔法の使い手は減っていくはずだ。
(でも俺は使えるようになりたい!)
こんな事態に陥った時、即役に立つんだから。
取り敢えずエディアスの魔力探知の練習からやってみようか?
幸いエディアスの魔力は幼い頃から慣れ親しんでいるし、魔力探知自体コツさえ掴めばちゃんとできるようになるはず。
追いかけながらエディアスの魔力を探そう。
転移魔法の練習にもきっと繋がるはずだ。
そうして俺は必死に後を追いかけた。
街には携帯食料の補充などで寄るくらいで、他はできる限り野宿をしながら馬を掛け移動を続ける。
早く追いつかないとエディアスが戻ってきてくれない気がして不安だった。
プロポーズに頷いてはくれたが、エディアスはなんだかんだで兄であるジオラルドの支配下にあるのだと痛感してしまったからだ。
常に兄の為にベストを尽くさねばと過ごしてきたせいで、口でなんと言おうと勝手に身体が動いてしまうのだろう。
俺と一緒にいるよりあっさり兄の元に戻ったのがいい証拠だ。
物理的に引き離さないとこのまま永遠に利用され続けてしまう。
この機を逃すのは悪手だ。
国外追放になったジオラルドとエディアスを引き離すのには今このタイミングがベストだし、何がなんでもエディアスに追いついて、早く捕まえなければならない。
互いに兄とは距離を置き、二人で幸せに暮らしたい。
(後一歩なんだ)
学園卒業まであと二年残ってはいるが、俺もエディアスもやろうと思えばスキップで卒業はできるはず。
さっさと卒業して領地で新婚生活を送りたい。
そんな本音を抱きながら、俺はエディアスの温もりを思い出す。
1年かけて俺色にすっかり染まりきった身体は俺が教えたように反応を返し俺をただただ悦ばせる。
他の誰も知らない俺だけのエディアス。
盗賊達の手で穢されずに済んで本当に良かったと実感する。
そうだ。その盗賊達にはきっちり引導を渡してやらないといけないのだった。
情報収集はしておかないと。
そう思いながら途中の街で兵の詰所に寄った。
「すまない。直近で盗賊が出たという情報はないか?」
「この辺りじゃ聞きませんね」
「盗賊と言えばもっと国境近くで大量に処理されたって聞きましたよ?商人が目撃したらしいんですが、なんでも偶々魔力の高い高位貴族を襲おうとしたらしくて、風魔法でバッサリ。現場は酷い有り様だったらしいです」
それを聞き、どうやらジオラルドがやらかしたらしいとピンときた。
恐らくエディアスが盗賊達のところから逃げ出した後、盗賊達はエディアスが元の場所へと逃げ帰ったのだと判断したと思われる。
そしてエディアスを追うようにそちらを襲撃し、ジオラルドが怒り狂って魔法で全員殲滅しにかかった。多分そんな感じだと思う。
ジオラルドはエディアスを好きに使うが、本人的には可愛がっているつもりなのだ。
服の共有をやめてやって欲しいと俺から言いに行った際、『仲の良い兄弟はどこもそんなものだと聞く。特段珍しい話でもないだろう?いくらアリスト殿下がエディアスと恋人同士でも、くだらないことで俺に嫉妬するのはやめてほしい』と全く悪びれる様子もなく言い放った姿に愕然となったのを昨日のことのように思い出すことができる。
あれは天然で傲慢なのだ。
腹が立ったから『それではエディアスに俺好みの服を着せられないだろう?』と言ったら、初めて『その時はアリスト殿下が指定した服だと言ってもらえたら考慮くらいできる。馬鹿にしないでもらいたい』と言い放たれた。
本当につくづく腹立たしい男だ。
とは言えそんなジオラルドが、可愛がっているエディアスに手を出した盗賊達を許すはずがない。
そしてその後エディアスが俺の元から戻った後、いつものように後始末をさせられたと思われる。
(あ~本当、イライラする)
エディアスをいいように使っているだけのくせに、エディアスを独り占めするジオラルドが俺は大嫌いだった。
誰でもいいからあの男を引き取ってくれないだろうか?
そう思ったところでふと、隣国サザナードの王太子の顔が頭に浮かんだ。
(これだ!)
そう思い、俺はすぐさま手紙を書いて超特急便でそれを送った。
あの王太子ならきっとジオラルドを上手く使ってくれるはず。
そうほくそ笑んで、俺は半ば安堵しながら意気揚々と再度馬を飛ばした。
その頃追っ手の方はと言うと────。
「まだ城を出て数日だろう?!一体どこに消えたんだ、アリスト殿下は?!」
「隊長!この街にも殿下の目撃情報はありませんでした!」
「ご友人のエディアス殿を追って隣国に向かっているのは確かなようですが…」
「先日の街では物資の補給をなさった様子はありましたが、宿泊をしたと言う形跡はどこにもありませんでしたし、余程飛ばしておられるか、もしくはルート違いで追い抜いてしまったのでは?」
「それはないだろう。もっとよく探せ!陛下のご命令だ!」
そうして捜索部隊をいくつかに分け各街々で聞き込みをしながらアリストの姿を虱潰しに探していたが、一向に情報は集まらず、捜索は難航していた。
「くそっ!おい、行くぞ!次の街だ!」
次はそこそこ大きな街だ。
そこに滞在してくれているといいのだが……。
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