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第六章

二十九話 【ダンジョンへ】

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モモを起こし、朝食を摂る。

味噌漬けの豚肉と、納豆、お新香、お味噌汁でご飯を食べる。

テントを収納し倉庫を片付け、ミチャンの所へ鍵を返しに向かう。


店に行くとミチャンが現れ、

「お、鍵か、じゃもう行くんだな! 気を付けて行って来いよ、良い物が出たら高額で買取ってやるからな!」

帰って来いよって意味なのだろう。

「ええ、また戻ってきたら倉庫お借りしますので!」

ちゃんと帰って来ると伝わった様で、笑いながら手を振るミチャンと別れる。





ギルドに着くと、一気に静まり返る。

昨日の今日だ、仕方ないと思っていたが、みんな憧れの英雄でも見る様な眼差しを向けていた。

冒険者は強者を好むか……

嫌われた訳じゃ無くて良かった。

受付で許可証の事を尋ねると、ギルド長のトルトが現れ、

「申請書にチーム名が無かったので、悪いがジビカガイライで再登録させてもらいました。コレが許可証です」

と、黒いプレートを渡された。

プレートにはジビカガイライの文字と、みんなの名前が書かれていた。

残念だが、クロの名前だけ無かった。

「ありがとうございます! ジビカガイライで問題ありません」

正直スワロが居ない今、名前を変えても良かったが、何処に行ってもこの名前に噂が付いて回る。

ヒソヒソと……

「いえ、こちらこそ、妙な噂でご迷惑をお掛けした様で」

ギルマスの目線の先には昨日の男が、ミイラ男になってこちらを震えて見ていた。

いや、その場にいた全員が惣一郎に注目していた。

「いや、慣れました」

大声で笑う、ギルマスの声だけが響く。

「お気を付けて! 以前も言った様に謎が多い場所です。決して油断だけはしない様に」

惣一郎は返事の代わりに頭を下げ、ギルドを出る。



表に出た所に、バオとビルゲンのふたりが立っていた。

「申請書にはクランで申し込んで無いので、あくまでも同行者だがいいのか?」

バオは真剣な顔で、

「はい! 同行者ですが、出来る限りお手伝いさせて頂きます」

ビルゲンもコクコクと頷く。

じゃ行って見ますか!っと軽いノリでダンジョンに向かう惣一郎に、新たな仲間が加わった瞬間であった。




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