転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第4章 10歳王都編

4.1.1 ブルンスワードへの移動

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あれから1週間後。
体調も万全。力が戻ったので、エイミーとバーニィに神格化を見せてみた。
神格化した状態で山に向けて火の鳥を撃ち込む。青白い火の鳥は岩壁にぶつかるとそのまま内部を溶かして直進しつづけた。
一発で直径数メール深さ数百メートルもの大穴があいた。
これ、やり続ければ山を貫通できるのでは?
そう思ったら、ガルダから穴を開ける目的なら聖獣の力を使うように言われた。
神格化と聖獣の力はほぼ同一だそうだ。
神の力をより多く使う神格化は危険らしく、なるべく使うなと警告された。
聖獣の攻撃は、術の負担が少なく神力が混ざった攻撃で神を相手にしなければ威力だけなら同等らしい。
そういうことで、ガルダの力で穴を貫通させて、イシスの力で綺麗にすれば穴を開ける事ができる。最後に硬化の魔法で硬くすればトンネルが完成する。
試しにガルダのブレスで穴を開けるとさっきと同等だった。魔力消費も少なく効率的だ。これなら確かに1週間ほど使えばブルンスワード領に到達するだろう。

ちょうど、10歳のお披露目を受けに行く旅を計画しなければいけなかったので、王都までの経路をいつも通りの経路ではなく、新しい道を通して山を通り抜けたコースで行きたいと主張した。
元の経路だとメリルディーナ公爵領に行く余裕が無かったが、中抜けして直接行けばメリルディーナ公爵領にも行くことができる。
日程内に移動できるならと、オブスレイさんとトシアキはしぶしぶこの案を了承し、全体の計画を練り直していた。

では前準備と、穴を開けに行く。
聖獣ガルダによる攻撃は非常に魔力効率が高かった。繰り返すことで僕とガルダのつながりが強くなるらしく、撃つほどに効率があがり威力も数も増えた。
ガルダの攻撃で岩に穴を開け、イシスの水龍によって綺麗に整える。穴の周りを硬化の魔法で補強して完成だ。
「魔法ってすごいよね。こんな工事を人の手でやったらどれだけの期間と人数が必要だったんだろうね」
「いえ、ジルベール様だからでしょう。普通はこんなに簡単に工事は終わりませんよ」
そういうバーニィも途中途中に残された巨大な岩を無詠唱で簡単に壊していた。

そうして、5日ほどで想定していたよりも広くて綺麗なトンネルが完成した。
それからトンネルまでの道を整備して出発の期日になった。
 中央に提出した行程が承認されたので、僕らは予定通りに、大型の馬車が2台に護衛を伴ってブルンスワードに向けて出発した。

 今回の旅が護衛の最後になるバーニィ。同じく侍女としての最後の仕事になるレティーシア。
エイミーとティアマトは黒狼の太郎に乗り、僕は護衛も兼ねている白銀の狐に戻ったコハクの背に乗る。
 それに、オメガさんオブスレイさん、トシアキにティアマト。
 スライム魔獣のラズベリー。予備の馬も連れているので結構な大所帯での移動だ。
 実際には荷物の大半が僕のマイストレージに入っている。それに全員がマジックバッグを持っているので本当は荷物が少ない。実は見えている荷物は箱だけで中身が入っていないのだ。まあ見栄かな?

 山に入りトンネルを抜けるまでは道も整備していたので順調だった。だがトンネルと抜けた反対側はブルンスワード領。まだ道は作っていないので馬ならばまだしも馬車では進むことができない。なので、先頭を聖獣イシスが巨体で道を作りながら進む。
 ガルダのブレスで一発なのだが、それをやると山火事になるのでダメだ。

 そうして、森の中を抜けると道らしきものが見えた。それに合わせて、イシスを聖獣から妖精体に戻す。
トンネルを抜けて丸1日進み、ようやく最初の町を発見した。
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