転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第4章 10歳王都編

4.7.6 夜の会食

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新作始めました。
「神様なかなか転生が成功しないのですが大丈夫ですか」
ギャグぽく始まってますが、ギャグではありません。お暇な方はぜひお読みください。

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「じゃあ私から」
 スザンヌ様が最初に手を挙げた。
「エレノアもできるだろう、男性の方頼むよ。特に王子様。どうせなら、僕は女性の方が良いや。ニナはマリアテレーズ様と一緒にやってごらん。二人とも魔力操作のレベルが近いから二人で魔力を引き合ってごらん、外から魔力を動かすコツもつかめるはずだ。同じ動きを続けるだけでは、なかなか魔力操作のレベルが上がらないんだ。エレノアの魔力操作レベルはそれで一気にあがったから、きっとそういう変った動きを取り入れるのが魔力操作のレベルを上げる方法なんだと思う。試してみて」

 僕は、第1王女の両手を取る。剣を良く振ると言うだけあり手のひらは少しだけごつごつとしているが、僕と比べると白くて細く、小さな綺麗な手だ。
 彼女の右手から魔力を流しこみ、全身に魔力を薄く広げながら左側から魔力を戻す。僕の魔力につられて、ゆっくりと第1王女の魔力が動いていく。10分ほどで全体が均一になった。
「今、全身が薄く魔力に包まれています。この状態を覚えて自分の魔力操作で継続してください。じゃあ次のひと」
 そう声をかけ、サフィーナ様、ルシアナ様、アナスタシア様と魔力操作を続けた。
 エレノアは王子から初めて、第1王子、第2王子と3人の魔力を操作してくれた。後の公爵家の男子は僕が担当した。

「では、最後に金眼の方だけ試したいことがあるので、まずはスザンヌ様手を。
魔力を広げた後、目に魔力を集めます。
では始めますよ」
 徐々に目の周りの魔力が濃くなった。
「どうですか、目の前に何か出てきませんか、鑑定の文字とか」
「え、鑑定、そんな物はありま、…
あれ、何か、… あります、なんだか変な文字が浮き出てきました。えっと有効、無効と出てます」
「じゃあ有効にしてください。思い込んで変わらない場合は見えている辺りを指で触ってみてください」
「あ、変わった」
「どうですか?」
「ジルベール様の名前が出ました。ああ、他の人もです」
「やっぱり。鑑定のレベル1の能力ですね。人の名前が表示される。やっぱりか。じゃあ右眼の金眼が無詠唱で鑑定。確定かな」
「え、ほんとにって、確かに」
「じゃあ、あとは自力で練習してください、次は第1王子行きましょう。左眼の金眼は魔力の可視化のはずです。魔力が可視化できれば魔力の流れを眼で見れることができます。魔力操作の結果を直接眼で確認できるので、レベルが上がりやすくなります。それに詠唱の魔法の魔力の流れを見れば、無詠唱での魔法を再現しやすくなります。
鑑定は、レベルが上がれば相手の名前以外にステータスを見れるし、得意不得意。使える魔法の種類、身体強化レベルが見れます。剣の流派を見る事もできる。金眼の能力と言っても、それだけでは大したことではありません。でもそれを使って戦闘を有利に運ぶこともできる。せっかく使えるなら使いましょう」

 3人の王子に、カルスディーナ公爵家のダリウス様、オレリアン様、クリシュナ様。それにオルトディーナ家のブルータス様、ルシアナ様、サフィーナ様と全員に試していく。
 金眼の能力は一度意識すれば、あとは自然と使えるようになるはずだ。金眼を使うのは身体強化よりも難しくない。実際に僕はもっと小さい時から金眼を使っていた。身体強化は動きながら魔力を全身に広げ、かつ眼に魔力を集めなければいけない。身体強化は動きながら消費して消えていく魔力を常に満たして行かなければならないので大変だ。
 身体強化は、2種類の方法がある。一つは、トシアキが最初に使っていた身体強化の方法だ。魔力を全身に広げるのではなく、足、腰、腕の関節部分に多めに魔力を集めておいて関節だけを強化する方法だ。最初に流してためこんだ魔力の分だけ身体強化が使える。もう一つはエイミーが使っていたように全身に魔力を広げ、消費した部分の魔力をどんどん追加し途切れないようにする方法だ。
 トシアキが行っていた部分強化の方が習得しやすいが、全身強化の方が体への負担がすくなく力も効率的に出せる。どうやらこの辺りでの身体強化は前者が広まっていた。だから身体強化ができるようになった大人でも金眼を開眼できていなかったのだろうか。

「最後に、仕上げをしましょう、みんな手を繋いで、話をしていて良いですよ。僕が全員に魔力を流します」
 輪になって皆で手を繋いでいく。僕の右側がマリアテレーズ様で左側がスザンヌ様だった。エレノアを中間に配置して魔力を流し始めた。
 そして30分ほどのんびりと世間話をしてその日は終わった。

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