転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第4章 10歳王都編

4.17.1 クロスロード到着

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 翌日の朝、男子全員で稽古をしてから、湯あみをし綺麗な服に着替えた。この後は領地への帰還だ。本当は次のロンドロードまでが予定されていたけどここで終了となったのだ。
 短くなったとは言え、皆が王都へ出発してからはかなりの時間が経っている。王都では両親や家族と会っていただろうが、他の人とは別れていた訳だし。
「ジルベール君は、会いたい人とか居ないのかい」
「ああ、もちろんいるさ」
 僕が途中で転移を使ってちょくちょく帰っていたのは内緒だ。

 転移門のある教会へ向かう。そこから順番に転移門で領地へ戻るのだ。王都に向かう時は王宮魔導士が魔力を供給してくれる。費用を安くする場合は、各領地にいる魔導士が。その場合は魔力の不足分を魔石を使って補充するそうだ。
 今回は、王都では無く直接領地へ向かうのでこちら側か、行く先の領地側が魔力を供給する。残念だが、領地側は先に保護者が来た時に魔力を使ったばかり。
 そこで、誰が魔力を供給するのかと言うと、ここに王宮魔導士が来ているので彼らが担当するのだろうか。
 魔力的には2回送れるはずだが、ここに居るのはもっと多い。
「僕の魔力量が多いのはばれているみたいなので、僕が魔力を供給しますよ」
「足りない分をと言うことかね」
「いえ、全員送っても大丈夫ですよ」
「1回の作動に王宮魔導士5人分の魔力が必要なのだぞ」
「バーニィなら一人で1回起動できますよ」
「ふむ、解った。では君達を最後に送るのに我々の魔力を使おう」
「いえ、自前の転移で帰ります」
「そんな事が可能なのかね」
「ええ、ティアマトなら好きな場所にある範囲内の物を全て転移で移せますが、僕は決まった所に手に触れている物しか転移ができません。馬車は空間魔法に入れて馬と人だけの移動ですよ」

 そういう話し合いを昨日の夜にした。

「では、最初はマリンワードでしたね」
 そうして、皆を送り出す。

「マリアテレーズ様、コハク、お元気で。来週には王都に会いに行きます」
 最後にマリアテレーズ様とコハクと一緒に来た侍女達を転送させた。
 カルスディーナ公爵やクレイマー様達は、まだここでの仕事があるので残るのだ。

「じゃあ僕らも帰ろう、バーニィまたね」

 転移先は、クロスロードの庭だ。

 クロスロードの領主館には自分の部屋と庭に転移できるようにしてある。今回は馬達がいるので庭に転移したのだ。

「クロスロードよ。俺は帰って来たぞ」
 意味も無く叫び、右手を上げた。

「ジルベール様は先週も帰ってましたよね」
「トシアキ、こういうのはお決まりなんだ」
「そうなのですか、聞いた事がありませんけど、お友達情報ですか」
「まあそうかな。ところでトシアキとエイミーも報告に付き合うんだよね」
「え、ぼくは行かないよ。トシアキが居れば良いでしょ。さあ、太郎。久しぶりのクロスロードだぞ。まずは領内を一回りだ」
 エイミーは、太郎にまたがりさっさと行ってしまった。
「ジルベール、われは少し疲れた。魔力を使いすぎた、休ませてもらうぞ」
「あ、ありがとう。ゆっくり休んで」
 ティアマトは部屋へと戻っていった。
「しょうがない、レイブリング父様が先に帰ったのだから事情は伝わってるはずだし、まあよいか、たぶん怒られないよね。うん大丈夫問題ない。じゃあ行こうかトシアキ」
「ジルベール様お一人で行かれても良いのではないですか。もう10歳の儀も終わったのですから。お一人で報告されても良いと思いますよ」
 げ、裏切りだ。
「いやいや、まだ10歳だし、大人の意見も必要だと思うよ」
「いえいえ、普通の10歳は海賊船を取り押さえる事はできませんよ」
「一緒に行きたがらないって事は、事前にレイブリング父様から怒られ案件だって聞いてるってことだよね。ここで逃げるなんて、トシアキだけは僕に付いて来てくれるって信じてたのに」
「はぁー、それをこんな時に使いますかね。どこまでもご一緒しますよ」
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