転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第5章 シドニア訪問編

5.4.1 シドニアへ

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 いよいよ出発だ。シドニアに向かう者達はこのまま移動の部隊に合流するが、帰る者は王都に帰る。
 マクシミリアン殿下とアナスタシア様。ンジェリカ様とマイアーロッセ様、シュミット様、それにニナシスティも王都に帰還する。あとは侯爵家のグレイ様、ロベール様、イザベラ様も帰還される。
 クリシュナ様とエレノアはフィリップ王子の婚約者候補として付添いだ。イザベラ様は婚約者候補を正式に辞退したそうだ。どうやら今回の訓練の中で相手をグレイ様に決めたらしい。
 ちなみに、サミュエルはこのままクロスロードで地獄の特訓が待っている。
 
 そして、僕の馬車にはスザンヌとマリアテレーズ、そしてコハク、当たり前のようにティアマトも乗っている。
 ティアマトは、前回の襲撃事件の時に魔力をたくさん使ったので、しばらく冬眠のようにおとなしくしていたが、ようやく魔力が回復したらしい。
 竜の総魔力量は人間の10倍以上と爆発的に多いが、その代わりに回復速度は人間と比べて非常に遅い。今回使った大きな魔法は、小規模なブレスが1回と転移が2回。それだけでも全回復まで二月ほどの期間が必要だった。
 竜は最強ではあるが長期戦には向かない。人が戦う場合物量で攻めているがあながち間違った戦い方では無いと言うことだ。
 翼を使って逃げられない限りになるので、倒すなら翼を落とさなければ勝機はないが、一度逃げれば数か月は戦うことは無い。同じところに戻ってくることも無いので一度撃退さえすれば問題ないのだ。
 エイミーは太郎に乗って、トシアキは馬に騎乗し、馬車の近くを護衛している。
 お偉い様も沢山いるので、非常に長い馬車の隊列。これだけの隊列があると盗賊如きが襲ってこれる量ではない。大きな部隊が引き連れていなければ無理だ。
 そんな大きな部隊は目立つので少なくとも進行方向に敵は居ない。
 旅は順調だ。
 通常はこれだけの部隊だと、馬の餌を含め様々な物資をかき集めながら移動することになる。特に水場が定期的に必要になり、自然と進行速度が遅くなる。だが今回は大量の物資をアイテムボックスに入れてあるので、通常よりもはるかにスムーズに部隊が進行している。
 クロスロードの隣は王家直轄のゴヤロード。その先がシドニア王国。少なくともクロスロードからシドニアまでの道は整備されているので、昼からの出発ではあったけれど順調にゴヤロードに入り、予定していた宿場町に入ることができた。
 ゴヤロードは王家直轄なので領都が無い。大きな町は3つ。クロスロードとヤンロードの分岐となるこの町、シドニアに入国する為に作られた町。最後に森の手前に冒険者が魔物を退治する為に集まる町だ。
 今回は森の近くの町には行かない。明日、入国前の町に移動し手続きを行い、明後日が入国だ。
 
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