転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第5章 シドニア訪問編

5.14.3 シドニアからの帰還

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 ティアマトを連れて王都に戻り、3日後に陛下を迎えに再び国境へ移動し、また戻る。
 僕はコハクから教えて貰い薬を作っている。
 マリアテレーズが作った方が良いのだけど、彼女は皆と一緒に教育中。
 
「う、くさい。これほんとに毒じゃないの?」

「毒ですね。一般的には。ジルベール様も毒無効化のスキルがあるみたいですけど飲んではダメですよ」
「いや、これは飲めないって。ティアマトは良く飲んだな」
「これを入れて混ぜれば匂いが薄くなりますよ」
「まだ混ぜるの?」
「薬はこうしてゆっくりと処方する物です」
「ティアマト様には、あまり飲まないように言っておきましょう。量を飲めば竜と言えども毒の効果が表れます。それにこれを飲むと脱水効果があるようです。水分を多めに取らないといけません」
「そうなの」
「まあ、毒の対処として大半の毒は水分を多くとることが有効です。こちらは利尿作用が高いので、多めに取った方がよいでしょう。ちょうど彼らへの薬に使えますね。薄めて少し混ぜましょう」
「人にとっては毒じゃなかったこれ?」
「薄めれば薬、濃くすれば毒。大半がそうですよ」
「ふーん」
「ですから、薬は量を守らないといけないのです」
「回復魔法の方が楽なんだね。さすが魔法」
「薬は聖女以外でも作れるし効果もありますよ」
「まあ、そうか」

 そうして、薬を作り、終わるとアンジェリカ様の手伝いをしているフィリップ王子を手伝う。
 今回の旅は暇だ。
 自分が主で動いているわけじゃないから、忙しくない。
 もしかして、今まで頑張りすぎてたんだろうか。

 いや、国王陛下は忙しい。その原因はファールじいちゃん。
 ファールじいちゃんは、自分を基準に仕事を割り振ってる。
 誰もあのレベルで仕事ができるわけない。だから、周りが忙しい?

 そうすると、僕が忙しかった理由。そして今、ちょっと暇な理由。
 リリアーナ母様も一緒?

 そうして、国王陛下の仕事が落ち着き、明日いよいよラルクバッハへ戻るのだ。

 そして、今夜がエリンにお世話をされる最後の日。
「僕らは明日、ラルクバッハに戻るけど、エリンはどうなるの?」
「はい、来週から学園が再開するそうなので、その時に学園に戻ります」
「そっか。大変だっただろうけど、それをチャンスに変えられたのは良かったと言うべきなのかな」
「そうですね。コレットさんを含めて先輩たちが優しいのも解りましたし、卒業してしばらくはこちらでお勉強をさせて貰います」
「その辺はあまり僕が関わらなかったけど、ちゃんと決まったの?」
「はい、半年から1年こちらで働いて、そのあとラルクバッハの王宮でお仕事をします。ジルベール様が学園に入るまでには専属になれるように頑張ります」
「ちなみに、私のことをドジっ子でダメダメちゃんと思ってたみたいだけど、エリンと一緒にラルクバッハの王宮に行く権利は私も勝ち取ったんだよ」
「え、コレットが。なんで?」
「なんと、フィリップ王子の専属候補なのです」
「あ、そうか。フィリップ王子卒業後にこっちに来るから?」
「その辺は解りません。エミリア妃に気に入られたのです。私の魅力は通じる人には通じるのです」
 エッヘンと無い胸を……
 なるほど、エミリア様は愛玩動物系が好きだからな。
「そういうわけで、この後はロマーニャ様のところでエリンと一緒に教育を受けるのよ。だからエリンには負けないわ」
「なるほど、じゃあ侍女長からの指導、頑張ってね」
 
 ガッツポーズをしたコレットは、少ししょげていた。
 どうやら、そろそろ先輩としての緊張が切れ怒られたのだろう。
 コレットのドジがエリンに移りませんように。そう女神様に祈っておこう

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