転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第6章 新しい命

6.1.1 婚約式の前準備

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 シドニアから戻ると予定通り婚約者の発表が行われる式が予定されていたのでその準備に向けて忙しい。
 婚約式への出席者の連絡が届く中、変わった連絡が入っていた。
 それは、エルドラ王国からの連絡だった。いや連絡自体はだいぶ前に来ていたらしい。準備を終えて、報告だけがされたと言うべきか。

 エルドラ王国はエイミーが剣の修行に行っていた国だ。
 その国からの参加者は王族が1名と侯爵家からの参加者が来るそうだ。
 連絡は、参加者に護衛として付添う一人の剣帝からだ。
 内容は、この婚約式の前座として、エルドラ側の剣王、剣帝の昇格試験も行うとの内容。そしてその場で、エイミーの剣帝、そして僕の剣王への昇格試験を行うらしい。

 いままでも何かのイベントで剣王を昇格試験をやったことはあるそうだ。
 今回はそれに剣帝の昇格試験も加わっている。
 剣王の昇格試験は剣帝が1名と、剣王が2名以上いれば実行可能。
 剣帝への昇格試験は剣帝以上が2名と剣王が5名必要だそうだ。
 剣帝以上の位を持つ人は剣神と、少し前まで剣帝は5名も居た。
 それが、昨年の秋、冬と立て続けに任務中に死亡。現在2名に減っているそうだ。
 残された剣帝は、エルドラに1名。残りはシドニアに居るステパンなのだ。

 エルドラ側は、すぐにでも剣帝を受けられる実力者を剣帝として昇格させたい。
 それには、ステパンを呼び戻す必要があったが、シドニアとエルドラは非常に遠い。
 ステパンがトルステン様を主としてからあまり時間が空いていないのにエルドラに戻すのは傭兵家業を生業として生きて来た者達から反対意見があった。
 そこに、新年をすぎてすぐに半年後にラルクバッハで婚約式があり、エルドラの王族が参加するために護衛の依頼が届いた。
 ステパンが主事しているのは公爵家。打診すれば参加者になる可能性が高く、もし参加しなくてもエルドラに戻るよりははるかに距離が短いため、ステパンをラルクバッハに呼ぶことにした。
 そして、ラルクバッハに試験会場の貸し出し、そのかわりにイベントして見学の許可を出した。
 ついでに、エイミーの腕が上がっていると聞いたので、昇格試験を受ける許可を出した。
 その後、春にはエイミーに連絡があり、彼女が剣王として僕が昇格試験を受ける推薦をしたらしい。
 というわけで、会場も日程も決まった状態で僕に連絡が来たそうだ。

 調整後に、他国にもそのことは連絡が行き、エルドラの王族は参加者が一人だが、過剰な戦力を連れて行くが、戦争に行くわけではない。希望があればラルクバッハでの各国の王族や高位貴族の護衛を引き受けるという旨の連絡がされていたそうだ。
 それとは別に、剣帝から僕とティアマトの会談を希望すると書かれていたと教えてくれた。

 ティアマトは僕らと別に、いまだにシドニアにいる。
 王宮の文官に頼まれて、彼女の元に手紙を渡しに行かないといけない。
 そういう訳で、手紙を持ってシドニアに転移。密封された手紙をティアマトに渡した。

 彼女は手紙を開きさっと中身を確認した。
「この名に覚えは無いが、どうやら私の旧知と深い関係があるようだ。会談は受けよう」
 ティアマトによると、100年程前にエルドラに行ったことがあるそうだ。その時に当時の剣神に剣を教えて貰ったらしい。
 なので、現在の剣帝は知らないがこの剣帝は100年前の剣神の関係者らしい。

「エイミーとジルベールは試験を受けるのか。ジルベールは朝の訓練を続ければ問題は無いが、エイミーは二人の剣帝との実戦か。ジルベールは準備で忙しいのだろうから、私が訓練に付き合おう」

「じゃあ、ティアマトは戻れるの?」
「ああ、アルマイクがこちらの兵士たちに受け入れられているようだからな」
 アルマイク?
 ああ、あの確かあの若い竜さんのことだったかな。
「明後日にはそちらに戻るとエイミーに伝えておいて欲しい」
「うん。わかったよ」

 そして僕は預かっていた物資を置いて、再びラルクバッハに転移で戻った。

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