転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第6章 新しい命

6.4.5 婚約のお披露目

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「何が起きたのだ、ジルベール」
部屋を移動して陛下が僕に話しかけて来た。
「スザンヌの予言通り、暗殺者が現れました。神具を使って姿を隠して近づき、魔法をすべて解除。魔法に頼らない武器として銃を使って暗殺をしようとしたようです。普通であればコハクの絶対防御が解除され、僕が追加でかけようとした魔法も発動しなかったはずなので陛下の暗殺に成功していたと思いますが、シルビア様とエイミーが『光の剣』と言う技を使って止めました。僕は死体を素早く回収。使っていた神具も回収してます。あと、途中に神具で隠蔽した存在を断定させないようにするために何かをばらまいていた感じがしたので、ティアマトに探してもらっています。鑑定を使いながら探せばわかると思うのですが」
「シドニアでの事件に続いてまた神具か。良くもそう神具が出てくるものだ。ジルベール、見せてくれ」
 オルトディーナ公爵が手を出すので、神具をストレージから出して渡した。
「これは見たことがある。こちらはアルファンス王国が持っていた神具。こちらはエルドラの神具だ」
「見せて見ろ、私も少しだが鑑定が使える」
 カルスディーナ公爵が手に取って神具を調べた。
「隠蔽の腕輪と、破邪の腕輪。本物なのか?」
「破邪の腕輪は見たことがあります。私に見せてください」
 魔力回復薬を飲んで、軽めの回復魔法を使ったので、シルビア様は動けるようだ。
「確かに、これはあらゆる魔法を解除し、追加の発動もさせない破邪の腕輪。エルドラの国宝がなぜこの場に?」
「では、これもアルフォンス王国の国宝、隠蔽の腕輪である可能性が高いか。サークリンド王子が見たことがあると思うか?」
「いや、そう簡単に見れる物ではない。我が国にある神具も王太子であるルカには見せておらん。おそらく扱いは一緒だろう。成人の後ならば見るやもしれんが」
「ではルビースカリナ様はどうでしょうか?」
「ここにシドニアの者を呼ぶのはまずかろう」
「では執事は?」
「数20年程前に公開されていた時であれば我らが見た時と同じだ。こういった神具が複数あると思えん。アルフォンス王国の国宝であると想定して動けば問題なかろう」
「神具って魔力が多い者に対抗する道具ばかりなのですか?」
「ジルベールは神具のことはあまり知らんのか?」
「そんな文献みたことありません」
「まあ、そうか。文献に残すことが禁忌だからな。我が国にある神具は聖剣だ。初代様が使っておられたと言われておる。魔法防御を切り裂くことができると言われておる」
「そんな物があったのですか」
「起動に膨大な魔力が必要だから使う者は居なかったが、そなたは使えるだろう、そなたが成人する時には下賜しよう」
「陛下、また勝手にそんな約束を」
 カルスディーナ公爵が神具を僕に渡しながら陛下を諫めているとドアが開いて女性が入って来た。
「ジルベール、見つけたぞ。だが、単なる魔石にしか見えんのだがこれで合っているのか」
 ティアマト部屋に入って来て、袋から魔石を2つ取り出して僕に渡してくれた。
 鑑定で確認したところ、2つは別々の人が魔力を込めた魔石のようだ。
「魔力の大半は使われた後。空に近いただの魔石ですね。これが魔力検知をごまかした時に使われたのは間違いなさそうですが、どう使ったのかはさっぱりわからない。謎が深まっただけですね。どうしましょう。ティアマトは隠蔽の腕輪と、破邪の腕輪のことをしっていますか」
「神具か、我はあまり魔道具と言った類には詳しくない。竜の地はあまり魔道具がないのだ」
「そうでしたね。しょうがない。では、死体に聞いてみるしかないですね。どこに出せば良いですか?」
「死体に聞く? そなた遂に死体から情報を取り出す魔法を習得したのか? ジルベールは精神系の魔法は使えなかっただろう」
「はい、精神系の魔法は使えませんが、もしかしたら切り口があまりにも鋭いので死者蘇生の魔法で生き返るかもしれません」
「死者蘇生だと、聖女すら使えた記述はないぞそのような魔法」
「はい、女神さまから頂いたのですが、使う機会が無くて。なので自信はありません」
「まあ良い、やってみろ。 ああ、死体はここにおいてくれ」
 オルトディーナ公爵が部屋にあった、大きな会議机を指してそう言った。

「じゃあ、エイミーが切った方から」

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