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【17】最強ブロガー
④
しおりを挟む「うーん……」
その時、パスタとサイコロステーキが運ばれてきた。話を一時中断して由唯がパスタを2人のお皿に盛ってくれた。和希がサイコロステーキを口に入れると、とけるような柔らかさに思わず舌鼓(したつづみ)を打った。パスタはもちもち感の歯ごたえが絶妙によくて和希と由唯は絶賛し、3人は言葉もなく黙々とパスタとお肉を味わった。それに加えて澪のオーダーした赤ワインが、パスタとお肉に最高にマッチしている。ふだん、ワインをあまり口にしない由唯も2杯目に突入した。
「料理も最高やけど、ワインがすごく料理に合ってる! ついつい飲み過ぎてしまうわ。なぁなぁ? 顔真っ赤になってない?」
由唯がほっぺたを両手で押さえながら和希に聞いた。
由唯の顔をじーっと覗きこむとニコッとして、
「少し赤いけど全然大丈夫やで! 気にするな 笑」
「ほんまに? 適当に言ってるやろ? ほっぺたこんなに熱いのに赤くないはずがない」
今度は澪に触ってーと、ほっぺたを突き出した。笑いながら由唯のほっぺに手を添えると、ほんまやな! でも熱いけどそんなに赤くなってないよ。と言った。
「そうや! さっきの話の続きやけどな」
和希がさっきまでの話を思い出し、携帯を取り出した。
《さっちゃんの食べて~!飲んで~!間違いのないお店》というブログを見つけた話と、澪もSNSで発信すればいいんじゃないかと話した。
画面を覗き混んでいた由唯が吹き出すように大きな声で笑った。
「『食べて~!飲んで~!』って澪みたいやん 笑」
「しかも、このブログのフォロワー数見たら凄いねん。40万人もおるねん」
そう言ってポチポチとお店の紹介画面を順番に閲覧していった。紹介されているお店は天満を中心に梅田、京橋辺りのお店が多く、たまに京都や兵庫のお店が紹介されている。
「紹介されてるエリアも天満近辺が主で限られたエリアしか紹介していないのにフォロワー数40万人って凄くない? さっちゃん最強ブロガーやな!」
和希は、ブログに投稿された最初のお店から見直した。
「このお店って……」
由唯と澪が和希の携帯を覗き込むと、そこに紹介されていたお店の名前は【ROKU】だった。
「えっ?」由唯と和希は澪を見た。
和希は【ROKU】をクリックした。
お店の紹介されている写真に写っている男性を見て由唯が「あれ?」と声を出した。
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