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【18】ドリームカムトゥルー
②
しおりを挟む澪は、濃厚なチョコレートと ピスタチオのジェラートとケーキ、由唯はスウィートポテトと バニラのジェラートとケーキ、和希はブレンドコーヒーだけを注文した。
和希は(さっき、デザートプレートも食べたのにホンマに別腹やねんなぁー 笑)と心の中で笑った。
「なぁなぁ? 週末に美味しい料理求めてエリア広げて食べに行くんやったら俺も誘ってーや! 俺も独身になって暇やから」
「あははははは」
由唯と澪は大きな声で笑った。
「ありがとう! 助かるわ~! 今度からそうするな。今日は2人と話せてよかった。これからは遠慮なく誘わせてもらうわー」
「オッケ~!」
「よし、景気付けに歌いにでも行くか!」
「あははは。和希が歌いたいだけやろ?」
由唯が店員に「お会計」と言って支払いをしようとすると、和希も財布からお金を出そうとしたが、由唯と澪から「和希は今日はいいよ」と言われ、和希は2人の気持ちが嬉しく「ありがとう。次のカラオケ払うわー」と言って3人はお店を出た。カラオケは歩いて数分の行きつけのお店だ。
「今日はフリータイムで朝まで歌うで!」
和希が言うと、澪が
「この前泣きながら和希が歌ってた以来やなぁー」と、言うと和希は嫌な顔した。
「なんのこと? そんな昔のこと忘れたわぁー」
澪と由唯は顔を見合わせて笑った。
部屋に入ると和希は「景気付けに歌うでー」と言ってウルフルズの《ガッツだぜ》を歌い始めた。
由唯はZARDの《負けないで》を入れる。そうすると澪も負けじと安室奈美恵の《HERO》を入れる。
この夜は元気や勇気が出るシリーズで歌いまくった。
「やったるでー‼︎」
澪は、自然に前向きな言葉が出てくる自分を不思議に感じた。和希は身振り手振りで気持ちよさそうに歌っている。由唯はタンバリンを持って高速リズムを刻んでいる。
(お~! 由唯かっこいい!)
和希もタンバリンを叩いてみるが由唯みたいに上手く出来ない。
タンタンタンバン♪タンタンタンバン♪
「違う違う。和希1個多いし音が大きい……歌の邪魔になってる。こうやって出来へん?」
タタタン♪タタタン♪タタタン♪
「こうやん! 何でできへんの?」
由唯は首を捻った。
和希も上手く出来ない自分に首を捻った……。
とうとう和希はタンバリンを置いて、手だけ動かし練習をしだした。これは、タンバリンの素振りとでも言うべきか?
澪は2人のやり取りを見て爆笑していた。
(あー楽しい~! もっと早く2人に相談すればよかった)
澪は、3人集まると不安に思っていた事でも前向きになれるから不思議だなと思った。そして、かけがえのない仲間だなと感じた。
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