燃え尽きた貴族が10年後療養してたら元婚約者に娶られてしまいまして

おげんや豆腐

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完結編 月の獅子の目は彼の者に

三十話 未来への貯金をはじめようじゃないか

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 やる気が出て、さあ頑張ろう! 

 そんな気分になった僕だけど目をそらしてた問題がございまして、まあ、その、自分に対してだから使う言葉なんだけども、全体的に体力がカス。

いつかやる、今度やる、だから今はのんびりやろうの考えも悪くないしその考えを変える予定もない、だからこそ、後回しにしたツケはきちんと払わないとねということで、魔術教わるよってなった次の日。



一日目。


午前中、相変わらず外はザーザー雨が降っている、なので屋敷内をざっくり一周ウォーキングをテクテク、疲れた。

「早いな」

そしてそして、それだけだと当然足りないので、腕立て伏せ……できない! 

「腕の筋肉が足りん、壁に手をつきその状態で腕立てをしろまずは十回、そう、上手いぞ」

うん! 疲れた!

さて次は。

「午前の鍛錬は終わりだ、朝食にいくぞ」
え? もうおわり? もう少しうだうだ言いながらできるよ?

「そんな顔しても駄目だ、やりすぎは体を壊す」
「でもエウァルドさんとかがやってる鍛錬とかもっとすごいじゃん」
「あれは俺専用のものだ、いいか? 人には人の鍛錬、練習がある、俺ができるからと言ってニッキーができるとは限らないだろ?」
「……ワンチャンいけるかも」
「不可能だ阿呆、今の一セットで疲れているうちにはできん、理解できるだろ? 」
「えー」
いやまあできるにはできるけどさー? チャレンジって大事じゃん?

あとでこっそりやってみよ。


「念のため言っておくがこっそりやる暇なんてないからな? 」
「やだー、心読んだ? 」
「勘だ、四六時中一緒にいるだろうにどこに俺の目を盗む余裕があるんだ、んん? 」
「……まあ、チャレンジするね? 」
「何故ここで頑固になるのか理解ができんがそうだな、やるのは構わんが躊躇なく止めるからな? それでもいいなら好きにするといい」
「はーい」
結構な割合で呆れられているけど、拒否されていないのであればやりようがある、気がする。

たとえ企みが失敗しても、それをやった、やりたい時に生まれるワクワク感、スリル、心臓がドキドキする感覚はクセになる。


まあ、本当に迷惑になることだった場合全然クセにならないドキドキになるけどね、そのときは謝るしヤバいなって思ったら即中止する、これ大事。



昼食

お肉たっぷり野菜たっぷり、パンもたっぷり。
おいしい。


「……よく考えたらよー」
「なんですー? 」
「ニッキーサマの胃袋に収まった山のような飯は一体どこにいくんだろうなー、て」 
「それはもちろん、栄養になって筋肉に――「筋肉? 」エウァルドさんシャラップ」
「すまん」
「つまりはこれからの筋肉になるための貯金になるのです」
「ほーん……その貯金が見当たらねえんだが、まあいいか」
「そういう体質なんすよきっと」
訝しむ顔のアルゴスさんの言う通り、いくら食べてもあんまり体型が変わらない、女子なら夢見るような体質、だけど、そのことについてしっかりと、医学的に考えようとすると、頭の隅の隅でよく分からない警報が鳴る、気がする。

それが煩わしいから、ここで真面目な思考はおしまい。
食べたものを吸収できない? 内臓機能の疾患?
さあね? さあね? また後できちんと原因を探そう、今は先にやることがある、後回し。


せっかくイマが充実してきているのに、せっかく楽しくなりそうなのに止められたら夢が覚めちゃう、興ざめもいいところね。


さあ、ご飯を食べたらちょっと休憩してまた運動を再開しよう。



午後一番にまた屋敷内一周ウォーキング。

お手洗いを挟んでちょっとおやつを食べてさらに一周……の途中で疲れてそこら辺にあった椅子に着席。




一時間後。



「なんか……動きたく、なくなっちゃった」
よいしょって座って、それから、何もしたくないって気分になって……眠くはないけどぼーっとしたいみたいな。

どうしようか、おっと、お姫様抱っこで持ち上げられた?

おう、ちょっと呆れてる雰囲気のエウァルドさん。

「戻るぞ」
「へーい」
「いや、その前に風呂だな」
スタスタと歩き出したかと思えば止まった、謎。

「なんでー? 」
「部屋に戻ったらすぐに寝ようとするだろう、軽めとはいえ運動したうえに、湿気でベタついてる」
説明を終えるとすぐにまた歩き出した、歩くの早い
「かるめ? 」
「俺目線のだ、理解できるだろう?」
「うん、でもちょっとだけムカッときた」
「すまん」
「いいよー、でも今からお風呂用意するのって手間じゃない? 」
「あらかじめすぐに入れるように頼んである、心配するな」
「おー」
用意周到というか、あらかじめ行動が読まれてたというべきか、凄いなと思う九割、なんか悔しいなと逆ギレモドキ一割。

「今日のトレーニングは終わりだ、風呂に入って昼寝して、その後にアルゴスの授業を受けるといい」
「だねー」

命令されるのは嫌いだけど指示されるのは嫌いじゃない、ちょっと矛盾した思想を頭のなかでコネコネしながらぼーっとお風呂に入って、時間は午後三時、お部屋に戻ってベッドに寝転んで。


起きたら次の朝でした。




「授業の段取り組んでたんだが? 」
「ごめん」
アルゴスさんに怒られちゃった、落ち度こっちだから純粋に謝ろう。



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感想 24

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みんなの感想(24件)

日の丸扇
2023.11.12 日の丸扇
ネタバレ含む
2023.11.12 おげんや豆腐

ありがとうございます、修正しました

解除
雉虎猫
2023.10.20 雉虎猫

いつも楽しく読ませていただいてます。赤いモヒカンのおじさまって、ニッキーの叔父さんの婚約者様だったりして( *´艸)

2023.11.12 おげんや豆腐

ありがとうございます!

秘密です!

解除
ノア吉
2023.05.20 ノア吉

全くこの先が読めないのが面白いです!
王が動き出したということは何らかの前進?があるのやもと思いますけど、どーなっちゃうの?!が楽しすぎます笑

解除

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