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02-01 優しい前戯?*
しおりを挟む連れてこられたホテルは、ここらへんで一番高そうな高級店だった。ラブホではないんだな、そんなことを現実逃避ぎみに考えていると、いつの間にかノイナは広々とした寝室にいた。
「緊張してる?」
「ふぇ」
突然背後から抱きすくめられて、ノイナは変な声が出てしまう。
いや、想像しなかったわけではない。むしろ任務を言い渡されたときは、こんなことを自分がしなければいけないのかとも思った。
「もしかして、引っ掛けた男とこういうところに来るのは初めてだったり?」
「そ、そうですね、初めて、です……」
不安だったのは、一夜限りの関係が初めてだったから、ではない。
ノイナは男性経験がないのだ。だから当然、セックスの経験もない。
つまり、処女だった。
「そんな大層なことはしないよ。いちゃいちゃして、触り合って、一緒に気持ち良くなって終わり。安心して、俺は生でしたいとか言わないから」
「それは、助かります」
さすがは遊び慣れているだけあって、ゲブラーに緊張はない。
だが触れている場所がもうすっかりその気だった。尻に当たる興奮した男の勲章に、ノイナは今すぐにも倒れてしまいそうなくらい動揺していた。
つまり自分はゲブラーにとって、性欲を発散させる相手としてちょうどよかった、ということだ。任務達成のためには願ってもない展開だが、まだその覚悟ができていなかった。
「え、えっと、シャワー、浴びてきますね……」
ひとまず心を落ち着かせるため、ノイナは身体を洗ってくると提案した。その間にいろいろと覚悟を決めておこうと、そう思ってのことだった、のだが。
「じゃあ俺も一緒に入るよ。綺麗に洗ってあげる」
「えっ、いや、一人で」
「恥ずかしがらなくていいんだよ? 先に少し触り合った方が興奮するし」
ぐいぐいと背中を押され、またもや広い浴室に連れ込まれる。そこでゲブラーは何の躊躇もなく服を脱ぎ捨てていく。
(わ、わーっ、わーっ!?)
しっかりと鍛えられた男性の身体に驚いていると、あっさりと視界に入ってくる熱り勃つ怒張にノイナは顔を真っ赤にする。
「どうしたの、そんなに顔真っ赤にしちゃって。立派すぎて見惚れちゃった?」
自信満々にそう言い放つ姿は、実に楽しそうだ。確かに暗殺業などやっているゲブラーは美しい肉体美を持っていて、男のナニをみたことないノイナでもそれが大きいということだけは分かった。
「さぁさぁ、お嬢さんも脱いで。あ、脱がしてあげようか」
「自分でできますって……!」
「んー?」
抵抗しようとするも、ゲブラーは的確にノイナの服を剥ぎ取っていく。その手つきは完全に慣れているという様子で、片手で軽くブラジャーのホックを外されたところでようやく抵抗が無駄だと知る。
「まるで生娘みたいな反応だね。……何をそんなに緊張してるのかな」
少しだけ訝しむようにゲブラーは眉根を寄せる。それに別の意味で危機を感じたノイナは、とにかく口を動かした。
「そ、そのっ……実は、初めて、なんです」
「え?」
「したこと、ないんです……!」
羞恥心を押し殺してはっきりと経験無しだと告白すれば、流石のゲブラーも硬直している。
「初めてって、痛いって聞くので、その、ちょっと怖くて……」
「……、そうだったんだ! もっと早く言ってくれれば良かったのに」
(言えるかー!!)
「そうしたら、もうちょっと品のあるエスコートしたんだけど」
「あっ」
そう言いながらもゲブラーの手がショーツに触れて、あっさりとずり下ろされる。ノイナが止めようと手を伸ばした拍子にブラジャーも剥ぎ取られ、彼女は慌てて腕で前を隠した。
「処女を抱くのは久しぶりだ。大丈夫、すごーく優しくシてあげる」
きゅっとシャワーのハンドルを回す音がして、浴室に湿気が満ちていく。ゲブラーに手を引かれて浴槽に足を踏み入れたノイナは、既に髪から湯を滴らせるゲブラーの色気に圧倒されてしまう。
簡単に身体を洗われて、さっと流して、それで終わりかと思えば当然終わらなかった。
「よく見せて」
「で、でも」
「恥ずかしいの? ふふ、可愛い反応だね。すごく興奮する」
脳内で悲鳴を上げながら、腕を剥がされたノイナは彼に胸元を弄られる。見られたくなかったのは、ささやかな胸部を隠したかったから、なのだが。
「分かってたけど小さいなぁ」
「そういうことは言わないでくださいよ……!」
「ごめんごめん。でも、小さいのもまたいいものだよ。だって」
いやらしく脇の下あたりを彼の手が撫でたかと思えば、ゲブラーは彼女の胸元に顔を寄せた。
「ぇ、んっ」
べろりと舌が谷間を舐めたかと思えば、すぐにそれはささやかな膨らみをなぞって、外気に触れたせいか硬くなった頂きに絡みつく。そんな場所を舐められるのは初めてで、ノイナは思わずびくりと身体を震わせてしまう。
「んっ、んぅ」
尖らせた舌先がつんと先端をつついたかと思えば、輪郭をなぞるように側面を舐め回される。
「ひぁ、ぃやんっ」
唇が触れたかと思えばぱくりと食まれて、ねっとりと舌が絡みついてくる。ざらついた舌の表面が絶え間なく肌を撫で回して、その感触にぞくぞくと背筋を何かが這い上がる。
「や、吸って、んんぅっ」
強めに吸いつかれて、思わずノイナは涙目になりながら混乱する。最中もずっと乳頭を舐め回され、びくびくと腰が勝手に震え出して止まらなくなる。
「……、ん、はぁ……」
ようやくゲブラーがそこから口を離したかと思えば、いやらしいくらいに充血した自身の乳頭が視界に入ってしまう。それに頭が真っ白になって呆然としていると、彼の手がまたそこを愛で始める。
「小さいと感度がいいって言うけど……お嬢さんは感度が良すぎだね。自分で触ったりしてるの?」
「し、てませ、んっ」
「へぇ……そんなどエロい身体して経験なしって……、お嬢さんは誰かに大事に守られてたのかもね」
そんなこと俺には関係ないけど、とにこやかに言い放つと、ゲブラーはノイナの下腹部に手を這わせた。
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