皇国の栄光

ypaaaaaaa

文字の大きさ
22 / 57

マレー沖の不沈艦

しおりを挟む
12月10日。
トーマス・フィリップス中将は意気揚々としていた。
日本船団はもうすぐそばにいる。
英国海軍が誇るプリンス・オブ・ウェールズが日本の侵略の刃をへし折ることを確信していた。
また艦隊防空にはインドミタブルのフルマー戦闘機が10機ついていた。
フィリップスは日本の航空隊はイタリアと同列と考えていて、戦闘機10機は逆に過剰すぎる戦力だと思っていた。


大洋を進む6つの艦艇。
その下には旭日を背負う潜水艦が潜んでいた。
「敵、艦隊発見!」
「すぐに打電しろ!」
北村惣七艦長はせかしながら言った。
「艦長、雷撃はどうしますか?」
副官が聞いてくる。
「するに決まっているだろう。」
そう北村がいうと副官は早速攻撃準備に取り掛かった。
その後、魚雷は発射されたもののすべて外れた。


「少将。伊58から敵艦発見の知らせが来ました。」
松永貞一は冷静に言う。
「そうか。ではこちらも索敵機を出そう。発見でき次第攻撃隊を全力出撃させろ。新型の出番だ。」
「はっ!」
副官は音をたてて出ていく。
その後、金剛を主力とする近藤中将率いる第二艦隊が攻撃しようとするも間に合わず、英国東洋艦隊の撃破は航空隊に委ねられた。


12時30分。
レパルスの艦長であるウィリアム・テナントは気落ちしていた。
先ほど日本の航空機を発見したからだ。
それも、目視できる距離で。
これは奇襲の失敗を表していた。
すぐにフルマーを発進させたものの追いつかなかった。
すると副艦長が慌てた様子で入ってきた。
「艦長!日本の航空隊が来ました!」
「そうか。叩き落してやれ。」
テナントは冷酷に命令した。


「中隊長!前方に艦影があります!」
隣に座っていた搭乗員の言葉に高井は困惑していた。
確かに艦影はあるがレナウンにも金剛にも見えた。
すると近くに空母が見えた。
今、この海域に日本の空母はいなかった。
「こいつらは英国艦隊だ!全機、雷撃用意!」
そう叫ぶ。
そうして新型陸攻銀河16機は海面に降りて行った。

「面舵!」
テナントは必死に操艦していた。
魚雷が横を進んでいく。
これでレパルスに投下された7発の魚雷は全て避けた。
だが落とせた機はなかった。
フルマーが全機発進し、2機落としたものの防護機銃に落とされたり被弾したため稼働機はなくなった。
「通信士!空軍に支援を乞う電文を打て!」
テナントは叫ぶ。
「しかし、それでは無線封止を破ることになります!」
「馬鹿者!無線封止は奇襲のためで我々はすでに発見されている!今更だ!」
「承知しました!」
レパルスの通信士が電文を打っている間にプリンス・オブ・ウェールズは甚大な損害を負っていた。
「提督!左舷での魚雷命中により傾斜が始まっています!」
「ダメージコントロールを急げ!」
フィリップスはそう言うことしかできなかった。
被害は甚大で電話線すらつながっていない。
「誰が不沈艦と名付けたんだ…。」
後ろにいた士官がそうつぶやく。
フィリップスも今は全く同じ気持ちだった。
海上では混乱が混乱を呼ぶ中、空から海の荒鷲がが迫っていた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

征空決戦艦隊 ~多載空母打撃群 出撃!~

蒼 飛雲
歴史・時代
 ワシントン軍縮条約、さらにそれに続くロンドン軍縮条約によって帝国海軍は米英に対して砲戦力ならびに水雷戦力において、決定的とも言える劣勢に立たされてしまう。  その差を補うため、帝国海軍は航空戦力にその活路を見出す。  そして、昭和一六年一二月八日。  日本は米英蘭に対して宣戦を布告。  未曾有の国難を救うべく、帝国海軍の艨艟たちは抜錨。  多数の艦上機を搭載した新鋭空母群もまた、強大な敵に立ち向かっていく。

世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記

颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。 ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。 また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。 その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。 この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。 またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。 この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず… 大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。 【重要】 不定期更新。超絶不定期更新です。

もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら

俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。 赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。 史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。 もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。

If太平洋戦争        日本が懸命な判断をしていたら

みにみ
歴史・時代
もし、あの戦争で日本が異なる選択をしていたら? 国力の差を直視し、無謀な拡大を避け、戦略と外交で活路を開く。 真珠湾、ミッドウェー、ガダルカナル…そして終戦工作 分水嶺で下された「if」の決断。 破滅回避し、国家存続をかけたもう一つの終戦を描く架空戦記。

【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記

糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。 それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。 かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。 ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。 ※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。

幻の十一代将軍・徳川家基、死せず。長谷川平蔵、田沼意知、蝦夷へ往く。

克全
歴史・時代
 西欧列強に不平等条約を強要され、内乱を誘発させられ、多くの富を収奪されたのが悔しい。  幕末の仮想戦記も考えましたが、徳川家基が健在で、田沼親子が権力を維持していれば、もっと余裕を持って、開国準備ができたと思う。  北海道・樺太・千島も日本の領地のままだっただろうし、多くの金銀が国外に流出することもなかったと思う。  清国と手を組むことも出来たかもしれないし、清国がロシアに強奪された、シベリアと沿海州を日本が手に入れる事が出来たかもしれない。  色々真剣に検討して、仮想の日本史を書いてみたい。 一橋治済の陰謀で毒を盛られた徳川家基であったが、奇跡的に一命をとりとめた。だが家基も父親の十代将軍:徳川家治も誰が毒を盛ったのかは分からなかった。家基は田沼意次を疑い、家治は疑心暗鬼に陥り田沼意次以外の家臣が信じられなくなった。そして歴史は大きく動くことになる。 印旛沼開拓は成功するのか? 蝦夷開拓は成功するのか? オロシャとは戦争になるのか? 蝦夷・千島・樺太の領有は徳川家になるのか? それともオロシャになるのか? 西洋帆船は導入されるのか? 幕府は開国に踏み切れるのか? アイヌとの関係はどうなるのか? 幕府を裏切り異国と手を結ぶ藩は現れるのか?

大東亜戦争を有利に

ゆみすけ
歴史・時代
 日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を

土方歳三ら、西南戦争に参戦す

山家
歴史・時代
 榎本艦隊北上せず。  それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。  生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。  また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。  そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。  土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。  そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。 (「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です) 

処理中です...