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決戦への備え
流星一一型
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川西の陣風にまんまと新型艦上戦闘機の座を奪われた三菱であるが、やはり腐っても今まで日本の航空産業を引っ張て来たことはあった。
艦上攻撃機と艦上爆撃機を統合した新型攻撃機である艦上攻撃機流星を開発し、目下量産体制に入っていたのである。
流星一一型
最高速度:時速548㎞
武装:20㎜機銃2挺、12.7㎜旋回機銃1挺
翼面荷重:170㎏/㎡
プロペラ:直径3.42mが4枚
搭乗数:3人
搭載能力:1t爆弾1発(水平爆撃)/800㎏爆弾1発(緩降下爆撃)/680㎏爆弾1発(急降下爆撃)/500㎏爆弾1発(急降下爆撃)/250㎏爆弾2発(急降下爆撃)/1060㎏航空魚雷1本/800㎏魚雷1本
航続距離:時速400㎞で800海里(翼下に増槽を装備して1200海里)
全長:11.46m
全幅:14.50m(折り畳み時7.88m)
艦爆としては彗星の500㎏爆弾を超える680㎏爆弾(1500ポンド爆弾)を抱いての急降下爆撃を行え、艦攻としては天山の巡航速度並びに最高速度を時速100㎞近く上回っていた。
また増槽込みではあるものの1200海里と言う陣風に負けないほどの長大な航続距離を誇っていた。
小沢はこの2機種が護衛空母や輸送船に満載されて真珠湾へ運ばれてくるのを見て、密かにほくそ笑んでいた。
(さぁ、前提はそろったな)
彼の言う前提と言うのはもちろんの事陣風と流星である。
この2機種に艦載機を転換すると攻撃隊の攻撃可能距離が一気に500海里になるのだ。
これまでの日本海軍の攻撃隊は300海里が常識的な攻撃距離だった。
これでもアメリカ海軍の艦載機より航続距離は長いため、特段変更は行われなかった。
だが、小沢は胸の内でアメリカ機動隊を必殺するための戦法を練っていた。
それが超アウトレンジ戦法である。
アウトレンジ戦法はこれまでも小沢が使用してきたが、味方艦隊も攻撃にさらされていた。
小沢は500海里と言う常識から逸脱した距離からアメリカ機動部隊を攻撃し、一方的に撃破しようと考えたのだ。
もし、アメリカ機動部隊がしぶとく味方艦隊を艦載機の航続距離内に捉えたとしてもその戦力は減殺されているに違いなく、これまでよりはるかに戦いを有利に行えることは間違いなかった。
(搭乗員たちには負担を掛けることになるが…おそらく次の海戦は日本海海戦となるはずだ。ここは踏ん張ってもらおう!)
小沢は次の戦いが”最後の戦い”となることを感じ取り、心を鬼にすることを決めたのだった。
艦上攻撃機と艦上爆撃機を統合した新型攻撃機である艦上攻撃機流星を開発し、目下量産体制に入っていたのである。
流星一一型
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航続距離:時速400㎞で800海里(翼下に増槽を装備して1200海里)
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また増槽込みではあるものの1200海里と言う陣風に負けないほどの長大な航続距離を誇っていた。
小沢はこの2機種が護衛空母や輸送船に満載されて真珠湾へ運ばれてくるのを見て、密かにほくそ笑んでいた。
(さぁ、前提はそろったな)
彼の言う前提と言うのはもちろんの事陣風と流星である。
この2機種に艦載機を転換すると攻撃隊の攻撃可能距離が一気に500海里になるのだ。
これまでの日本海軍の攻撃隊は300海里が常識的な攻撃距離だった。
これでもアメリカ海軍の艦載機より航続距離は長いため、特段変更は行われなかった。
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(搭乗員たちには負担を掛けることになるが…おそらく次の海戦は日本海海戦となるはずだ。ここは踏ん張ってもらおう!)
小沢は次の戦いが”最後の戦い”となることを感じ取り、心を鬼にすることを決めたのだった。
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