幽霊祓い

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第3章 約束編

第176話 約束

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日本を旅立つ前に士郎が戦闘不能になったら切れるように特別な魔法がかけられたミサンガを士郎から渡されていた。日本旋廻恐山決戦が起こったあの日、そのミサンガが切れた。まさか・・・なと思い、俺はGEA本部に向かった。戦いは既に終結しており、斧戯田会長からすべてを教えてもらった。もちろん、士郎が死んだことも。俺は全てを失った気持ちに襲われた。蒼雲師匠も士郎もいなくなった。そんな中、俺は約束通り、一帝になった。

   これが士郎と俺が結んだ約束のすべてだ、青山  優牙。士郎と話したのは空港が最後だった」

「まさか、そんな過去があったとは知りませんでした」

「俺はな、後悔しかしていないんだ、自分に対して。あの時の口喧嘩のことが今も頭から離れないんだ」

「でも、きっと、鳩山さんも片山さんのことは分かっていたはずです。残念な形にはなりましたけど、それでも、鳩山さんは片山さんのことは憎んでいないはずです」

「青山  優牙、大阪城での戦いのお前の戦績を聞いて、士郎がお前に期待していた理由が分かったよ。お前のその素直な正義の心があれば、凪澤も倒せるはずだ」

「ありがとうございます。でも、俺1人では凪澤を倒すことができません。今回だって、皆の助けがあって生き延びただけです」

「なら、皆で突破しよう。俺も協力する」

「片山さん・・・」

「お前と士郎は何か重なるものがある。青山  優牙、まずは選抜会を勝ち残れ。そして、一緒にアメリカに行こう。そうすれば、お前の活躍がどれくらいなのかも見えるからな」

「俺、絶対に勝ち残ってみせます」

「おう、頑張れよ」

俺は片山さんに一礼をし、部屋を出た。部屋を出ると、雷翔と柊が待っていた。

「何を話していたんですか、優牙さん」

「まぁ、色々とかな」

「優牙さん、片山さんと和解でもしたんですか?」

「どうして?」

 「顔に明るみが出てますよ」

「え、まじ!?」

雷翔と柊がクスクス笑う。俺も笑った。

「皆、選抜会頑張ろうなッ」

「おうッ!!」

鳩山さん、見ててくださいね。俺らで必ず、凪澤を倒しますから。俺は、そう思いながら、雷翔と柊と歩き出した。
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