幽霊祓い

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第3章 約束編

第175話 氷鳩③

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俺らの運命を分けたあの日、俺は任務に出ていた。後から聞いた話によると、かつて、岩山  悟とその後輩が祓ったはずのRー01が街中に出現。現場に向かったのは蒼雲師匠だった。Rー01は毒攻撃を自身の霊気で強化していた。その毒攻撃は蒼雲師匠にすらダメージを与えた。毒は蒼雲師匠の体内を回り、蒼雲師匠は戦闘不能になった。 間もなくして、現場に士郎が到着。

「士郎!?俺でも勝てなかった相手だ。お前では・・・」

「蒼雲師匠は俺が守るッ!!」

結果はもちろん、士郎の敗北。毒攻撃はくらわなかったものの、士郎も戦闘不能となった。窮地に現れたのは、蔵宮  源三だった。そして、Rー01は蔵宮会長によって祓われた。俺が情報を聞いて、現場に着いた時、蒼雲師匠は既に亡くなっていて、士郎の治療は終わっていた。

「・・・何だよ、これ」

「・・・」

「おい、士郎ッ!!何やってんだよッ!!どうして、蒼雲師匠が死んでんだよッ!!」

「俺は弱かった・・・。強くなかったんだ・・・」

「ッ!!お前は『最強』だろ・・・?」

「最強なんて肩書きだけ・・・。俺には・・・」

「ざけんなッ!!お前が、次期一帝なんだぞッ、お前、それ分かってんのかッ!!」

俺と士郎が言い争っていると、蔵宮会長が仲裁に入った。この事件の後、約束通り、士郎は一帝になり、俺は蔵宮会長の提案により、次期一帝に任命された。士郎が一帝になってから、俺は、アイスランドで修業することにした。旅立ちの日、空港に士郎の姿があった。

「士郎・・・」

「氷河、悪かった。俺は、お前の・・・」

「もう、いいんだ。気にするな」

「でも・・・」

「士郎、次会う時は、お互いが『最強』になってることを期待してるからな。だから、俺も向こうで頑張る」

「・・・分かった。お互い『最強』を目指そう」

そして、俺は旅立った。時々、蔵宮会長から日本の状況は聞いていた。日本旋廻が始まったことだって知っていた。だが、俺はッ!!心に残る士郎との口喧嘩が俺を日本へと向かわせなかった。そのせいで・・・。
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