203 / 976
バーサス 2
しおりを挟む
「沢村さんも樋口さんもいつもご迷惑おかけします」
「いやいや、この平和な町でこれだけ仕事を頂けて家でせまぐるしい思いをしないのは吉野さんのおかげですよ」
「沢村さんの所でもですか、それは家でもでしてね、自宅で事務所を構えたばかりに妻の観察がすごくてね」
くつくつ笑うお二人とは昼食を食べながらの話しあいだ。
場所は下の町の鰻屋さん。前に陸斗に食べさせたくて配達を頼んだあの店だ。
本日は少し話し合いをしなくてはいけないので個室をお借りしての昼食会。ちなみにだが毎度昼食会をしているわけではなく、大きなお金が動いた時お二人をお招きしてご相談に乗ってもらっているだけだ。
「それにしてもついで完成しましたか」
「建屋だけですけどね。トイレとキッチンは完成したのですむことはできますが、まだ布団とテーブルしかなくて寂しい感じがしますね。あ、花器を頂いて、長沢さんに何かいろいろ作っていただけまして花が飾れて少し華やいでます」
「吉野の庭は弥生さんが色々植えてたから春になると賑やかだからなあ」
「だいぶ刈り取って減らそうとしてるのですがなかなか生育の方が早くて」
苦笑。
「他にも世話をしなくてはならない植物の方が多そうで大変ですね」
「烏骨鶏達に雑草を取ってもらっても間に合わないので」
微笑。
あつあつの鰻重を食べ終わり、香ばしい香りの玄米茶がそろそろ底を突こうと言う所で
「では、書類の手続きはしておきます」
樋口さんが今まで倉庫扱いの家を居住スペースにするにあたり手続きをしてもらったり、台所が出来たので税金もまた変わるのでそれに伴う書類の作成をお願いしたのだ。何と司法書士の資格も持っているらしく、そのような人がこんな田舎の片隅にいて良いのだろうかと思うも、一線を退いたのでこれぐらいが良いと言う。それどころかこんな大口なお客様に出会えて張り合いがあると喜んでくれるのを正直に受け止めて良いのかと思うが
「でしたらこの冬はじっくり旧家で楽しめますね」
長火鉢何て楽しそうだと言う沢村さんに
「一応来年の話しなんですが……」
そう言って話しを切りだして
「山の手入れを本格的に学ぼうかと思ってそこの山林学校に入学しようかと思いまして」
二十二歳でピカピカの一年生とはこれいかにと思うも、転職に当り学ぶ人もいるだろうと少し背を正して来年春からの目的を口にすれば
「そこの山林学校、二年間全寮制だろ?家の方は大丈夫なのか?」
「は?」
……。
肝心の所を見落としていたようだ。
慌ててスマホを取り出して調べればちゃんと書いてあって……
「全寮制は無理だ。畑の世話とか手を抜けれないし」
「だよねぇ」
「吉野君にしたらうっかりだねぇ」
くつくつと楽しそうに笑うお二人は家で勉強できるから法律の勉強をして資格を取って見ない?修行先においでよと怪しい言葉をかけてくれる。
「まいったな……
せっかくやる気が出たのに……」
思わず頭を抱えてしまえば
「それこそそこは内田さんだろ?
あの人確か今も吉野の樵仲間と連絡取り合ってるはずだぞ?」
「ああ、国道沿いの材木屋も吉野の使用人だったはずだ」
俺の知らない吉野の話しを語ってくれた。
「でももっと身近な所に居るじゃないか」
「誰だ?」
樵っぽい人なんているかと思えば
「吉野君が所属している猟友会の、ほら、烏骨鶏のお肉卸している所。
あの人達確か吉野で仕事していた人達だよ」
「初耳なんですけど?」
「そこはあれだ。一郎さんと弥生さんがそう言わせなかっただけじゃないのか?」
「いつまでも頭目と使用人の立場じゃないって事?」
足にけがを負ったのもあるが、戦後の高度成長期を目の当たりにして仕事を辞め、農業一本に絞る事にしたと聞いた事がある。
「山を辞めた時にきっぱりと頭目の名も置いたらしいが、やっぱり吉野の旦那は気前が良いと言うか、啖呵もはるし、ガキの頃山から木を下ろして来た所に出会った事があるが、そりゃかっこよかったさ。とは言っても一郎さんの親父さんだがな。
当時確か十歳かそこらだったはずだが、ガキの頃は親父さんの側で仕事をしていた一郎さんを見てかっこいいって男ながらに憧れたな。
そんな一郎さんを林業をやめただけで尊敬までみんな捨てなかった話よ」
「まあ、ジイちゃんはさっぱりしてると言うか、口うるさくないとか……」
一番に思いつくのは孫バカだっただろうか。初孫だった事もあって何より俺を優先してくれた。他の孫には教えないことをあれこれ語ってくれたし、俺だけ連れてってくれたところも沢山ある。例えば件の松茸の生える場所とか。
こうやって考えれば俺だけが財産をもらいすぎだろうと言う親戚一同の言い分は納得できるが、少なくとも形として残るものを受け取ったのは高級国産車さえ買えない山の土地とあの家だけだ。後ちょっとのゴニョゴニョと……
これは沢村さんを混ぜてのあれこれなので七年ほど寝かさなくてはならない話なのでまだ暫く内緒にしておく話だ。
「おかげで猟友会が同窓会の場になって、一郎さんを親分にした強面の集団ができて、よく血塗れで道の片隅で屯ろってた姿にはびびったもんだ」
「沢村さんの言い方が悪いが捕まえた猪を捌いたままの姿だから。喧嘩してたわけじゃないからね」
「あたり前だ。一郎さんが喧嘩して負けた所見た事ないから」
そんな話に耳を傾けてふと疑問。
「二人とも現役の時はここには居なかったはずですよね?」
なんかまるで見てきたかのような昔話に二人は笑う。
「盆暮れ正月ぐらいは帰ってくるさ。だけどいつ帰ってきても一郎さんは町の話題の人だったからね」
「ジイちゃんワルだったのか……」
「それと同時に人気者だったんだよ」
今まで誰も話してくれなかった話に唖然としつつも若かりしの頃を想像して笑みも浮かぶ。
「だからか幸一さんにかかる期待も大きかったとか。ああ、聞いた話だよ?
だけど彼は器が小さければ気も小さく、林業をやってなければただの農家の子供だからな。誰も見向きもしないけど吉野の子供だからと期待だけは背負わされて。可哀想な子供時代だけど今は立派な大人。同情する余地はないですね」
父が歪んだ理由はなんとなく察していたが、だいたい想像通りというか何というか。
「まあ別に俺も保健室登校の引きこもりって言われてるくらいだし」
「学校で物を教える教師もいなくて、働かなくても稼いでいる人にその評価はどうかと思うがね」
失笑。
「さて、ではそろそろ失礼させて戴きます。この後東京の古い知人と電話の約束があるので」
立ち上がる沢村さんに樋口さんも
「私も見習って古い知人に連絡を取りましょうか」
何て対抗心?
話を切り上げるには程のいい言葉だと学んで
「では今回もありがとうございました。書類の方も出来たら連絡ください」
「ああ、来週の月曜日には準備しておきましょう」
立ち上がって、帰る準備をしている間に一足お先にお会計。お店の人も慣れた様子でレジの場所に待機していてくれた。
その後は店先で分かれて、一週間分の食料を購入。肉や野菜はあれど加工食品や調味料は無理だからねと言いながら今回は住居関連のものも大量購入。洗濯石鹸とトイレットペーパーなどもしっかり買い置きをすれば春まで持つだろうと計算。もし足りなければ宮下商店に買えばいいだけの話だ。
車にガソリンを補充してコンビニのレジ横メニューを楽しみながらATMで何かあった時のための現金を下ろしておく。後はアメリカンドッグを齧りながら信号機のない村をノンストップで走り抜けて、目印の宮下商店を曲がり、やっと我が家が見えたという所で車を止める。
獣対策の門を開けるためでもあるが
「多紀さん、こんな所で何やってるんですか?」
「綾人君おかえり。夕方なら帰ってくるだろうと思って待ってたんだ」
キャンプ用のテーブルに椅子を設置して水筒からコーヒーを入れながらノートPCで何か仕事をしていたらしい。
だけど俺を見ていそいそと片付ける様子を見て、その隙に車を門の内に入れて門をしっかり閉ざした。
「あ、あれ?」
門の外で置いてきぼりになった多紀さんは門まで締めちゃうの?と言う驚きの顔。
「この時期熊が冬眠の為によく出るので気をつけてくださいよ」
「ちょっと綾人君?僕綾人君に話があって……」
「多紀さんおやすみなさーい」
強制的に会話を終了。
門から見えないように台所の方まで車を乗り入れて荷物を運び入れる。そうなればもう姿はどこにも見えないから諦めてくれるだろう。とは言え一応念のため。
そういや波瑠さんのスマホの連絡先知らないやととんでもないヤツをぶち込んでくれたチョリチョリさんに苦情の電話。波瑠さんに多紀さんを回収してねと嫌味のように連絡を入れておく。とんでもないのをエスコート役にしてくれたなと恨みを込めて送信。
それから一時間後ぐらいにお迎えの車が来て、二台の車が遠ざかるのをホッとしながら眺めるのだった。
「いやいや、この平和な町でこれだけ仕事を頂けて家でせまぐるしい思いをしないのは吉野さんのおかげですよ」
「沢村さんの所でもですか、それは家でもでしてね、自宅で事務所を構えたばかりに妻の観察がすごくてね」
くつくつ笑うお二人とは昼食を食べながらの話しあいだ。
場所は下の町の鰻屋さん。前に陸斗に食べさせたくて配達を頼んだあの店だ。
本日は少し話し合いをしなくてはいけないので個室をお借りしての昼食会。ちなみにだが毎度昼食会をしているわけではなく、大きなお金が動いた時お二人をお招きしてご相談に乗ってもらっているだけだ。
「それにしてもついで完成しましたか」
「建屋だけですけどね。トイレとキッチンは完成したのですむことはできますが、まだ布団とテーブルしかなくて寂しい感じがしますね。あ、花器を頂いて、長沢さんに何かいろいろ作っていただけまして花が飾れて少し華やいでます」
「吉野の庭は弥生さんが色々植えてたから春になると賑やかだからなあ」
「だいぶ刈り取って減らそうとしてるのですがなかなか生育の方が早くて」
苦笑。
「他にも世話をしなくてはならない植物の方が多そうで大変ですね」
「烏骨鶏達に雑草を取ってもらっても間に合わないので」
微笑。
あつあつの鰻重を食べ終わり、香ばしい香りの玄米茶がそろそろ底を突こうと言う所で
「では、書類の手続きはしておきます」
樋口さんが今まで倉庫扱いの家を居住スペースにするにあたり手続きをしてもらったり、台所が出来たので税金もまた変わるのでそれに伴う書類の作成をお願いしたのだ。何と司法書士の資格も持っているらしく、そのような人がこんな田舎の片隅にいて良いのだろうかと思うも、一線を退いたのでこれぐらいが良いと言う。それどころかこんな大口なお客様に出会えて張り合いがあると喜んでくれるのを正直に受け止めて良いのかと思うが
「でしたらこの冬はじっくり旧家で楽しめますね」
長火鉢何て楽しそうだと言う沢村さんに
「一応来年の話しなんですが……」
そう言って話しを切りだして
「山の手入れを本格的に学ぼうかと思ってそこの山林学校に入学しようかと思いまして」
二十二歳でピカピカの一年生とはこれいかにと思うも、転職に当り学ぶ人もいるだろうと少し背を正して来年春からの目的を口にすれば
「そこの山林学校、二年間全寮制だろ?家の方は大丈夫なのか?」
「は?」
……。
肝心の所を見落としていたようだ。
慌ててスマホを取り出して調べればちゃんと書いてあって……
「全寮制は無理だ。畑の世話とか手を抜けれないし」
「だよねぇ」
「吉野君にしたらうっかりだねぇ」
くつくつと楽しそうに笑うお二人は家で勉強できるから法律の勉強をして資格を取って見ない?修行先においでよと怪しい言葉をかけてくれる。
「まいったな……
せっかくやる気が出たのに……」
思わず頭を抱えてしまえば
「それこそそこは内田さんだろ?
あの人確か今も吉野の樵仲間と連絡取り合ってるはずだぞ?」
「ああ、国道沿いの材木屋も吉野の使用人だったはずだ」
俺の知らない吉野の話しを語ってくれた。
「でももっと身近な所に居るじゃないか」
「誰だ?」
樵っぽい人なんているかと思えば
「吉野君が所属している猟友会の、ほら、烏骨鶏のお肉卸している所。
あの人達確か吉野で仕事していた人達だよ」
「初耳なんですけど?」
「そこはあれだ。一郎さんと弥生さんがそう言わせなかっただけじゃないのか?」
「いつまでも頭目と使用人の立場じゃないって事?」
足にけがを負ったのもあるが、戦後の高度成長期を目の当たりにして仕事を辞め、農業一本に絞る事にしたと聞いた事がある。
「山を辞めた時にきっぱりと頭目の名も置いたらしいが、やっぱり吉野の旦那は気前が良いと言うか、啖呵もはるし、ガキの頃山から木を下ろして来た所に出会った事があるが、そりゃかっこよかったさ。とは言っても一郎さんの親父さんだがな。
当時確か十歳かそこらだったはずだが、ガキの頃は親父さんの側で仕事をしていた一郎さんを見てかっこいいって男ながらに憧れたな。
そんな一郎さんを林業をやめただけで尊敬までみんな捨てなかった話よ」
「まあ、ジイちゃんはさっぱりしてると言うか、口うるさくないとか……」
一番に思いつくのは孫バカだっただろうか。初孫だった事もあって何より俺を優先してくれた。他の孫には教えないことをあれこれ語ってくれたし、俺だけ連れてってくれたところも沢山ある。例えば件の松茸の生える場所とか。
こうやって考えれば俺だけが財産をもらいすぎだろうと言う親戚一同の言い分は納得できるが、少なくとも形として残るものを受け取ったのは高級国産車さえ買えない山の土地とあの家だけだ。後ちょっとのゴニョゴニョと……
これは沢村さんを混ぜてのあれこれなので七年ほど寝かさなくてはならない話なのでまだ暫く内緒にしておく話だ。
「おかげで猟友会が同窓会の場になって、一郎さんを親分にした強面の集団ができて、よく血塗れで道の片隅で屯ろってた姿にはびびったもんだ」
「沢村さんの言い方が悪いが捕まえた猪を捌いたままの姿だから。喧嘩してたわけじゃないからね」
「あたり前だ。一郎さんが喧嘩して負けた所見た事ないから」
そんな話に耳を傾けてふと疑問。
「二人とも現役の時はここには居なかったはずですよね?」
なんかまるで見てきたかのような昔話に二人は笑う。
「盆暮れ正月ぐらいは帰ってくるさ。だけどいつ帰ってきても一郎さんは町の話題の人だったからね」
「ジイちゃんワルだったのか……」
「それと同時に人気者だったんだよ」
今まで誰も話してくれなかった話に唖然としつつも若かりしの頃を想像して笑みも浮かぶ。
「だからか幸一さんにかかる期待も大きかったとか。ああ、聞いた話だよ?
だけど彼は器が小さければ気も小さく、林業をやってなければただの農家の子供だからな。誰も見向きもしないけど吉野の子供だからと期待だけは背負わされて。可哀想な子供時代だけど今は立派な大人。同情する余地はないですね」
父が歪んだ理由はなんとなく察していたが、だいたい想像通りというか何というか。
「まあ別に俺も保健室登校の引きこもりって言われてるくらいだし」
「学校で物を教える教師もいなくて、働かなくても稼いでいる人にその評価はどうかと思うがね」
失笑。
「さて、ではそろそろ失礼させて戴きます。この後東京の古い知人と電話の約束があるので」
立ち上がる沢村さんに樋口さんも
「私も見習って古い知人に連絡を取りましょうか」
何て対抗心?
話を切り上げるには程のいい言葉だと学んで
「では今回もありがとうございました。書類の方も出来たら連絡ください」
「ああ、来週の月曜日には準備しておきましょう」
立ち上がって、帰る準備をしている間に一足お先にお会計。お店の人も慣れた様子でレジの場所に待機していてくれた。
その後は店先で分かれて、一週間分の食料を購入。肉や野菜はあれど加工食品や調味料は無理だからねと言いながら今回は住居関連のものも大量購入。洗濯石鹸とトイレットペーパーなどもしっかり買い置きをすれば春まで持つだろうと計算。もし足りなければ宮下商店に買えばいいだけの話だ。
車にガソリンを補充してコンビニのレジ横メニューを楽しみながらATMで何かあった時のための現金を下ろしておく。後はアメリカンドッグを齧りながら信号機のない村をノンストップで走り抜けて、目印の宮下商店を曲がり、やっと我が家が見えたという所で車を止める。
獣対策の門を開けるためでもあるが
「多紀さん、こんな所で何やってるんですか?」
「綾人君おかえり。夕方なら帰ってくるだろうと思って待ってたんだ」
キャンプ用のテーブルに椅子を設置して水筒からコーヒーを入れながらノートPCで何か仕事をしていたらしい。
だけど俺を見ていそいそと片付ける様子を見て、その隙に車を門の内に入れて門をしっかり閉ざした。
「あ、あれ?」
門の外で置いてきぼりになった多紀さんは門まで締めちゃうの?と言う驚きの顔。
「この時期熊が冬眠の為によく出るので気をつけてくださいよ」
「ちょっと綾人君?僕綾人君に話があって……」
「多紀さんおやすみなさーい」
強制的に会話を終了。
門から見えないように台所の方まで車を乗り入れて荷物を運び入れる。そうなればもう姿はどこにも見えないから諦めてくれるだろう。とは言え一応念のため。
そういや波瑠さんのスマホの連絡先知らないやととんでもないヤツをぶち込んでくれたチョリチョリさんに苦情の電話。波瑠さんに多紀さんを回収してねと嫌味のように連絡を入れておく。とんでもないのをエスコート役にしてくれたなと恨みを込めて送信。
それから一時間後ぐらいにお迎えの車が来て、二台の車が遠ざかるのをホッとしながら眺めるのだった。
255
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ここは異世界一丁目
雪那 由多
ライト文芸
ある日ふと気づいてしまった虚しい日々に思い浮かぶは楽しかったあの青春。
思い出にもう一度触れたくて飛び込むも待っているのはいつもの日常。
なんてぼやく友人の想像つかない行動に頭を抱えるも気持ちは分からないでもない謎の行動力に仕方がないと付き合うのが親友としての役目。
悪魔に魂を売るのも当然な俺達のそんな友情にみんな巻き込まれてくれ!
※この作品は人生負け組のスローライフの811話・山の日常、これぞ日常あたりの頃の話になります。
人生負け組を読んでなくても問題ないように、そして読んでいただければより一層楽しめるようになってます。たぶん。
************************************
第8回ライト文芸大賞・読者賞をいただきました!
投票をしていただいた皆様、そして立ち止まっていただきました皆様ありがとうございました!
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる