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キャンプ・キャンプ・キャンプ 4
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圭斗の家の納屋の中でターフをはって中で寝袋に包まって寝ていた様子も見れたので安心しつつ、この近辺の店が開くのを圭斗の家で待たせてもらうのだった。
「今度は何を買いに行くつもりだ……」
お馴染みの農協が開くのを待つ俺に何やら警戒する圭斗だが
「春に植える苗の買い出しと怪しい苗の探索に」
「お前の家の畑以上に怪しい苗なんてあるものか」
呆れて言い返すも
「本当に怪しい種や苗はネットで探すけど、ご当地苗はその土地でしか買えないからな」
フフンと得意げに主張する綾人に
「この辺にご当地苗とかあるのか?」
そんな疑問。こんなど田舎に何珍しい物があるんだと言えば
「例えばスクナカボチャ。似たようなものはあれど、東京じゃあマイナーだ」
「まあ、見なかったな。っていうか気にもしなかった」
そんな高級品買うわけない。カボチャは食べなくても生きていけるだろうと消去法で選ばれた野菜はついぞ冷蔵庫へお招きすることはなかった。
「モクズガニの餌に毎年大量に作ってるだけなんだが、ぼちぼち畑を起こそうかと思って準備しないとなと思い腰をあげたんだ」
「できたらうちにも回せよ」
「飯田さんに取られる前に取りにおいで」
「くっ、敵は飯田さんか」
「猟友会の人たちみたいなこと言わないの」
全くというように呆れる綾人だが
「一番のライバルは烏骨鶏だから。まあ、最後は烏骨鶏を美味しく食べるためとあきらめるが良い。
ついでに春植えのジャガイモとか人参、キャベツとか……
そう言えばさつまいもがぼちぼちおいしくなったから今度来る時は持ってくるよ」
「悪いな。陸斗が喜ぶ」
「お前も喜べ」
「おうおう、これでも喜んでるぞ?」
「いいや、宮下の如く裸で踊り狂うが良い」
「……は?」
目を点にして何を言ってるという圭斗に綾人は
「前に何かで喜びを表現する方法として一発芸を披露しろって、俗にいう暇潰しだな。二人で何をすれば馬鹿笑いできるか、酒も飲んでいたのもあったんだが。
結局最後はマッパになって雪山に突っ込むっていう結果になったんだよ」
「やったのか?」
嘘だろ?なんていつの間にか一歩遠ざかっていた圭斗に
「服を着たままやると乾くまで寒い思いするからな。主に宮下が」
「宮下が風邪をひくわけないから心配はしないが……」
「お前、さすがに幼馴染とはいえひどいぞ」
綾人もひくわーと圭斗から一歩きょりをとる。とは言えこたつを囲んで時間を潰しているだけなので離れようとしてもこたつを中心にぐるぐると回るだけ。
コタツの魅力は絶対ですというところだろうか。
「所でそれは綾人もやったのか?」
恐る恐るというように圭斗は聞くも
「やったそぞ」
あっさりと綾人はいう。
「ひくわー」
ありえねーと圭斗は顔を引き攣らせるが
「そうか?とりあえず飯田さんも大爆笑だぞ?」
「まさかの飯田さんへの接待とか意味わかんないんだけど?!」
「今年は賑やかだったからやらなかったけど、去年までお年玉を俺と宮下にくれたからその時のお礼の一発芸として」
「マジか?!」
「因みにだがやっぱりマッパは色々としんどかったから藁で腰蓑を作って踊ってみた」
「どんなんだ?!」
想像が追いつかねえ!!と頭を抱える圭斗だが
「酔っ払ってないと出来ない一発芸だよなー」
俺も宮下も飯田さんもと言って笑う。
「今年は色々とあったし、未成年の陸斗もいたからなしにしたけどな」
さすがに威厳が……というもそんなもの既にどこにもないとだけ言っておく。
「頼むから陸斗に見せないでくれ」
「安心しろ。うちで預かってた時に風呂から家まで裸族でウロウロしてたから今更だ」
ヤメロと正座で美しいまでに綺麗な土下座されたのを見てさすがに反省をする綾人だった。
そんなバカな話しをしながら圭斗は先生の家の屋根の色や仕様の説明など話をしながら今度は前回みたいに人がいないから二日にわたって作業をすると断りを入れてきた。
「二軒分の屋根だし、通路のおかげで完全に切り離して作る事になるからな」
「すまんないつもわがまま言って」
「ああ、うん。お前には手伝ってもらうより金を出してもらう方が俺達的にも平和でいいから気にするな」
「ありがとう。
結局のところ俺には頭脳と金と山と烏骨鶏しかない役に立たない男で迷惑をかける」
「烏骨鶏以外ならいつでもどれでもよこせ。
お前のとこの山なら金になる木がいっぱいあるからな」
「くうっ!圭斗の抜け目のなさよりも烏骨鶏の順位の低さが悲しい!」
「そりゃあ食ったら終わりだし、生かすにも金がかかるからな。コスパが合わん」
どこまでも現実的な圭斗の意見にぶれないなあと感心しながら店が開くまであと一時間。時間を潰しながら話を進めていればいつの間にか時間は過ぎ去って
「どうする?
昼飯でも食って行くか?」
「俺はどこのおばちゃんだよ!!!」
まさかコタツでお茶を啜り、先日の旅行の土産の残りを食べながら昼を迎えるとはありえねえと、お昼は辞退してめぼしい苗は買い漁られた後の農協にそれでも目当てのものをなんとかかき集めて急足で山へと帰るのだった。
「今度は何を買いに行くつもりだ……」
お馴染みの農協が開くのを待つ俺に何やら警戒する圭斗だが
「春に植える苗の買い出しと怪しい苗の探索に」
「お前の家の畑以上に怪しい苗なんてあるものか」
呆れて言い返すも
「本当に怪しい種や苗はネットで探すけど、ご当地苗はその土地でしか買えないからな」
フフンと得意げに主張する綾人に
「この辺にご当地苗とかあるのか?」
そんな疑問。こんなど田舎に何珍しい物があるんだと言えば
「例えばスクナカボチャ。似たようなものはあれど、東京じゃあマイナーだ」
「まあ、見なかったな。っていうか気にもしなかった」
そんな高級品買うわけない。カボチャは食べなくても生きていけるだろうと消去法で選ばれた野菜はついぞ冷蔵庫へお招きすることはなかった。
「モクズガニの餌に毎年大量に作ってるだけなんだが、ぼちぼち畑を起こそうかと思って準備しないとなと思い腰をあげたんだ」
「できたらうちにも回せよ」
「飯田さんに取られる前に取りにおいで」
「くっ、敵は飯田さんか」
「猟友会の人たちみたいなこと言わないの」
全くというように呆れる綾人だが
「一番のライバルは烏骨鶏だから。まあ、最後は烏骨鶏を美味しく食べるためとあきらめるが良い。
ついでに春植えのジャガイモとか人参、キャベツとか……
そう言えばさつまいもがぼちぼちおいしくなったから今度来る時は持ってくるよ」
「悪いな。陸斗が喜ぶ」
「お前も喜べ」
「おうおう、これでも喜んでるぞ?」
「いいや、宮下の如く裸で踊り狂うが良い」
「……は?」
目を点にして何を言ってるという圭斗に綾人は
「前に何かで喜びを表現する方法として一発芸を披露しろって、俗にいう暇潰しだな。二人で何をすれば馬鹿笑いできるか、酒も飲んでいたのもあったんだが。
結局最後はマッパになって雪山に突っ込むっていう結果になったんだよ」
「やったのか?」
嘘だろ?なんていつの間にか一歩遠ざかっていた圭斗に
「服を着たままやると乾くまで寒い思いするからな。主に宮下が」
「宮下が風邪をひくわけないから心配はしないが……」
「お前、さすがに幼馴染とはいえひどいぞ」
綾人もひくわーと圭斗から一歩きょりをとる。とは言えこたつを囲んで時間を潰しているだけなので離れようとしてもこたつを中心にぐるぐると回るだけ。
コタツの魅力は絶対ですというところだろうか。
「所でそれは綾人もやったのか?」
恐る恐るというように圭斗は聞くも
「やったそぞ」
あっさりと綾人はいう。
「ひくわー」
ありえねーと圭斗は顔を引き攣らせるが
「そうか?とりあえず飯田さんも大爆笑だぞ?」
「まさかの飯田さんへの接待とか意味わかんないんだけど?!」
「今年は賑やかだったからやらなかったけど、去年までお年玉を俺と宮下にくれたからその時のお礼の一発芸として」
「マジか?!」
「因みにだがやっぱりマッパは色々としんどかったから藁で腰蓑を作って踊ってみた」
「どんなんだ?!」
想像が追いつかねえ!!と頭を抱える圭斗だが
「酔っ払ってないと出来ない一発芸だよなー」
俺も宮下も飯田さんもと言って笑う。
「今年は色々とあったし、未成年の陸斗もいたからなしにしたけどな」
さすがに威厳が……というもそんなもの既にどこにもないとだけ言っておく。
「頼むから陸斗に見せないでくれ」
「安心しろ。うちで預かってた時に風呂から家まで裸族でウロウロしてたから今更だ」
ヤメロと正座で美しいまでに綺麗な土下座されたのを見てさすがに反省をする綾人だった。
そんなバカな話しをしながら圭斗は先生の家の屋根の色や仕様の説明など話をしながら今度は前回みたいに人がいないから二日にわたって作業をすると断りを入れてきた。
「二軒分の屋根だし、通路のおかげで完全に切り離して作る事になるからな」
「すまんないつもわがまま言って」
「ああ、うん。お前には手伝ってもらうより金を出してもらう方が俺達的にも平和でいいから気にするな」
「ありがとう。
結局のところ俺には頭脳と金と山と烏骨鶏しかない役に立たない男で迷惑をかける」
「烏骨鶏以外ならいつでもどれでもよこせ。
お前のとこの山なら金になる木がいっぱいあるからな」
「くうっ!圭斗の抜け目のなさよりも烏骨鶏の順位の低さが悲しい!」
「そりゃあ食ったら終わりだし、生かすにも金がかかるからな。コスパが合わん」
どこまでも現実的な圭斗の意見にぶれないなあと感心しながら店が開くまであと一時間。時間を潰しながら話を進めていればいつの間にか時間は過ぎ去って
「どうする?
昼飯でも食って行くか?」
「俺はどこのおばちゃんだよ!!!」
まさかコタツでお茶を啜り、先日の旅行の土産の残りを食べながら昼を迎えるとはありえねえと、お昼は辞退してめぼしい苗は買い漁られた後の農協にそれでも目当てのものをなんとかかき集めて急足で山へと帰るのだった。
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