【完結】病弱な幼馴染が大事だと婚約破棄されましたが、彼女は他の方と結婚するみたいですよ

冬月光輝

文字の大きさ
28 / 32

第二十八話(マルサス視点)

しおりを挟む
 短期間にここまでの人材をよくかき集めたな僕は。
 いやー、金がかかって仕方なかったよ。
 予定を無理矢理キャンセルさせたり、引き抜くために契約金を払ったり、今回ばかりはアネットに感謝かな。 
 あいつがマネージャー代わりに事務処理を大体やってくれたから。

「まさか、あの世界的なダンサーで俳優でもあるケヴィン・エルトニーと握手出来るなんて……。若様に仕えて良かったと初めて思いました」

「はっはっはっはっ! まぁ、僕にかかれば世界中のスター軍団を集めるなんて、楽勝だよ、楽勝! んっ? 初めて?」

 とにかく劇団マルサスは始動した。
 主演は僕がするとして、一流の演出家と脚本家に愛とは何たるかを主張する最高のショーを創ってもらうとしよう。
 
 
「劇団マルサスですの? あの、わたくしとリュオン殿下が結ばれるための演出なのですよね?」
 
「そのとおりです! まぁ、見てみてください! 今からリハやりますので、何かまずいところがあれば修正しますよ!」

 とりあえず、明日、リュオン殿下が結婚式に出席するためにルーメリアを訪れるらしいから、オリビア殿下に劇団マルサスのショーを見せることにした。
 スポンサーである彼女の希望はきちんと聞こうと思う。やっぱり、プロとして独りよがりは嫌だからね。



 そして、実に一時間半に渡る壮大なショーは幕を閉じた。
 フラッシュモブの時と違って、練習期間があった分、演技にも磨きがかかったなー。
 
「マルサス様~~! 感動しましたわー! わたくし、こんなにもロマンチックで楽しい劇を見るのは初めてです」

「そうでしょう、そうでしょう」

 ウケたー!
 当たり前のことだけど、オリビア殿下は涙を流しながら僕の舞台を絶賛した。
 よし、スポンサーからのダメ出しもなかった、最高の滑り出しだ。

「わたくし、泣いてしまいました。それにマルサス様のことが格好いいと思ってしまいまして。リュオン殿下のこと、忘れかけてしまいましたわ」

「ぽえっ!? だ、駄目ですよ、いくら僕が背が高くて、顔も良くて、歌も演技も上手くて、男としてのスペックが高過ぎても、僕には愛する人がいますから」
「自分で言っててむず痒くならないのですか?」

 いやー、参ったな。
 僕がカッコ良すぎて惚れちゃったんだって。
 そりゃあそうだよな。僕って基本的にモテるし。

「姫様! 駄目ですぞ! こんな男にうつつを抜かすなんて! リュオン殿下に失礼です!」

「そ、そうでしたわね。いけませんわ、わたくし」

 こ、こんな男に? まぁいいか。とにかくこのあと、僕がおめでとうと言いたい人がいると、オリビア殿下を紹介して、リュオン殿下に告白……という流れを説明しないと。


 ◆ ◆ ◆


「マルサス様! ありがとうございます! 私たちの式をこんなにも盛り上げようとしてくれるなんて!」
「ぽ、ぽえっ!? え、エリナ!? ど、どうしてここへ!?」

 本番もショータイムは最高の出来だった。
 しかし、オリビア殿下を呼び出すタイミングでウェディングドレスを着たエリナが僕の前に現れる。
 えっ? えっ? 結婚式について詳しく聞いてないけど、エリナの結婚式なの?

 あー、やばい。オリビア殿下を呼び出すタイミングが――。
しおりを挟む
感想 340

あなたにおすすめの小説

「証拠なら全て記録してあります」——記録魔法しか取り柄がないと捨てられた令嬢、婚約破棄の場で三年分の不正を読み上げる

歩人
ファンタジー
伯爵令嬢アネットの唯一の魔法は『記録《レコード》』——見たもの聞いたものを 一字一句記憶する地味な能力。婚約者の侯爵子息ヴィクトルは「戦えない魔法など 無価値だ」と婚約破棄を宣言する。だがアネットは微笑んだ。「承知いたしました。 では最後に一つだけ——」。彼女が読み上げ始めたのは、ヴィクトルが三年間で横領した 軍事費の明細。日付、金額、共犯者の名前、密会の会話。全て『記録』済み。 満座の貴族が凍りつく中、王宮監察官が静かに立ち上がった。 「……続けてください、アネット嬢」。 婚約破棄の舞台は、そのまま公開裁判になった。

もう私、好きなようにさせていただきますね? 〜とりあえず、元婚約者はコテンパン〜

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「婚約破棄ですね、はいどうぞ」 婚約者から、婚約破棄を言い渡されたので、そういう対応を致しました。 もう面倒だし、食い下がる事も辞めたのですが、まぁ家族が許してくれたから全ては大団円ですね。 ……え? いまさら何ですか? 殿下。 そんな虫のいいお話に、まさか私が「はい分かりました」と頷くとは思っていませんよね? もう私の、使い潰されるだけの生活からは解放されたのです。 だって私はもう貴方の婚約者ではありませんから。 これはそうやって、自らが得た自由の為に戦う令嬢の物語。 ※本作はそれぞれ違うタイプのざまぁをお届けする、『野菜の夏休みざまぁ』作品、4作の内の1作です。    他作品は検索画面で『野菜の夏休みざまぁ』と打つとヒット致します。

【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜

福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。 彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。 だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。 「お義姉さま!」           . . 「姉などと呼ばないでください、メリルさん」 しかし、今はまだ辛抱のとき。 セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。 ──これは、20年前の断罪劇の続き。 喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。 ※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。 旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』 ※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。 ※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。

義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜

阿里
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。 「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」 本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。 けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。 おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。 貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。 「ふふ、気づいた時には遅いのよ」 優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。 ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇! 勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!

【完結】婚約を解消して進路変更を希望いたします

宇水涼麻
ファンタジー
三ヶ月後に卒業を迎える学園の食堂では卒業後の進路についての話題がそここで繰り広げられている。 しかし、一つのテーブルそんなものは関係ないとばかりに四人の生徒が戯れていた。 そこへ美しく気品ある三人の女子生徒が近付いた。 彼女たちの卒業後の進路はどうなるのだろうか? 中世ヨーロッパ風のお話です。 HOTにランクインしました。ありがとうございます! ファンタジーの週間人気部門で1位になりました。みなさまのおかげです! ありがとうございます!

(完結)その女は誰ですか?ーーあなたの婚約者はこの私ですが・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はシーグ侯爵家のイルヤ。ビドは私の婚約者でとても真面目で純粋な人よ。でも、隣国に留学している彼に会いに行った私はそこで思いがけない光景に出くわす。 なんとそこには私を名乗る女がいたの。これってどういうこと? 婚約者の裏切りにざまぁします。コメディ風味。 ※この小説は独自の世界観で書いておりますので一切史実には基づきません。 ※ゆるふわ設定のご都合主義です。 ※元サヤはありません。

姉から奪うことしかできない妹は、ザマァされました

饕餮
ファンタジー
わたくしは、オフィリア。ジョンパルト伯爵家の長女です。 わたくしには双子の妹がいるのですが、使用人を含めた全員が妹を溺愛するあまり、我儘に育ちました。 しかもわたくしと色違いのものを両親から与えられているにもかかわらず、なぜかわたくしのものを欲しがるのです。 末っ子故に甘やかされ、泣いて喚いて駄々をこね、暴れるという貴族女性としてはあるまじき行為をずっとしてきたからなのか、手に入らないものはないと考えているようです。 そんなあざといどころかあさましい性根を持つ妹ですから、いつの間にか両親も兄も、使用人たちですらも絆されてしまい、たとえ嘘であったとしても妹の言葉を鵜呑みにするようになってしまいました。 それから数年が経ち、学園に入学できる年齢になりました。が、そこで兄と妹は―― n番煎じのよくある妹が姉からものを奪うことしかしない系の話です。 全15話。 ※カクヨムでも公開しています

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

処理中です...