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第十六話(ジーナ視点)
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まさか、ケヴィンさんがニッグによって殺されかけていたなんて。
幼馴染で大好きだったけど、許せないわ。愛するケヴィンさんになんてことしてくれるのよ。
――幸せな結婚生活。
思えば、私が一番欲しかったのはそれだったのかもしれない。
ウダウダと、どの男がいいとか、男に気に入られるにはどうしたらいいとか、そんなことを話している周りの連中のことを馬鹿にしていたけど、本当は求めていたんだわ。
愛することの素晴らしさを教えてくれたケヴィンさん。
私は彼のためなら何だって出来る。
そう、ニッグを殺すことだって――。
「ニッグ! 久しぶりじゃない。付き合いが急に悪くなったから心配していたのよ……!」
「いやー、ごめん、ごめん! ちょっと、忙しくてさ。あー、喉が渇いた。飲み物をもらえるかい?」
「飲み物? ちょっと待って。今、紅茶を淹れさせるわ」
ここでニッグを簡単に殺してしまうと大問題。私が犯人だって足がついてしまう。
まずは痺れ薬で身体を麻痺させて、酒をたっぷり飲ませて、酔っ払ってもらうわ。
そして、この屋敷の2階から落として事故死に見せかけるの。
調子に乗って逆立ちをして歩きだしたとか言ってね。
「ジーナお嬢様、お紅茶を用意しました」
「あー、私持っていくから。ありがとう!」
私は使用人からお茶を受け取り隠し持っていた痺れ薬をニッグの紅茶に入れる。
ふふ、これを飲んだら、たちまちの内に彼は痺れて動けなくなるわ。
「ジーナ、紅茶を飲む前にお前を待たせてしまった償いをしたい」
「ニッグ……?」
「目を閉じて、お前を感じたいんだ――」
何それ、キスがしたいっていうの?
仕方ないわね。ここで変に拒否して紅茶に手を出さなくなるのは困るわ。
私は不本意ながら目を閉じた。だけど――。
「ちょっと待って! やっぱり、キスは駄目……!」
「えっ……!?」
「い、今はそういう気分じゃないの」
「そ、そうか。まぁいいけど」
だけど私はやっぱりキスする気分にはなれなくて……、彼を拒否してしまった。
ケヴィンさんの顔が過ぎったから……。
知らなかった。私って結構一途じゃない。
ここでニッグが薬を飲まないということも懸念したけど、彼は間抜けにも薬を飲んだわ。
ふふふふ、これで彼も終わり。ここから、無理やり酒を飲ませてあげるから。
「痺れ薬が効いてきたみたいねぇ、ニッグ……」
「へっ……?」
痺れて動けなくなったことに気付いた彼は驚いた顔で私を見た。
まるで私が殺意を持っているなんて考えたこともない目をしているのね。
「あなたを地獄に送ってあげる――すー、すー」
……あれ? な、なんで急に眠気が……?
ま、まさか、紅茶に眠り薬を? ニッグ、あなたも私のことを――。
◆ ◆ ◆
「ジーナ! ジーナ! 起きるんだ、ジーナ!」
「け、ケヴィンさん……?」
「まったく、心配になってきてみたら、君は寝ていて、ニッグくんは痺れて動けなくなっているんだもの」
あれ? なんでケヴィンさんが家に?
まぁいいか。ケヴィンさん、私を心配で来てくれたんだ。嬉しい……。
んっ? ニッグ、なんで血まみれになって倒れているの?
そ、それに、私……、なんで手に血塗られたナイフを握っているの……?
幼馴染で大好きだったけど、許せないわ。愛するケヴィンさんになんてことしてくれるのよ。
――幸せな結婚生活。
思えば、私が一番欲しかったのはそれだったのかもしれない。
ウダウダと、どの男がいいとか、男に気に入られるにはどうしたらいいとか、そんなことを話している周りの連中のことを馬鹿にしていたけど、本当は求めていたんだわ。
愛することの素晴らしさを教えてくれたケヴィンさん。
私は彼のためなら何だって出来る。
そう、ニッグを殺すことだって――。
「ニッグ! 久しぶりじゃない。付き合いが急に悪くなったから心配していたのよ……!」
「いやー、ごめん、ごめん! ちょっと、忙しくてさ。あー、喉が渇いた。飲み物をもらえるかい?」
「飲み物? ちょっと待って。今、紅茶を淹れさせるわ」
ここでニッグを簡単に殺してしまうと大問題。私が犯人だって足がついてしまう。
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そして、この屋敷の2階から落として事故死に見せかけるの。
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「あー、私持っていくから。ありがとう!」
私は使用人からお茶を受け取り隠し持っていた痺れ薬をニッグの紅茶に入れる。
ふふ、これを飲んだら、たちまちの内に彼は痺れて動けなくなるわ。
「ジーナ、紅茶を飲む前にお前を待たせてしまった償いをしたい」
「ニッグ……?」
「目を閉じて、お前を感じたいんだ――」
何それ、キスがしたいっていうの?
仕方ないわね。ここで変に拒否して紅茶に手を出さなくなるのは困るわ。
私は不本意ながら目を閉じた。だけど――。
「ちょっと待って! やっぱり、キスは駄目……!」
「えっ……!?」
「い、今はそういう気分じゃないの」
「そ、そうか。まぁいいけど」
だけど私はやっぱりキスする気分にはなれなくて……、彼を拒否してしまった。
ケヴィンさんの顔が過ぎったから……。
知らなかった。私って結構一途じゃない。
ここでニッグが薬を飲まないということも懸念したけど、彼は間抜けにも薬を飲んだわ。
ふふふふ、これで彼も終わり。ここから、無理やり酒を飲ませてあげるから。
「痺れ薬が効いてきたみたいねぇ、ニッグ……」
「へっ……?」
痺れて動けなくなったことに気付いた彼は驚いた顔で私を見た。
まるで私が殺意を持っているなんて考えたこともない目をしているのね。
「あなたを地獄に送ってあげる――すー、すー」
……あれ? な、なんで急に眠気が……?
ま、まさか、紅茶に眠り薬を? ニッグ、あなたも私のことを――。
◆ ◆ ◆
「ジーナ! ジーナ! 起きるんだ、ジーナ!」
「け、ケヴィンさん……?」
「まったく、心配になってきてみたら、君は寝ていて、ニッグくんは痺れて動けなくなっているんだもの」
あれ? なんでケヴィンさんが家に?
まぁいいか。ケヴィンさん、私を心配で来てくれたんだ。嬉しい……。
んっ? ニッグ、なんで血まみれになって倒れているの?
そ、それに、私……、なんで手に血塗られたナイフを握っているの……?
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