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2章 王太子と公爵令嬢
デビュー
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「お父様、社交界デビューが決まったというのは本当ですか?」
「あぁ、本当だ。日取りは1週間後。レイと同じ年頃の子が沢山来るデビュタントパーティーだ。だがこのデビュタントは王太子殿下のデビューも兼ねている。気を抜かないように。私は執務で行けないからね。」
「はい!」
よく考えたら、娘の社交界デビューに王太子殿下がいるなんてハードルが高い気がしますね。お父様は私を試しているのでしょうか。そうだとしたら、期待を超えてみせましょう!
「フェリーナ先生、社交界デビューが決まったんです!」
「良かったですね!しっかり準備しなくては!」
「パーティーはどんな服装で行けば良いのですか?」
「パーティーだと、華やかで自分の良さを出せるドレスが好まれますね。社交場では存在感を見せ、同じく貴族令嬢の方々と友好関係を結ぶ事が必要ですから。」
「なるほど。」
「それから、ご友人をつくるには、マナーも大切です。言動に気をつけ、淑女らしい振る舞いが求められます。マナーがなっていない人は、最悪ご両親から交際を反対されかねません。」
「恐ろしいですね……」
「えぇ、ですが……」
「ですが?」
「これはあくまでも建前です。社交場の闇は、こんなものではありません。」
「闇…ですか。」
「家柄差別なんて序の口。その家に悪い噂がたっていれば社交会でも冷たくされ、カースト上位の令嬢の気に触れば最後、陰湿な嫌がらせを受けることになります。」
「………」
言葉が出ません。社交界とは、そんな恐ろしい場所だったのですね。
「お嬢様には辛いかもしれませんが、社交界には善人ばかりではないのです。特にこの国には公爵令嬢が2人しかいません。お嬢様のその立場を狙って、大勢の人がお嬢様に近づくでしょう。その中から、本当にお嬢様を思ってくれる人を見つけなければいけないのです。」
「もう1人の公爵令嬢というのは?」
「テレネシア公爵家のディアナ様です。彼女も今年のデビュタントパーティーに出ます。」
「恐らく2人の公爵令嬢に群がるように人が来るでしょう。」
聞けば聞くほど、不安が大きくなってきます。慌ててフェリーナ先生が続けます。
「でっ、ですが!淑女にとっては無くてはならない場所なんですよ!幅広い家門の人々と関わる事が出来ますし、令嬢にとっては一生を添い遂げる殿方を見つける場でもあるのですよ。」
「殿方……婚約者のことですか?私にはまだ早いです。」
「そんな事ありません。家同士で生まれる前から婚約させることも珍しくないのですから。」
「そうなんですか…」
勉強だけでは分からないことばかりですね。こういうのは、やっぱり実体験に勝るものはないようです。
「お嬢様なら心配いりません。お嬢様はだれより聡明な方ですから。」
「褒めすぎですよ……」
褒められるというのも中々照れますね。
「いいえ、お嬢様は公爵様から期待される実力の持ち主です。きっと上手くいきますよ!」
何だか嬉しくなりますね。ここまで褒められると。
応援のおかげか、何だかできそうな気がしてきました。
「あぁ、本当だ。日取りは1週間後。レイと同じ年頃の子が沢山来るデビュタントパーティーだ。だがこのデビュタントは王太子殿下のデビューも兼ねている。気を抜かないように。私は執務で行けないからね。」
「はい!」
よく考えたら、娘の社交界デビューに王太子殿下がいるなんてハードルが高い気がしますね。お父様は私を試しているのでしょうか。そうだとしたら、期待を超えてみせましょう!
「フェリーナ先生、社交界デビューが決まったんです!」
「良かったですね!しっかり準備しなくては!」
「パーティーはどんな服装で行けば良いのですか?」
「パーティーだと、華やかで自分の良さを出せるドレスが好まれますね。社交場では存在感を見せ、同じく貴族令嬢の方々と友好関係を結ぶ事が必要ですから。」
「なるほど。」
「それから、ご友人をつくるには、マナーも大切です。言動に気をつけ、淑女らしい振る舞いが求められます。マナーがなっていない人は、最悪ご両親から交際を反対されかねません。」
「恐ろしいですね……」
「えぇ、ですが……」
「ですが?」
「これはあくまでも建前です。社交場の闇は、こんなものではありません。」
「闇…ですか。」
「家柄差別なんて序の口。その家に悪い噂がたっていれば社交会でも冷たくされ、カースト上位の令嬢の気に触れば最後、陰湿な嫌がらせを受けることになります。」
「………」
言葉が出ません。社交界とは、そんな恐ろしい場所だったのですね。
「お嬢様には辛いかもしれませんが、社交界には善人ばかりではないのです。特にこの国には公爵令嬢が2人しかいません。お嬢様のその立場を狙って、大勢の人がお嬢様に近づくでしょう。その中から、本当にお嬢様を思ってくれる人を見つけなければいけないのです。」
「もう1人の公爵令嬢というのは?」
「テレネシア公爵家のディアナ様です。彼女も今年のデビュタントパーティーに出ます。」
「恐らく2人の公爵令嬢に群がるように人が来るでしょう。」
聞けば聞くほど、不安が大きくなってきます。慌ててフェリーナ先生が続けます。
「でっ、ですが!淑女にとっては無くてはならない場所なんですよ!幅広い家門の人々と関わる事が出来ますし、令嬢にとっては一生を添い遂げる殿方を見つける場でもあるのですよ。」
「殿方……婚約者のことですか?私にはまだ早いです。」
「そんな事ありません。家同士で生まれる前から婚約させることも珍しくないのですから。」
「そうなんですか…」
勉強だけでは分からないことばかりですね。こういうのは、やっぱり実体験に勝るものはないようです。
「お嬢様なら心配いりません。お嬢様はだれより聡明な方ですから。」
「褒めすぎですよ……」
褒められるというのも中々照れますね。
「いいえ、お嬢様は公爵様から期待される実力の持ち主です。きっと上手くいきますよ!」
何だか嬉しくなりますね。ここまで褒められると。
応援のおかげか、何だかできそうな気がしてきました。
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