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一章
以魚駆蠅
しおりを挟む――…5月、春。
偏差値ギリギリで無事入学した僕と広太は、その学園の有り様に驚愕を超え、むしろ絶句した。
学校にしては広大過ぎる敷地も見渡す限りの男、男、男な光景もそうだが、それ以上に一番驚いたのが。
「幸、これお前の好物だったろ?やる!」
「おっ、サンキュ!」
「なっテメッ、抜け駆けしてんじゃねぇ!」
「はははっ、朝から元気やんなぁ」
「ぷひっ、元気良いことだがや」
食堂の中心で現役アイドルに囲まれて無邪気に笑う兄が、二年生にして生徒会長を務め、その兄を中心とした全校生徒や教師さえもが、兄を敬い崇拝していた事実だ。
その事を知ったのは、入学して間もなく引率してた先輩方や、担任らがべらべらと語ってくれたことから…なんだけど。
それを知った僕と広太が、早々に兄に近付かないことを決意したのは、説明されてすぐのことだった。
あの女の言い付けだと?知らん。入学して兄を見てろしか言われてないから、望み通り見てるだけで済ましてやんよ!
野郎に襲われていても、見てるだけで済ませてやるぜ!ネッチョリとな!!!(実はアニオタ腐男子)
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