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本編(完結)

納得?

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「兄さん、なんで俺は兄さんに勝負を挑み続けたんでしょう?」

混乱の末に口から出たのは質問返し。

「それは私が聞きたいんだけどね……。なんで聞き返しちゃったんだい?」

「俺てっきり兄さんに勝負を望まれてるとばかり……」

「? 私がそう言った記憶はないんだけれど」

「今考えたら俺にもその記憶なかったです」

予想外の答えだったんだろう。兄は目を丸くしたと思えば少し呆れた様子で俺を見る。これで見放されても文句は言えないな、自分がバカすぎて。

「……今のクウリは随分頭が弱くなったね?」

はい、遠回しにバカ認定いただきましたー!

「好きで頭弱いわけじゃないんですぅうぅぅ」

恥ずかしくてついに両手で顔を隠すことで兄の視線から逃れる。こんなはずじゃなかったのに何で俺は自分のバカさ加減を披露しまくってるのだろう?

『お兄ちゃんってバカ可愛いよね……』

ふと妹の前世の言葉が舞い降りてくる。もうあれじゃん、身内にはバカがバレる運命なんだよ。前世でもバカなのにクウリになったからって頭よくなるとは限らない!いや、勉強面とかとは別の意味で!一応王子なので勉強できないバカだけはだめだ。

「そうか……バカはバカでもこういうバカは……」

あれ?なんか兄からバカバカ聞こえる。せっかく遠回しに言ってくれたのに台無しですよー!お兄様ー!と言いたいが否定できないので心の中で泣くしかない。

「うん、とりあえずわかったよ」

「え?」

何が?俺のバカさ加減が?何故か兄はすっきりした様子でにこにことし始めた。機嫌がいいのは何よりですが、全く状況が読めません。誰か教えてくれ、バカでもわかる解説で。

を嫌いになることはなさそうだ。ある意味扱いがわからない方が私は楽しいしね」

「えぇ……?」

益々わからない。嫌われないのは今後を考えるといいことだ。扱いがわからないって何?え、何が楽しいの?解説者、どこかに解説者落ちてませんかー!

「誕生日プレゼントもついでに決まったよ。楽しみにしててね」

んん?今その話に戻るのか。ついでと言ってる時点でやっぱり誕生日プレゼントを探るためのストーカーではなかったようだ。バカでもわかるやつだな。わざとそう言った可能性もあるが、にこにこと笑う兄の表情からは読み取れない。

とりあえず今気になるのはにこにこと笑う兄が何を考えて唐突に誕生日プレゼントを思い付いたのか。だって俺がバカと認識してのこれだぞ?なんかとてつもなくろくでもないもの送られる気がしてならない。

結局その日兄が何に納得し何を考えているのかについては何一つわかることなく後日俺は6歳の誕生日を迎えるのだが、その前に俺は前世を思い出して一番最初に兄を不機嫌にさせた理由を今回のことをきっかけに知ることになったのだった。
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