兄を悪役にさせないために全力を出した結果~ヤンデレブラコン化は悪役よりマシですか?~

荷居人(にいと)

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本編(完結)

目撃者はいない

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「………とまぁハナちゃんの嗅……いえ、勘で見つけて問いただしたら先生が白状してくれたの」

それ間違ってたら大問題じゃと思うのは俺だけだろうか?しかもこれがあの『君と共に』を作った創造主……。ってあれ?この話兄は理解できないよな?

「催眠術……なるほど。後乙女ゲームの制作者だったんだね」

うんうんと頷く兄を見て………あれ?理解してる?とぽかんとしてしまった俺。

「兄さん、乙女ゲーム知ってるの?まさか………」

「ああ、違うよ、クウリ。私は転生者じゃないからね」

「え、ならなんで……」

「ふふ、後で説明してあげる……ね?」

「うん……」

兄の笑みとウインクを頂いた俺は頷くしかなかった。もしかして俺が前世の記憶があることも兄はずっと知っていてそれでも愛してくれていたんだろうか?そう思うとなんか、それって……物凄く……。

「それでどうしますか?これ」

そんな俺の思考を遮るように話しかけてきたのはピンク嬢。既にボロボロの犯人をどうするか聞かれれば正直話を聞いて改めて本当に俺を振り回した犯人なのがわかったためふざけるなとこの怒りをぶつけたい。兄への気持ちを消そうとすらしただけに創造主と調子に乗るこの教師を許せるかと言えば無理だ。

「クウリを奪おうとする人物はそれだけで許せないから罰を下したいけど犯罪を犯した訳じゃないから大したことはできないんだよね。生徒に催眠かけて意思を曲げる行為ととれば教師あるまじき行為として罪を与えはできるけど。正直教師に暴行に及んだ君たちの方が問題になってしまうね」

兄が冷静に分析した言葉を告げれば不満そうなのはピンク嬢とシエル。

「えー!ピンクを汚した刑は大きいですよ!」

ピンクを汚した刑とは。反論が反論なだけに反応に困る。

「正直令嬢に出来うる限りでピンクを身に付けさせただけだからね、実際。ああでも、クウリの記憶をなくさせようと手を出したのはそれなりの罪にはできるか。ある意味王族に対しての反逆にもとれるし、ね?」

「そうよ!自白ならさせるわ!」

不満そうな顔からよしきたとばかりの輝かしい笑顔になるシエルにストップをかけるのは兄。

「君たちにその権限はないよ。大丈夫、私がクウリを狙ったことを生涯後悔させてあげるから。それとここはゲームでもなければ彼が作った世界でもない現実だということを知らしめてあげよう」

ふふふと笑う兄は冷静に見えて実は一番怒りを抱えていることを察する。でも兄に賛成だ。ここは現実、ゲームじゃない。これのせいで兄に愛の言葉を言わせてもらえなかったのだからしっかり片付けをしないと。

「兄さん、俺も手伝うから俺をひとりにしないで?」

「クウリ……」

困った子を見るように見られたけど引く気はない。ただでさえ結局何もできなかったのだから後始末くらいは兄と一緒にでもいいからしたいのだ。

「共同作業だよ、兄さん」

「ふぅ……仕方ないね。クウリがそういうなら」

最後は二人で片付けることがこの瞬間に決まった。

決まったその瞬間にシエルたちの未来もまた決まった。

その未来の話をひとつだけしよう。その話とは兄の口から出たシエルたちの暴行に関してだ。これは誰も見ていなかった見てないことにした。よって、勝手に先生が転けて大怪我をしたという話になったわけだ。明らかに転けた怪我ではなかったが、仕方ない。証拠もなければ

つまり二人が初等部を卒業する前に罪を被ることはないということ。だって初等部の子供が教師に暴行なんて誰も信じないしな。それを見ない限りは。
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