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ストレスは厳禁
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「あ、あ、あの、陛下に穴をあけないよう帰宅をしてもいいですか?」
当たり前かもしれないが、こんな帰宅理由は始めてだ。他の者ならふざけてるのか?と思うところだが、この一家だとそう思えないのが不思議でならない。この小動物感がそういう風に見せるのだろうか…………?
「………まあ、結婚式について話し合うためにも一度落ち着く必要があるだろう。体調面に問題もなさそうだしな、帰宅を許す。詳細は追って伝える。後、一応俺の護衛を数人連れていけ、馬車も用意する。念のためな」
とりあえずこのまま話していてもこの一家の負担になりかねないと判断して帰宅を許す。ストレスを与えすぎると死ぬのは動物も人間も一緒だからな。少しずつ歩み寄ればいい話。これからはいくらでも時間を作れるのだから。
護衛に関しては普通に心配だからだ。夜も遅いし、この一家だけにすると誘拐事件に巻き込まれそうな気がしてならない。
それはそれとして既に妻だとしても結婚式はもちろん挙げるつもりでいることは伝えなければと伝えただけなのだが…………
「お父様!私たちでは持参金が足りないのでは………!?」
「ほわっ!?」
持参金。確かに身分が離れすぎて嫁に来る側、それも男爵ならば一番に心配になること。正直ほしいのはコルトリアのみで金などいらんが、そのせいでコルトリアを悪く言う奴らが出てきては血の雨が降り注ぎ、コルトリアを怖がらせてしまう。
だからこそその辺りはもちろん対策させる気でいた。
「くく………っ心配するな、結婚前に持参金名目で財産を贈与したことにして用意するから心配はいらん。コルトリアは俺に嫁ぐことだけを考えればいい。なんなら結婚後、義両親の城の出入りは自由にしてやる」
ついでとばかりに義両親の城の出入りを許可する。この一家は悪さをしそうにはないし、何よりあまり離すのがいいように思えなかったのもあった。ならばいつでも会えるよう取り計らえれば問題はないだろうというわけだ。
「む、娘のためにありがとうございます……」
「………礼はいらん。それより誰にも穴はあかんからもう手で顔隠さなくてもいいぞ?」
俺がしたいようにしただけなので礼がいらぬことを言いつつも、未だ目を手で塞いだままの一家を見て、ふと帰ってもこのままでいそうな気がしてそう伝えてみれば………
「「「え、そうなんですか」」」
すごく驚かれてほっとされた。まさか本気で穴があくと思われていたなんて誰が思うだろうか?あまりに素直すぎてよく貴族として生き残れてきたなと余計心配になった。
だが、もしかしたらあまり下の位と関わりがない俺が知らないだけで案外下の位のものは素直なのかもしれない。
「貴様らは貴族にしては珍しく素直だな……下の位だとそんなものなのか?まあいい。こちらもやることができたし、今日は帰ってゆっくり休め」
そう思い疑問を口にしてしまったが、このままでは負担を強いるばかりかと帰宅を促す。これから結婚式についてや持参金に関しても宰相と相談する必要があるからだ。徹夜?それくらい余裕に決まっている。
「「「は、はいっ」」」
こうして一時コルトリアとお別れをすることになった。まさかこの時結婚手続きが済んでいないばかりか、また一日も経たずしてスモール家一家がすぐ戻ってくるとは思いもせずに。
当たり前かもしれないが、こんな帰宅理由は始めてだ。他の者ならふざけてるのか?と思うところだが、この一家だとそう思えないのが不思議でならない。この小動物感がそういう風に見せるのだろうか…………?
「………まあ、結婚式について話し合うためにも一度落ち着く必要があるだろう。体調面に問題もなさそうだしな、帰宅を許す。詳細は追って伝える。後、一応俺の護衛を数人連れていけ、馬車も用意する。念のためな」
とりあえずこのまま話していてもこの一家の負担になりかねないと判断して帰宅を許す。ストレスを与えすぎると死ぬのは動物も人間も一緒だからな。少しずつ歩み寄ればいい話。これからはいくらでも時間を作れるのだから。
護衛に関しては普通に心配だからだ。夜も遅いし、この一家だけにすると誘拐事件に巻き込まれそうな気がしてならない。
それはそれとして既に妻だとしても結婚式はもちろん挙げるつもりでいることは伝えなければと伝えただけなのだが…………
「お父様!私たちでは持参金が足りないのでは………!?」
「ほわっ!?」
持参金。確かに身分が離れすぎて嫁に来る側、それも男爵ならば一番に心配になること。正直ほしいのはコルトリアのみで金などいらんが、そのせいでコルトリアを悪く言う奴らが出てきては血の雨が降り注ぎ、コルトリアを怖がらせてしまう。
だからこそその辺りはもちろん対策させる気でいた。
「くく………っ心配するな、結婚前に持参金名目で財産を贈与したことにして用意するから心配はいらん。コルトリアは俺に嫁ぐことだけを考えればいい。なんなら結婚後、義両親の城の出入りは自由にしてやる」
ついでとばかりに義両親の城の出入りを許可する。この一家は悪さをしそうにはないし、何よりあまり離すのがいいように思えなかったのもあった。ならばいつでも会えるよう取り計らえれば問題はないだろうというわけだ。
「む、娘のためにありがとうございます……」
「………礼はいらん。それより誰にも穴はあかんからもう手で顔隠さなくてもいいぞ?」
俺がしたいようにしただけなので礼がいらぬことを言いつつも、未だ目を手で塞いだままの一家を見て、ふと帰ってもこのままでいそうな気がしてそう伝えてみれば………
「「「え、そうなんですか」」」
すごく驚かれてほっとされた。まさか本気で穴があくと思われていたなんて誰が思うだろうか?あまりに素直すぎてよく貴族として生き残れてきたなと余計心配になった。
だが、もしかしたらあまり下の位と関わりがない俺が知らないだけで案外下の位のものは素直なのかもしれない。
「貴様らは貴族にしては珍しく素直だな……下の位だとそんなものなのか?まあいい。こちらもやることができたし、今日は帰ってゆっくり休め」
そう思い疑問を口にしてしまったが、このままでは負担を強いるばかりかと帰宅を促す。これから結婚式についてや持参金に関しても宰相と相談する必要があるからだ。徹夜?それくらい余裕に決まっている。
「「「は、はいっ」」」
こうして一時コルトリアとお別れをすることになった。まさかこの時結婚手続きが済んでいないばかりか、また一日も経たずしてスモール家一家がすぐ戻ってくるとは思いもせずに。
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