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あうあう言ってくれるな

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そんなわけで怒りは長続きはしなかった。何故か立ち上がってそそくさと遠ざかろうとするコルトリアたちを見て。

「…………何故、そんなに離れていく?」

「「「ぴえぇっ」」」

当たり前だが、コルトリアたちに怒りは一ミリとも抱いていない。なのに随分怖がらせたようだ。

「な、泣くな………怖がらせたか?」

涙まで見せられたら罪悪感が半端ない。泣く子も黙る暴君じゃなかったのか俺は。いや、それはそれでコルトリアに関しては微妙だが。

「「「あうあうあう」」」

なんだ。あうあうあうってとは思ったが、ぐっと堪える。とりあえず怖がらせてしまい話せない様子なのは理解した。

「ぐ………っわかった!怖がらせたんだな?俺は君たちに危害は加えんからとりあえず落ち着け、いい子だから」

これでも成人しているのは理解しているが子供扱いというかなんというか………成人した大人への扱い方ではないなと言った後で思う。

「「「…………」」」

だから黙られるとなんだかすごい居たたまれないんだが?

「急に黙られるとそれはそれでどうしたらいいかわからんのだが」

「「「ああああうあうあう………っ」」」

また、あうあうか………!なんだか無理に話させようとしてしまったようで胸が痛む。居たたまれない気分など無視すべきだったか!

「ま、まだ落ち着いてなかったんだな!?邪魔して悪かった!存分に黙れ?いや、沈黙を許す」

沈黙を許すってなんだ…………?自分で言っていて訳がわからない。と思っていればすごい視線を感じ始めた。気のせいかすごく見られている……?

いや、気のせいじゃない。これは指摘していいのか?

あうあう再びじゃ?いや、だが、やっぱりすごい見られて…………?優しく、そう優しく言えば大丈夫なはずだ。

「………そんなに見られると穴があきそうなんだが」

「「「はわわ………っ」」」

あうあうはなかったがびっくりしたように顔を手で隠された。何故……?

「何をしてるんだ………?」

「「「へ、陛下に穴をあけないようにしてます!」」」

そのまま疑問を問いかければ思わぬ答え。確かに穴があきそうだとは言った!言ったさ!だが、本当にあくわけもないし、冗談だと思うだろう?というか例えというか…………!

いや、それはどうでもいいにしても、両手で目を押さえてぷるぷるする姿は…………

「ぐぅ………いちいち可愛いな………」

つい声に出してしまうほどに可愛いというか、癒されるというか庇護欲すらわいてくる。それが三匹………いや、三人………。コルトリアが一番可愛らしいが、コルトリアの親も俺より年上なはずなのに可愛く見えて複雑だ。

本当に子持ちの親なのか……?と改めて確認したくなる若さというよりも幼い見た目なのだから。
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