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アリアお姉様の日記と鍵

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「ジャック、人を探して欲しいのだけど」

「亡くなった公爵様の弟君であるベガ様ですね」

「‥‥用意周到ね」

「‥‥アリアお嬢様が探しておりましたから‥‥」

「そう‥‥」



私は黒いドレスを見に纏い、ジャックともう一度、アリア姉様が眠っている古い教会から由緒ある立派な教会へと移し再度葬式を行った。

顔だけは綺麗のままだけど‥‥体は‥‥

私はぐっと泣くのを堪えて、ぐずぐずと泣いているジャックの方へと振り向く。

まだ顔の怪我が治っていないジャックは、アリア姉様の顔がまともに見れないのか離れていた。

馬車で帰る途中、ジャックとアリア姉様は馬が突然暴れだし馬車は山の崖へと転落した。

ーー‥‥馬が急に暴れ出す、ねえ。


「‥ジャック、もう埋葬するのよ」

「‥‥っ!私が死ぬべきでした。あの時手を離さなければーー」

「ジャック」

私がもう一度ジャックの名前を呼ぶと、ジャックは涙を拭き少しずつ前に歩いて棺にいるアリア姉様の顔を愛しいそうに見つめながら、冷たくなった頬を触わる。普段なら、お姉様にそんな事したらその手をぶっ叩くけど、多分亡くなったお姉様もジャックに会いたかっただろう。

「アリアお嬢様‥‥‥私はーー」

ジャックはポソリと何かを呟いていた。
よく聞こえないけど、別れの挨拶か何ね。
私はぐずぐずと泣き、なかなかお姉様から離れないのを見てイライラし始め、ジャックの足を踏む。

「痛っ!スピカお嬢様痛いです!」

「もうお別れ時間は終わりよ。ジャック、もう一度聞くわ。アリア姉様に何が起きてたの?
‥‥リゲルの件もだけど、アリア姉様は沢山の証拠集めていたみたいだし‥‥誰かがまるでこうなる事を予測していたかのように、あまりにもスムーズ過ぎるというか‥淡々としているのが不思議なのよね」

そう私が話すとジャックは何やら少し考えてから話す。

「‥‥アリアお嬢様は、スピカお嬢様を守って欲しいと私に言いました」

「私?何故?」

「それは‥‥私にもよくわかりません。ただ、いつもアリアお嬢様はスピカお嬢様の事を心配をされておりました」

そりゃあ双子の妹でるお姉ちゃん大好きっこな私が心配よね!体が元気になった姿を見せたかったわ‥‥。

今は泣いている場合じゃないわ!

「アリアお姉様の部屋は?小さい頃と場所は変わりはないわよね」

そう私が本館の方へ歩き、
ジャックに聞くとジャックは首を横に振る。

そしてジャックに案内をされたのは本館ではなく、別館の方の屋根裏部屋‥‥。

質素というか、埃まみれで‥‥

「‥‥ハッ!アリア姉様がこんな仕打ちをされてたのに、私は綺麗な部屋と食事、好きな事をしていたのね‥‥」

何も知らない私が‥‥知らなかった自分が悔しくてたまらない。

「スピカお嬢様に何も知らせてはいけない。そういう決まりでしたから」

「私が療養していた屋敷のメイド達も口止めされてたわけね」

「はい、コレは必要な事だからと」

ジャックの頬を叩きたい、けどジャックのせいでもなんでもない。

‥‥私に何か隠している?

アリア姉様は一体私に何を隠しているんだろう。ジャックもよくわからないみたいだし‥‥。

机の中を開けると日記が二つあった。

「日記?これはアリア姉様のかしら?」

「‥いえ、私も初めて見る日記ですね」


黒い色と赤い色‥‥二つの日記には鍵がかかっており、4桁の数字を入れると開けられるタイプのものだった。

勝手に人の者を読むのはよくないけれど、アリア姉様がどう考え過ごし、何を私から守ろうとしていたのか、ヒントがあるかもしれない。

私は黒い方の日記を手に取り、考える。
多分‥‥4桁の数字は‥‥

「亡くなったお母様の誕生日ね」

よく私とアリア姉様は鍵をかける番号はそうしてた、私達を産んでくれたお母様の誕生日、あとは自分にとって特別な日にしたりしていたもの。

多分赤い方の日記は‥‥なんとなくそちらのほうは私が読んではいけないと感じるわ。
チラッとジャックを見ると、ジャックは相変わらず阿保面だわ。

「ジャック、こちらの日記を開けてみなさいな」

「え!?鍵がかかって、私ではわかりませんが‥」

「私や姉様の誕生日でもなさそうだし、ジャック、お前が鍵を開けるまで日記を持ってなさい。これは命令よ」

「しかし‥これはスピカお嬢様がもつべきではーー」

「ジャックしか開けられないと思うけどね。それ以上文句言ってくるなら、お前の嫌いなピーマンを毎日食べさせるわ」

「ぴっ!ピーマンは克服しましたよ!?」

私はウダウダと言っているジャックを無視して黒い日記の方の鍵番号をいれると、カチと音がなり開いた。

開けてみたものの、いいかしら?
読んでも。
プライバシーもあるし‥‥‥だけど気になる。

「アリア姉様、ごめんなさい。読ませていただきます」

私はバッと日記を開く。

開いて‥‥ビックリして固まってしまった。
一緒に日記を見たジャックは首を傾げる。

「‥‥?何処の異国の文字なんでしょうか」

まさか‥‥

私だけかと思った。

日記の文字はそう‥‥

「日本語‥‥」

























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