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【短編】
騎士団長と禁断の言葉 (1)
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王太子エドワードの妃であり、“サキュバスの加護”を持つセーラ=メロウレス。
彼女は、王宮に迎え入れられて以来、王太子の想い人が誰であるのかと、長い間悩み続け、斜め向こうの推測もしていた。
相変わらず、誰も彼女の推測を止める者はおらず、彼女のそばに仕える侍女のラシェットと共に様々な想像をしていたのだが、ある時、思いついたことがあった。
金の髪に豊満な肢体を持つ、この美しい妃は素晴らしいことを思いついたように、目を輝かせてこう言った。
「わたくし、里帰りをすればいいのですわ」
里帰りというのは名目であって、理由はなんでもよかった。
とにかく、王太子エドワードのそばから一時的に離れればいいのだ。
そうすればきっと、彼が……そう、彼が現れるはずだ。
セーラが王宮へ招かれるまでの間、王太子の“最強王”の欲を慰めていたという謎の少年。
彼の素性については誰もが口を噤み、彼が消えた後、殿下は時折、昏い目をしていた。
もし、一週間でも王太子のそばを離れれば、彼の欲を鎮めるために、再び少年が王宮に現れる可能性がある。
いや、間違いない。
そうでなければ、欲の解消ができない王太子の魔力暴走で王宮が吹っ飛ぶ可能性があるからだ。
早速、セーラは王太子に「実家の伯爵家の様子を見に里帰りしたい」と告げた。優しい王太子は、すぐにそれを了承してくれたが、慌てたのが侍従長をはじめとする侍従達である。
「セーラ様、いましばらく、いましばらくお待ちください」
そう言うと、里帰りの件は一時保留にされ、侍従長は慌ただしくどこかへ出かける様子が見られた。
セーラとその侍女ラシェットは、二人して顔を見合わせていた。
彼女は、王宮に迎え入れられて以来、王太子の想い人が誰であるのかと、長い間悩み続け、斜め向こうの推測もしていた。
相変わらず、誰も彼女の推測を止める者はおらず、彼女のそばに仕える侍女のラシェットと共に様々な想像をしていたのだが、ある時、思いついたことがあった。
金の髪に豊満な肢体を持つ、この美しい妃は素晴らしいことを思いついたように、目を輝かせてこう言った。
「わたくし、里帰りをすればいいのですわ」
里帰りというのは名目であって、理由はなんでもよかった。
とにかく、王太子エドワードのそばから一時的に離れればいいのだ。
そうすればきっと、彼が……そう、彼が現れるはずだ。
セーラが王宮へ招かれるまでの間、王太子の“最強王”の欲を慰めていたという謎の少年。
彼の素性については誰もが口を噤み、彼が消えた後、殿下は時折、昏い目をしていた。
もし、一週間でも王太子のそばを離れれば、彼の欲を鎮めるために、再び少年が王宮に現れる可能性がある。
いや、間違いない。
そうでなければ、欲の解消ができない王太子の魔力暴走で王宮が吹っ飛ぶ可能性があるからだ。
早速、セーラは王太子に「実家の伯爵家の様子を見に里帰りしたい」と告げた。優しい王太子は、すぐにそれを了承してくれたが、慌てたのが侍従長をはじめとする侍従達である。
「セーラ様、いましばらく、いましばらくお待ちください」
そう言うと、里帰りの件は一時保留にされ、侍従長は慌ただしくどこかへ出かける様子が見られた。
セーラとその侍女ラシェットは、二人して顔を見合わせていた。
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