異世界転移しても所詮引きこもりじゃ無双なんて無理！しょうがないので幼馴染にパワーレベリングして貰います

第二章 希望を求めて

プロローグ

目をゆっくりと開く。

「ふむ」

視界いっぱいに広がる青々と茂った木々を眺め、思案する。
開幕早々森ってどうよ、普通人里近くだろう？

後ろを振り返ってみる。

絶壁

首が痛くなる程見上げても、頂上部分がまるで見えない。
そんな絶壁が背後には広がっていた。

って事は、ここはルグラントのすぐ外って事か……

外の様子はよく分からないと言っていた事から、とりあえずすぐ傍に放り出された感じなのだろう。

「どうせ何も分からないんだ。それなら考えるよりも動いた方が良いか」

何も考えず行動するのは愚かな事だが、自身に与えられた期間を考えると悠長にしている暇は余りないだろう。
自分を納得させるせるように言葉を発し、歩き出す。

与えられた期間は1年。

1年以内に俺は目的を果たさなければならず。
自分の為すべき目的を考えれば、その期間は余りにも短いと言えた。

だが何としても手に入れなければならない。
仲間達を、何よりあいつを守るために。

俺は決意を新たに、目の前に広がる森へと足を踏み入れた。

厄災を打ち倒す力を手に入れる為に。