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#10 恐怖と快楽の

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「っふ…っはぅう゛♡」

 薄暗い中で竜司の胸に顔を埋めて、突起を舐める扇を息を荒げて見据える。
 意地悪くなのか、業となのか、それとも――気のせいなのか。
 ちゅぷ、ちゅぽと厭らしい音が鳴る。勿論、竜司の突起を舐め誉める扇の唇からだ。
(っは、っずかっしぃいい~~)
 ぎゅ! と目を閉じると余計に突起への舌の滑らかな感覚が肌をザワつかせてしまう。より一層意識もしてしまうものだから、股間への熱も再燃してしまう。さっきも、同じ感覚だったが射精ってはいなかったことに、竜司は気づいていない。
 扇の背中に両腕を回し、肩に顔を埋めた。気持ちよさに息を弾ませて。
 ビクビクと身震いを起こす竜司の身体に、
(本当にいい反応してくれるよねぇ)
 喜々と扇も張り切って、両方の突起を弄り、舐め誉めた。
 
 がっり!

「  ぁあぁ゛♡」

 甘くも煽る声に扇も、
(ああ。愉しぃけど、音楽レコードも終わりに近いんだよなぁ)
 少し、がっかりしつつ。
(でも。この彼との今後は今日が重要だよね)
 突起を舐める脳内は、フル回転で考えた。考えて出た結果は。
「ね? もっと、気持ちよくなりたくない? 縁司君」
 突起から唇を離して竜司に確認をした。
「…これで最期にするからさ? ね?」
 甘くにこやかに言う扇に竜司も、
「は、ぃ」
 朦朧と顔を縦に振った。
「よかったw」
 その言葉に、扇がはにかむと。
「長谷部君。テーブルの上をちょっと片してくんないかな?」
 長谷部に片付けを頼んだ。頼まれた長谷部も片付けると――

「っしょ、とっな!」

 太ももの上にあった竜司の身体をテーブルの上に乗せた。
 そして、素早くエプロンをたくし上げ。スカートも上げて、竜司のペニスを取り出した。
 竜司は、そんな事態に気づける状態ではなく、長谷部がその状況に驚き、戸惑っている状態だ。
 心底、全身が恐怖に震えてしまい。顔面蒼白なのだが、店内は暗くて長谷部の顔色なんか扇からは見えない。
「うん。立派だね、私よりはアレだけど。女の子受けはよさそうだ」
 顔を竜司の茎へと近づけ、ふぅと息を吹いた。
「っひゃ♡?」
 意識が戻ったのか竜司の顔が左右に動き、少し上半身を持ち上げ下半身を見た。
 茎を出されている自身の状況に、竜司の思考も止まってしまい。身体も硬直してしまう。
「可愛いなぁ。んじゃ、ちょっと失礼するよ」
 大きく唇を開けると、扇は口腔内に竜司の茎を咥え込んだ。

「あ゛」

 それに長谷部は驚きの声を上げてしまう。
 慌てて口許に手を覆い声を漏らさない様にもしたのだが。
 周りに、とくに父親ママである海潮にバレないかドキドキしてしまう。

「ゃ゛ア゛ぁ゛っ!」

 突然の茎の感触に、股間にある扇の頭部を掴み。髪を強く引っ張る竜司にも負けずに舐め続けるのだが、痛いものは痛く扇も顔を持ち上げた。そして。

「長谷部君。ちょっと、彼の唇を塞いでくれないかな?」

 硬直したままの長谷部に指示を出した。
 出された方の長谷部も、意味が分からないのだが。
「え」
「どんな方法でもいいから。抵抗を抑えてくれればいいよ」
「え゛」
「頼んだよ」と扇は、また竜司の茎を頬張った。
 甘く与えられる感覚に、
「っひ! や゛っめ゛っでぇ゛! い゛や゛でっすぅう゛!」
 また悲鳴を漏らす竜司に、
「っわ!」
 長谷部も慌てて彼の顔へと向かい。

「っご、ごめっ!」

 膝を折ると、頬に手を添えて口づけをした。
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